お風呂の大掃除を徹底的に。手順とコツを掃除のプロが教えます。

お風呂の大掃除をプロと一緒に。

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出典:写真AC

お風呂場は毎日使うからこそ、定期的に徹底的に掃除をして清潔にしておきたい場所です。

今回はお掃除のプロ大津たまみ先生に、お風呂の大掃除の手順とプロならではのコツを教わります。

最初から順番に掃除をしてもいいですし、気になるところを重点的に行ってもいいですね。

 

お風呂の大掃除を始める前に大津先生が注意してほしい点があります。

それが洗剤の使い分け。お風呂の汚れは複合的なので洗剤も3種類必要です。

皮脂汚れ用の中性又は弱アルカリ性洗剤、水アカや石鹸カス用の酸性洗剤、カビ用の塩素系漂白剤です。

このうち、酸性と塩素系の洗剤を同時に使うと有毒なガスが発生するので、必ず別の日に行ってください。

安全に掃除を行うことは掃除のプロの鉄則ですし、大掃除中に救急搬送された事例を多数聞いてきた大津先生からのお願いでもあります。

 

 

用意する物

 

大掃除を効率的に進めるためには道具の選び方も重要です。

大津先生流の道具選びのポイントも手順の中で合わせて紹介していきます。


今回使う道具類はこちら。

・スポンジ(今回は「お風呂専用お掃除スポンジ」

・ブラシ(今回は「Jブラシ」「角効くバスブラシ」

・フローリングワイパーのヘッド部分にメラミンスポンジをつけた物

・洗剤(今回は「天使の松」と塩素系漂白剤)

・キッチンペーパー

マイクロファイバークロス

・掃除機

・マスク

・ゴム手袋

掃除中は何よりも安全に注意して行いましょう。

お風呂場は換気がしにくい場所。掃除中は常に換気扇を稼働させてください。

塩素系漂白剤を使う際は必ずマスクを使用してください。刺激に敏感な人は、必要であればメガネ等で眼も守りましょう。

お風呂の大掃除の手順

 

掃除は基本に従い、乾いた汚れ→濡れた汚れ→頑固な汚れの順番で、高い場所から低い場所に向かって行います。



 

【1】脱衣所

最初は脱衣所です。

床に落ちている髪の毛やホコリ等、乾いた汚れを掃除機で吸い取ります。


【2】ドアのサッシ

浴室と脱衣所の間のサッシ、ドアレールの部分を掃除します。

たまっている髪の毛やホコリが乾いていれば掃除機で吸い取ります。

濡れている場合は細かい場所の汚れも取れる「Jブラシ」の様なブラシでかき出します。


【3】桶や椅子等の備品

浴室で使っている桶や椅子、シャンプーボトル等の備品についている汚れを落とします。

この時のポイントは「お湯養生」

通常より高めの50度くらいに設定したお湯をかけ、こびりついた汚れを溶かしたり浮かしたりしてからスポンジでこすります。


カビは50度以上で死滅すると言われていますので、お湯養生はカビ対策にもなります。

漂白剤を使う必要がある時でも、使用前にカビの元となる菌を減らしておくのが良いそう。


湯だけで汚れが落ちない場合は、弱アルカリ性の洗剤(「天使の松」や一般的なお風呂用洗剤)を使います。

洗い終わったら浴室の外に出して乾燥させます。

掃除をする場所の素材を傷付ける可能性も考え、大掃除だからといって強い洗剤だけに頼り過ぎないのが掃除のプロのコツです。



【4】天井

天井にはフローリングワイパーのヘッド部分に、同じ大きさのメラミンスポンジを取り付けた物を使います。


作り方についてはこちらのコラムでもご紹介しています。

メラミンスポンジの正しい使い方と、新しい使い方をお掃除のプロが教えます。


メラミンスポンジにたっぷり水を含ませてから、汚れが気になる場所をこすります。

天井の掃除はひと苦労。

シャワーを天井に向けると水滴が落ちてきて濡れてしまいますし、液だれが怖いので高い所には洗剤を使いたくないという声もあります。

そこで大津先生がすすめるのがこの方法。

水をしっかり含ませたメラミンスポンジならシャワーや洗剤を使わずに汚れを落とせるので、無理なく安心して掃除ができます。


この時に換気扇の掃除も一緒にしてしまうとラクです。掃除方法についてはこちらのコラムをご参照ください。

お風呂場のちょっと面倒な汚れやカビのお掃除方法をプロに聞く。



【5】壁、ドア、収納棚

壁やドア、収納棚の汚れもまずはお湯養生。

汚れが浮いたらスポンジやブラシを使って落とします。

よほどひどい汚れでなければスポンジで落とせるそうです。

なお、カビを発見した場合は、キッチンペーパーに塩素系漂白剤をしみ込ませ、カビの上から湿布をして除去します。


【6】浴槽

浴槽についた皮脂汚れはスポンジと洗剤でしっかり洗います。

使うのは「お風呂専用お掃除スポンジ」と弱アルカリ性洗剤の「天使の松」です。


大津先生は日頃から使うお風呂用スポンジには、汚れの落とし良さに加えて、大きさ、曲げやすさ、薄さにこだわります。

浴槽を始め浴室には面積が大きな物が多いです。広い場所には面が広い掃除道具を使うと、掃除がしやすく時短になります。

また、浴室内は曲面も多い場所。

曲げて洗いやすいことも大事なポイントです。

加えて、指先で汚れを感じて力の加減がしやすいよう、薄いスポンジが使いやすいそう。


お風呂用のスポンジを探す際は、汚れ落ちだけでなく大きさや曲げやすさ、薄さもチェック項目に入れてみてください。


【7】エプロン


エプロン部分は開けて、ブラシ等でカビを落とします。掃除方法についてはこちらのコラムをご参照ください。


お風呂場・浴室の気になる汚れの掃除方法をプロに聞く。



【8】床

面積の広い床には様々な汚れがあり、場合によっては黒ずみがこびりついていることも。

洗剤「天使の松」を使い、「角効くバスブラシ」でこすり洗いをします。


「角効くバスプラシ」も大津先生が普段から使っているお気に入りアイテムの一つ。

掃除をするブラシの面積が広いこと、しっかり握れて軽い力で汚れを落とせること、先端が直角になっているので角にしっかり入り込んで、たまりがちなヌメリまでしっかり落とせることが特徴です。


洗剤を使わなくてもある程度汚れが落とせるので、普段は洗剤を使う手間が省けるのも良いそうです。


【9】鏡

そろそろ終わりが見えてきました。

鏡や棚についた水滴をマイクロファイバークロスで拭き上げ、乾かしていた備品を戻します。


【10】排水口

最後は排水口です。

外せる物はすべて外し、「天使の松」をスプレーしてブラシでこすり、お湯で洗い流します。


塩素系漂白剤を使用して掃除をした場合は、普段より長めに排水口の水を流しましょう。

お疲れさまでした!

これでお風呂の大掃除が完了です。

まるっときれいになって、気持ちよくお風呂タイムが過ごせるようになります。


掃除後や使用後に、お風呂場に水滴が残らないよう換気扇を使ったり水分を拭き取っておくと、汚れがつきにくく、掃除もラクになるそうです。

鏡の掃除方法について

最後に鏡の掃除方法について。

鏡についたウロコのような白い汚れは水アカや石けんカスが集まった物でアルカリ性の汚れ。

落ちにくいですが、メラミンスポンジで掃除するのは鏡の表面を削ってしまうのでやめましょう。


落とすには、クエン酸水で湿布をしたり、クレンザーで磨くのが有効です。

ただし、これらは酸性の洗剤。お風呂場で塩素系の洗剤を使った際は安全のため同日に行うことは避けてください。

大津先生も、塩素系漂白剤を使った時は別日に行っているとのこと。


また、鏡は実は消耗品。

汚れが落ちない、裏側がはがれてきた等は掃除のプロではどうしようもできないそう。大掃除のタイミングで買い替えを検討してみるのもいいかもしれませんね。

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出典:写真AC