片付けられる子になる片付けの方法を、片付けの先生に教わります。

子どもが片付けやすくなる、片付けの方法。

帰宅した子がランドセルや通園バックを決めた場所に置いてくれずにモヤモヤ。

勉強の後の教材や遊んだおもちゃがそのままになっていてモヤモヤ。

言わない方が良いとわかっていてもつい口から出てしまう「早く片付けなさい!」

 

そんなモヤモヤに「それは置き場所を子どもと決めていないからかもしれません」とアドバイスするのは、ジュニア片づけ収納マイスター認定講師の資格を持つ”片付けの先生”櫛田佳子(くしだ よしこ)先生です。

 

片付ける場所が子どもの生活や体の大きさに合っていないと、子どもが取り出しにくく戻しにくいため「片付けられない」に繋がるのだそう。

これは未就学児でも小中学生、大人でも同じです。

片付けができるようになるためには子どもが片付けやすい場所を作り、子どもが物の管理者になることが大切です。

 

今回は片付けの先生に、子どもが片付けやすくなる4つのポイントと収納方法を教わります。

新年度に向けて、自主的に片付けができるようになる方法を一緒に考えてみませんか。

片付けの先生が教える、子どもの片付けのポイント。


ポイント① 片付けは子どもと一緒に。

片付けは子どもと一緒に行いましょう。

親が手を出して先に片付けてしまったり、子どもが留守の間に片付けて帰ってきた時にきれいな状態になっていたりすると、子どもはその場所や物を自分が管理したり、片付けるものではないと思ってしまいます。


片付かなくてつい手を出したくなりますが、そこは我慢。

待つこと、できるようになると信じること、これを続けることで子どもに片付ける力がつきます。


一緒に片付けることで、子どもは自分の物や場所を認識でき、物を主体的に管理する意識が生まれます。

片付けをしながら、「どんな部屋にしよう」「どこにあると片付けやすいと思う?」と話し、子どもが片付けやすい方法や場所を一緒に探してみてください。


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出典:写真AC


ポイント② 収納場所は子どもの行動エリアごとに作りましょう。

勉強するエリア、幼稚園保育園や学校の物を置くエリア、遊ぶエリア、着替えをするエリア等、子どもには行動エリアがあります。

そのエリアで使う物はエリア内を定位置にし、収納場所を作りましょう。

勉強をリビングでするのなら、そこにランドセルや教科書、学校用品等、勉強に必要な物を収納。

子ども部屋の学習机であれば、机に勉強関連の物を。


おもちゃやゲーム類等の遊ぶ物は遊ぶエリアだけに置きます。

それぞれのエリアが混ざらないように、エリアごとに収納するのがポイントです。勉強するエリアに遊ぶ物があると集中しにくくなります。


このエリア分けも親が決めるのではなく、子どもとどこで行うとやりやすいかを話し合って、一緒に決めましょう。


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出典:写真AC


ポイント③ 子どもが取り出しやすく、戻しやすい位置に収納しましょう。


大人にも子どもにも、収納しやすい場所、取り出しやすく戻しやすい高さがあります。

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モデル:お掃除と片づけのプロ 大津たまみ先生

まっすぐに立った状態で、自分の目線より10cmほど上の位置から、手を下ろして手首を曲げた位置まで。

写真の矢印の間がその場所です。

 

この位置に、使用頻度が高い物から収納していきます。

大人にとっては使いにくい場所でも、子どもにとっては取り出しやすく戻しやすい場所かもしれません。

子どもの高さに合わせて収納がしやすいようにしてあげましょう。

収納家具は成長に合わせて高さを変えられる物を使いましょう。


カラーボックスは手軽に使えるのでおすすめです。

特に3段のカラーボックスは小さい時は横にして、身長が高くなると縦にすることで身長に合わせて使えるので便利です。


ポイント④ 子どもがわかりやすいようにラベリングを。

中身がわかるように行うラベリングは、子どもが一目でわかるようにしましょう。

文字が読めない場合は写真やイラストを貼ります。

 

この時、子どもに自分で貼らせるのがポイントです。

自分で貼ることで自分が決めた場所だという管理者の意識が生まれ、自主的に片付けられるようになります。

 

多少斜めになっても、シワが寄っても気にしないようにしましょう。

片付けの基本をおさらい。


片付けの手順は「整理」→「整頓」→「収納」です。

 

最初は片付けた結果がわかりやすい小さな場所から始めましょう。

小中学生なら文房具が入っている引き出し。未就学児なら絵本等がおすすめです。

「こんなにスッキリした!」「どこに何があるか一目でわかるようになった!」等、片付けの効果や達成感が得られると「片付けは楽しい」と思えて、次のやる気に繋がります。

 

時間や場所を決めて行うことも大切。

ゴールを決めずに片付け始めてしまうと途中で飽きてしまい「早く片付けなさい!」となってしまいます。

片付けはイヤな物というイメージがついてしまうので、その日に行う場所、時間を決めて行いましょう。


① 物をすべて出す。


片付ける場所の物を全て出します。

まずはどんな物をいくつ持っているか把握しましょう。

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出典:写真AC

② 4分割シートの上で整理をする。


続いて、日本清掃収納協会ではおなじみ、4分類シートの出番です。

取り出した物を【いる】【いらない】【迷い】【移動】の4つに分類してシートの上に置いて整理しましょう。

【いる】

学校や幼稚園、保育園等で今使っている物、現在遊んでいるおもちゃ、将来絶対使うとわかっている物。


【いらない】

今使っていない物、もう使わない物。

捨てる、あげる、リサイクル等の方法で手放しましょう。


【迷い】

いるかいらないか8秒以上迷った物。

一旦「迷い箱」に入れて半年後に見直します。今判断できなくても時間をかけることで判断ができるようになります。


【移動】

他の場所で使う物、保管する物。

今は使っていないけどおさがりのために取っておきたい物、思い出として取っておきたい物等も別の場所に移動させて保管します。


③ いるものをカテゴリーに分けて整頓。


「いる」と判断した物をカテゴリーごとに分けます。

例えば、学校の物、習い事の物、遊ぶ物等です。

筆記用具なら「書く物」「切る物」「貼る物」くらいまで細かく分けましょう。


分ける基準はできるだけ子どもに任せます。

小さな子は「なかまに分けてみよう」と声をかけると、その子なりの基準で分けられますので、見守ってみましょう。


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出典:写真AC

④ 収納する。


分けた物を行動エリアの中の、子どもが取り出しやすく戻しやすい場所に収納します。



⑤ シミュレーションで最終チェック。

収納まで終わったら、その場所で本当に使いやすいかシミュレーションをします。


帰宅したところから明日の準備ができるまでの行動を一緒にたどってみて、通園バックやランドセルを楽に置くことができるか、勉強する時に教科書が取り出しやすいか、保育園、学校の準備はしやすいか等をチェック。


うまくできない時は収納場所や収納方法を調節し、使いやすいように微調整をしていきましょう。

時々見直して、片付けやすい状態をキープしましょう。

子どもの成長は早く、使う物もどんどん変わっていきます。

常に今使っている物だけになるよう、定期的な見直しが欠かせません。

少なくとも、夏休み、冬休み、春休みの年3回は子ども主体で見直しを行えるとよいですね。


「子どもが自分で定位置を決めることで自主的に片付けができるようになります。

一緒に片付けることで親子のコミュニケーションもよくなりますし、『決断力』『判断力』『分別力』『管理力』が身に付くようになります。これらは生きていくうえでとても大切な力。片付けを通して将来生き抜く力が育ちます。ぜひ一緒に取り組み、信じて見守ってあげてください。」と櫛田先生。


新年度に向けて親子で一緒に片付けをスタートしてみませんか。