「片付けられない」「捨てられない」を解決!片付けのプロが10のお悩みに答えます。

片付けができない。整理整頓が苦手。克服する方法があります。

片付けができない。整理整頓が苦手。克服する方法があります。

出典:写真AC

皆さん、片付けは得意ですか?

今苦笑いをされた方、大丈夫です。お仲間はたくさんいらっしゃいます。

リンナイスタイルのメルマガ購読者を対象にしたアンケート(2025年11月実施)で家事のお悩みをお伺いしたところ、「片付けや整理整頓がとにかく苦手」「自分にはできない」という声が多く聞かれました。

 

今回はそんな皆さんのお悩みの中から10個をピックアップし、片付けのプロ櫛田佳子(くしだ・よしこ)先生に解決していただきます。

日本全国で片付けの講座を行い、累計3,500件以上の現場経験を持つ櫛田先生は「片付けはシンプルで簡単なんです」と力説します。


【お悩み1】

片付けが苦手でうまくできません。どうすればできるようになりますか?


最も多かったこのお悩みに櫛田先生はこう答えます。

「まずお伝えしたいのが、片付けが苦手なのではなく、まだその方法を知らないだけ、ということ。

片付けには手順があります。

収納にはコツがあります。

大切なのは、いかに取り出しやすく、戻しやすい仕組みにするかということ。

この仕組みが整えば、片付けは無理なく自然に続けられるようになります。

 

そしてそれは、自分や家族が暮らしやすい仕組みでもあります。

まずは身近なところから小さな一歩を始めてみてください。焦らなくても大丈夫です。」

こんな片付けのお悩みを解決します。


櫛田先生にはアンケートの中で多かった下記のお悩みに順番に答えていただきながら、片付けの基本についても教わります。

 

<お悩みリスト>


片付け前のお悩み


1.片付けが苦手でうまくできません。どうすればできるようになりますか? (回答済)

2.何から始めればいいのかわかりません。

3.やる気を出す方法を教えてください。

4.物を捨てることができません。

5.片付けた後はきれいなのに、すぐに戻ってしまいます。


 

片付けや収納方法に関するお悩み


6.物が多く、特に服が増えてクローゼットに入りきりません。

7.収納場所がありません。

8.よく使う物や服が出しっぱなしで山になっています。


 

そのほかのお悩み


9.片付けに関する情報が多くて、どれが良いのかわかりません。

10.家族や同居人が片付けに協力してくれません。

片付け前のお悩みの解決方法。

 

【お悩み2】

何から始めればいいのかわかりません。

A:まずは部屋全体を見て困っていることを書き出しましょう。

例えばリビングでは次のような困りごとが生じやすいです。

・服がソファに置きっぱなしになっている

・書類が出しっぱなしになっている

・買ってきた物が床に置かれたままになっている

 

次はここでどんな暮らしをしたいのか理想像をイメージしましょう。

・すぐに物が取り出せる

・スッキリとして物がない

・帰宅後の家事動線がシンプルで疲れにくい

 

この理想の状態をゴールにして今困っていることを解決していくことが、心地よく暮らすための片付けの最初の一歩です。


リビング例

出典:写真AC


【お悩み3】

やる気を出す方法を教えてください。

A:自分が管理できる小さな場所、引き出しのひとつや棚の一段から始めてみましょう。

おすすめは文房具類です。

短時間で整うため「できた」という達成感が得られ、「もう少しやってみよう」と次の片付けにも繋がりやすくなります。


終わった後に小さなご褒美を用意しておくのも効果的です。



【お悩み4】

物を捨てることができません。

A:片付けというとまず物を捨てなくてはと考える方が多いようですが、私は片付け=捨てること、とは考えていません。

片付けとは自分にとって本当に必要なものを見つけていく作業だと思っています。

今自分がどんな物を持っているのかをひとつずつ確認し、自分の暮らしに必要かどうかという視点で見直していきます。

その結果、手放す物が出てくることはありますが、無理に捨てる必要はありません。

 

片付けとは物を減らすことよりも、暮らしを整えていくことだと感じています。

暮らしが整うと不思議なことに物の量も自然と整っていきますよ。



【お悩み5】

片付けた後はきれいなのに、すぐにぐちゃぐちゃに戻ってしまいます。

 

A:片付けを手順通りに行わず、工程を飛ばして収納してしまうことが原因のひとつです。

片付けには手順があり、収納にはコツがあります。

これを守れば、片付け後のリバウンドも減っていきます。

次の項目で、基本から見直してみましょう。

片付けのプロが教える、片付けの基本。

 

「片付けは簡単なんです!」という櫛田先生に片付けを基本から教わります。

① 間取り図を書いて理想の暮らしをイメージする

 

まずは家の中の部屋をどう使いたいのか、理想の暮らしをイメージします。

この時に間取り図を書くと、家だけでなく自分の暮らしも俯瞰できるようになり、片付ける場所や流れを考えやすくなります。

これは片付けを進める際の大切な道標になります。

【お悩み2】で行ったように、家具や収納まで含めた間取り図を書きます。

そこに今困っていること理想の状態を書き加えます。

例えばリビングで「服がソファに置きっぱなしになっている」ので困る。

理想は「物がなくてリラックスできる」というようにです。

 

この困りごとの理由は次のようなことが考えられます。

・帰宅後すぐにソファで休憩するから服が脱ぎっぱなしになっている

・洗濯物をたたんでもクローゼットのある部屋が遠くて持っていくのが面倒で置きっぱなしになっている

 

ソファに置いてしまうのは、そこが今いちばん楽な位置だからと気づくと思います。

間取り図を書いて理想の暮らしをイメージする

出典:写真AC

次に、理想の状態に近づくための解決方法、ソファに置くよりも負担が少なくなる方法や場所はないかを考えてみましょう。

・玄関からソファまでの動線に上着を掛ける場所を作る

・部屋の隅にスリムなハンガーパイプを置いて一時置き場にする

・クローゼットの一部を“すぐ掛けられるスペース”として空ける

 

洗濯物の場合は次のようなことです。

・収納場所までの中継地点として一時置き用のカゴ等を用意する

・収納場所の近くでたたむ

 

すると、その場所を確保するための片付けが必要だともわかってきます。

間取りや生活動線を基準に考えて片付けをすると、リバウンドも起こりにくくなります。

② 物を整理する

 

まずは片付けたい場所に入っている物をすべて出します

 

そして、日本清掃収納協会が推奨する「四分類シート」を使って、「いる」「いらない」「迷い」「移動」に分類します。

100円ショップ等でも手に入るビニールシートを4つに区切って作ります。

日本清掃収納協会推奨の「四分類シート」

日本清掃収納協会推奨の「四分類シート」

「いる」は今使っている物、将来使うことが明確な物。

「いらない」は今使っていない物、将来も使うことがない物。

「迷い」はいる・いらないを8秒以上迷った物。

「移動」は、必要だけど収納場所が違っている物、別の場所で使ったり保管する物。

これは正しい場所に移動させ、その場所で収納しましょう。


使わないけれど大切にしておきたい思い出の品は、「思い出箱」を作り、そこへ移動させて保管していきましょう。

 

分類の仕方についてはこちらのコラムで詳しくご紹介しています。

 

これであなたも片付け上手! 片付けられない・捨てられないを卒業した収納のプロの方法とは?

③ 収納する

 

四分類シートの「いる」ゾーンの物を収納して、

取り出しやすく戻しやすい仕組みを作ります。

まず、いる物をカテゴリー別にまとめます。

収納ボックス等に使用頻度が高い物が手前にくるように入れ、ラベル等を使って中身を“見える化”します。

これで一目でわかり、探しやすく戻しやすい収納になります。


使用頻度の高い物から手の届きやすい高さに収めていきます。

目線の高さから手を下ろして手首を曲げたあたりまでがその高さで、「テキパキスペース」とも呼ばれます。

ここが自分にとって無理なく取り出したり戻したりすることができるエリアです。

 

この順番で作業を進めると、リバウンドもしにくくなります。


キッチンにおけるテキパキスペースの例

キッチンにおけるテキパキスペースの例。

撮影協力:掃除と片付けのプロ大津たまみ先生

この方法で食器の収納を紹介していますので、こちらもご覧ください。


片付けのプロに教わる、食器棚をスッキリ使いやすくする整理方法。

④ 見直す

片付けは一度で完成するものではありません。

ライフステージや暮らしが変化すると、それに伴って使う物も変化します。

収納に使いにくさを感じたら、その都度見直し、その時の自分にとって取り出しやすく戻しやすい収納に整えていきましょう。

片付けや収納方法に関するお悩みの解決方法。

 

【お悩み6】

物が多いです。特に服が増えて、クローゼットやタンスに入りきりません。

A:まずは持っている服をすべて出して見直しましょう。

一枚ずつ手に取りながら、今本当に着ているか、これからも着たいと思うかという視点で「いる」「いらない」「迷い」「移動」に分類してみてください。

 

判断基準は「いる」「いらない」だけではありません。

迷ってもいいんです。

迷った服は一度分けておき、半年してから見直すと判断がつきやすくなります。

時間が解決してくれます。

分類を続けていくことで、自分の適切な服の量や必要な物が見えてきて、収納が整い、出し入れしやすいクローゼットが自然にできてきます。

 

クローゼットに入りきらない例

出典:写真AC

 【お悩み7】

家が狭くて収納場所がありません。

 

A:実は、収納スペースは意外にあるものなのです。

収納は一か所だけではなく、家全体でとらえると解決しやすいです。

間取り図を書き、生活動線を意識しながら、どこで使う物なのか、どこにあると取り出しやすく戻しやすいかを考えるとベストな収納場所が決まってきます。

その物を置くための使えていないスペースや活用できる場所も見つけられるようになります。

 

 

【お悩み8】

よく使う物、よく着る服が出しっぱなしになって家の中で山になっています。

 

A:物が山になってしまう現象はすぐに戻せる収納を作ることで解決できます。

戻す場所が使いにくいと、誰でも出しっぱなしになりやすいものです。

よく使う物や服ほど取り出しやすく戻しやすい場所へ収納。

それだけで出しっぱなしや山が自然に減っていきます。

 

ポイントをいくつかご紹介します。

① よく使う物の収納

リビングやダイニングでよく使う物は、戻しやすい収納にするのがポイントです。

扉を開けて出し入れする場所よりも、目にしやすく、すぐ置けるような場所に収納しましょう。


② よく着る服の収納

一時置き場を作るのがおすすめです。

クローゼットに余裕があれば掛ける収納の一部分を、余裕がなければ部屋の隅にスリムなハンガーパイプを置き、一時置き場にします。

一度着たけどまだ洗わない服は、ボックス等で一時置き場を作ると散らかりにくくなります。

 

③ 収納はボックス収納に

毎日よく使う物は、引き出しやフタ付きの収納に入れるよりも、ポンと入れるだけのボックスやカゴの方が戻しやすくなります。

櫛田先生のご自宅のクローゼット

櫛田先生のご自宅のクローゼット。

引き出しの上に、一時置き用のボックスがあります。

そのほかのよくあるお悩みの解決方法。

 

【お悩み9】

家族や同居人が片付けに協力してくれません。

A:家族の物はその個人の所有物です。

片付けでは物は所有者本人が管理するのが大前提です。


家族に協力してほしい時は、言葉で説得するよりも、まずは自分の管理できる範囲(引き出しやクローゼット、自室等)を整え、片付けている姿やその後の生活を見せましょう。

出し入れがラクになる、探す時間がなくなるといった片付けのメリットが認識できるようになります。

“説得”ではなく“納得”になり、自発的な片付けへの動機づけになります。

部屋イメージ

出典:写真AC

【お悩み10】

テレビや本、ネット、SNS等、片付けに関する情報が多くて、どれが良いのかわかりません。

A:昨今はSNSやメディアを通じて様々な収納方法を紹介されていますね。

でも実際に試してみるとうまくいかなかったということがよくあります。

それは当然のことです。

間取りや家族構成、ライフスタイル、持っている物の量等は人それぞれで、全員が違います。

他の人に合う方法が自分の家に合うとは限らないのです。

大切なのは、自分の暮らしに合った、自分のための片付けの方法を見つけることです。

まずは自分の暮らしを見つめて、どこで・誰が使う物なのか、どこに戻すと使いやすいのかを考えてみましょう。


SNSイメージ

出典:写真AC

どんな暮らしがしたいか。小さな一歩から始めてみましょう。

 

櫛田先生は次のように語ります。

「四分類は絶対です!」熱弁する櫛田先生。

「四分類は絶対です!」熱弁する櫛田先生。

「片付けは、単にモノを整理することではありません。

部屋が整うと、心も落ち着き、考えも整理されていきます。行動も変わり、この積み重ねが自分の望む暮らしや人生につながっていきます。


私自身、仕事・家事・子育てに加えて大きな資格取得に挑戦した時、毎日 “やらなければいけないこと”でいっぱいで心に余裕がなくなり、家の中も乱れていきました。

そこで『まず家を整えよう』と思いました。

すると心も落ち着き、物事の優先順位が見えるようになり、仕事・家庭も両立でき、試験にも一回で合格することができました。


『片付けなければ』と思うほど、負担に感じてしまう方も多いと思います。

無理に一度に片付けようとしなくても大丈夫です。

机の上の一角や引き出しひとつのような、小さな場所から始めてみてください。


物を整えることは暮らしを整えることです。

この積み重ねが、人生を整えることにもつながっていきます。

焦らずにあなたのペースで、小さな一歩から始めてみてください」