「片付けられないのは優しいから」
片付けなきゃいけないとわかっていても片付けられない、捨てられない。
家の中はいつもぐっちゃぐちゃ。
そんな片付けられない人たちを、整理収納のプロ大津たまみ先生は、愛を込めて「捨てられネーゼ」と呼びます。
実は大津先生もかつては「捨てられネーゼ」でした。
片付けられない、捨てられない人の気持ちがよくわかる大津先生はこう語りかけます。
「片付けられない、捨てられない人は心の優しい人。
どんな人も物も受け入れてしまえる、優しい人です。
でも、時々苦しくなりますよね。
本当は好きな人や物に囲まれて暮らしたいと思っているから。
大丈夫。
自分なりの片付け方法を身につけて、捨てられネーゼを卒業できますよ」
大津先生が実践した捨てられネーゼを卒業する方法と、捨てられネーゼが溜めがちな物の片付け方を教わります。
片付けのコツは持ち物を4つに分けることから
元捨てられネーゼの大津先生が考案したのが「魔法の4分割シート」。
1.8m四方のビニールシートをビニールテープで「田」の字に区切り、「いる」「いらない」「迷い」「移動」とします。
迷ってもいい。迷う自分がいるのは当たり前。
大津先生が特に大切にしているのは「迷い」ゾーン。
片付けがうまくできない原因として、
「いる」「いらない」の判断に時間かかってしまい片付けが終わらないこと、
「いる」「いらない」を瞬時に判断しなくてはという心理的なプレッシャーを感じてしまうこと等があります。
一瞬で判断できる物ばかりではありません。
すぐに決心がつかない物は時間をかけて考えましょうというのが、大津先生流です。
「8秒です。
いるかいらないか、8秒迷ったら一旦『迷い』ゾーンに置いて、次の物に移りましょう。
片付けがテンポアップして、罪悪感やプレッシャーを感じなくなります。」
迷いゾーンに置いた物は迷い袋に入れ、半年後の日付を書いて保管します。
半年後に再び「魔法の4分割シート」の上で見直します。
これで、判断できずに不要な物を持ち続けたり、焦って大切な物を手放してしまったりすることが減ります。
大切な物は特別な箱に入れて取っておこう
迷い袋を分類していると、半年間使わなかったけど手放したくないと思う物がでてきます。
これは思い出が詰まった「思い出の品」。
「思い出箱」を作って移動させ、保管します。
「使わない物はすべて手放さなければいけない、と思わないでくださいね。
使わないけど取っておきたいと思った物は思い出の品として保管しましょう。
それはあなたの人生の宝物。
辛いときや悲しい時に取り出して見ると元気になれる大切な物です。
手放さず、大切に保管しましょう」と大津先生。
迷った物には迷った理由があります。
手元に残すか手放すか、半年の猶予を与えて判断していきましょう。
捨てられネーゼが捨てられないアイテム5選
捨てられネーゼを卒業するために、大切な物は保管し手放すべき物は手放しましょう。
大津先生が思う「捨てられネーゼが手放すべきアイテム5選」を紹介します。
1.洋服の予備ボタンや布
捨てられネーゼは服を買った時についてくる予備のボタンや布を溜めがちです。
「取っておいても使わないことがほとんどです。
特に布は一度でも使った記憶はありますか?
ボタンは今後も使いそうな物、気に入った物だけを専用の箱に入れて裁縫道具と一緒に保管しましょう。
服を手放す時はボタンや布も一緒に手放しましょう」
2.ポイントカードや診察券
「お店のカードや病院の診察券は、今そこに行っているか、これからもそこに行くか、そのお店や病院が好きだったかで手放すかどうかを決めましょう。
『もう通っていないけど、昔、子どもと通った思い入れのある病院の診察券』を持ち続けている方もいらっしゃいますが、それはもう思い出の品に役割が変わっています。
『思い出箱』へ移動しましょう」
なお、診察券はいざという時は再発行してもらえるので、ご安心を。
3.紙袋や包装紙、リボン
「お店の紙袋や包装紙、リボンは質が良くて捨てるのがもったいないですよね。
でも使わずに取っておくことが1番もったいないです。
いつか使おうと思っているなら、今、使いましょう。
収納グッズにすれば長く楽しめますよ」
4.キッチン用品や便利グッズ
大津先生の調査によるとキッチンの便利グッズの7割は使われていないそう。
捨てられネーゼのみなさんのキッチンにもありませんか?
「使っていないのは使いづらいからです。
今使いづらいキッチングッズを来年は使うでしょうか?
この1年で使っていなかったら手放す基準にしましょう」
キッチングッズの整理の方法はこちらの記事も参考にしてください。
⇒キッチンが使いづらい?原因は調理家電や便利グッズかも!?
5.食器
買ったけど使いづらかった、もらったけど好みじゃなかった。
捨てられネーゼさんの食器棚はそんな食器で埋まっているそうです。
「使える食器と使いたい食器は別です。
まだ使えるけど使っていて楽しくない物、使いにくい物は手放しましょう。
毎日使う食器をお気に入りの物だけに厳選すると料理も楽しくなりますよ。」
片付けは豊かになるための筋トレ
大津先生は言います。
「片付けは大変ですよね。
私も昔ゴミ屋敷のような家に住んでいた捨てられネーゼでした。
でも今、我が家が一番気持ちいい空間だと感じています。
この感覚をみなさんにも味わってもらいたいです。
物がいっぱいの部屋は、物と自分と向き合えていない状態です。
魔法の4分割シートを使って向き合っていきましょう。
一度で全部できなくてもいいんです。
失敗してもいいんです。
片付けは筋トレのようなもの。
続けていけば、少しずつできるようになります。
本当に必要な物に囲まれた生活は、心も空間も豊かにしてくれます。
自分のペースで捨てられネーゼを卒業していきましょう」