メラミンスポンジを日本で一番愛するお掃除のプロが登場!?
今回の主役は、白くて四角くて頑固な汚れをすっきり落としてくれる「メラミンスポンジ」。
家庭内の掃除だけでなく、お掃除のプロがハウスクリーニングの現場でも欠かさない掃除道具です。
リンナイスタイルの監修者でお掃除と片付けのプロの大津たまみ先生は、実は日本でも指折りのメラミンスポンジの探求者。
メラミンスポンジについて本を1冊出版するほどのメラミン愛にあふれています。
そんな大津先生に、メラミンスポンジの正しい使い方と、次の5つの新しい使い方を教わります。
- メラミンクロス
- フローリングワイパーメラミン
- マンゴーカットメラミン
- 爪楊枝メラミン
- ホットメラミン
気になる名前ばかりですね。
一緒に奥深いメラミンスポンジの世界の扉を開けましょう。
メラミンスポンジの正しい使い方。
スポンジと名前が付いていますが、メラミンスポンジは一般的なスポンジとは違い、研磨作用が強い掃除道具です。
大津先生は研磨剤の仲間と考えているくらいで、正しく使わないと掃除場所を傷つける恐れがあります。
メラミンスポンジはメラミン樹脂が網目状になってできています。
この硬い網目状のメラミンフォームに汚れが絡みついて、研磨、削り取ることで汚れが落ちます。同時に、メラミンスポンジ自身も削られていきます。
スポンジではなく研磨剤という考え方に納得いただけるかと思います。
このため、コーティングされた洗面台、家具、天然素材の皮や家具は表面を削り取ってしまうので使用は厳禁です。
事前に使えるかどうかを確認して、目立たない場所で試してからにしましょう。
また、人の肌や歯など、体に使うことは危険なのでやめましょう。
使う時は水をたっぷり含ませます。
色が半透明になって滴り落ちるまで含ませたら、軽く絞って水分を調整、水滴が落ちないくらいが適量です。
この状態が、一番よく汚れが落ちます。
水の量が少なすぎると汚れや掃除場所を傷つけたり、メラミンスポンジがボロボロになってしまいます。
メラミンスポンジはカットでもっと使いやすく。
大津先生がメラミンスポンジを愛する理由のひとつが簡単にカットできること。
掃除場所に合わせて大きさを変えられるので、広い面も細かい場所も掃除がしやすくなります。
ホームセンターなどで大きな物を買い、好みのサイズに切り分けるのがお掃除のプロ流。
ちなみに大津先生は15×10cmくらいにカットした物が、掃除がしやすくてお気に入りだそうです。
ここからは、大津先生が編み出した様々なカットと使い方を紹介します。
①メラミンクロス
最初にご紹介するのは「メラミンクロス」。メラミンスポンジをクロス(=布)のようにして使います。
形が複雑な物を布で拭く様にして汚れを落とします。
15×10cmくらいのメラミンスポンジを用意し、カッターナイフで厚さ1cmほどに切ります。
曲げやすい、やわらかめのメラミンスポンジが適しています。
おすすめの掃除場所はドアの取っ手。
水を含ませて、取っ手をくるむ用にして拭き上げれば、裏側についた手あかもしっかり落とせます。
他にも、蛇口やシャワーホースなど丸みのある場所や複雑な形状の場所の掃除に便利。
拭いた後はマイクロファイバークロスのような、拭き上げ用のクロスで乾拭きをして水気を取りましょう。
②フローリングワイパーメラミン
続いては、フローリングワイパーとの合体作。手が届きにくい場所、高い場所の掃除に活躍します。
メラミンスポンジをワイパーのヘッドの大きさに合わせて切り、輪ゴムで取り付けます。
厚さは2~3cmくらいです。
活躍するのはお風呂場。
水を含ませたら、壁面、天井、カビが発生しやすいスミなどを掃除します。
「お風呂場の天井は水拭きがしにくいですし、洗剤が垂れてくる可能性があります。これなら掃除がラクにできます」と大津先生イチオシです。
汚れが落ちたらメラミンからマイクロファイバークロスなどに換えて、水分を拭きとりましょう。
※壁面や天井に特殊なコーティングがされている場合はコーティングをはがしてしまう恐れがありますので、使わないでください。
※ワックスをはがす恐れがありますので、フローリングなどの床掃除には使わないでください。
③マンゴーカットメラミン
続いては名前がかわいいマンゴーカットメラミン。
カッターで、マンゴーをカットするように格子状に切れ目を入れます。下までスパッと切ってしまわないように注意しましょう。
使う時は花を咲かせるようにしっかりと開いて持ちます。
おすすめはシンク。
特に角にできた、こびりついて硬くなっている汚れです。
カットしたことでスポンジが丸みを帯びてシンクの角にしっかりフィット。たくさんあるスポンジの角や面で、曲面のこびりつき汚れもしっかり落とせます。
「苦手意識のあるシンクの角の掃除も、ちょっとかわいいマンゴーカットメラミンを使うと楽しくなりますよ」と大津先生もお気に入りです。
④爪楊枝メラミン
隙間や細かい部分の汚れを落としたい方にお試しいただきたいのが、爪楊枝の先に挿す「爪楊枝メラミン」。
メラミンスポンジを1cm角くらいに切り、爪楊枝に挿します。
「メラミンスポンジは細かい樹脂が網目状になっているので、爪楊枝を挿すだけでも意外に外れにくく、立派な掃除道具になってくれるんですよ。」とのこと。
隙間の汚れが得意な爪楊枝メラミンは、冷蔵庫のパッキンにこびりついてしまった汚れにおすすめです。
他にも、玄関の床とたたきの部分の隙間の汚れや合皮の椅子の隙間など、隙間の掃除に重宝します。
⑤ホットメラミン
最後はちょっと応用編。水を含ませて電子レンジで温めるホットメラミンです。温めることでより汚れを落としやすくなります。
15×10cmサイズのメラミンスポンジに水をたっぷり含ませたら、お皿に乗せて電子レンジへ。
(お豆腐と見分けがつかないかもしれませんが、メラミンスポンジです。)
温めの時間は500Wで20~25秒程。
内側まで熱くなるので、最初は少なめの秒数からお試しください。
また、取り出す際はヤケドに注意してください。
ホットメラミンを使う場所は、レンジの中です。
水を含ませてから温めることで、中で蒸気が発生し、こびりついてしまった汚れをゆるめて、より落としやすい状態を作ります。そこをクルクルすれば簡単にきれいにできます。
他にも、水拭きでは落ちないキッチンカウンターの汚れ、しつこい茶渋、鍋の外側のこびりつき、合皮製の椅子やソファやバッグの汚れにはホットメラミンがおすすめとのことです。
メラミンスポンジの選び方。
最後に、メラミンスポンジを知り尽くした大津先生から選び方についてアドバイスです。
どれも同じように見えるメラミンスポンジですが、実は質が異なります。
小さくカットされて詰め合わせになっているような物やお手頃価格の物は、メラミンの泡の密度が低く、質が良くない物が多いそう。使っているうちにボロボロとカスになってしまい、汚れも落ちにくいです。
袋の中のメラミンの角が取れて丸くなっていたら、泡の密度が低いということなので、買う時の目安にしてみてください。
お掃除のプロが選ぶのは、ホームセンターなどにある、ある程度硬さがある大きな物だそう。
ぜひ、自分好みの硬さやサイズのメラミンスポンジを見つけて、楽しく掃除をしてくださいね。
大津先生のメラミン愛とメラミン技をもっと知りたい方は
大津たまみ著『掃除のプロが教える メラミンスポンジ スゴ落ちの裏ワザ』(青春新書プレイブックス)をご参照ください。
(日本清掃収納協会のホームページに移動します。)