片付けができる子どもがやっている片付けの方法をご紹介!
散らかった子供部屋を見て、この子は片付けられる大人になれるのかと不安に思ったこと、ありますよね。
片付けのプロ、杉 千郷(すぎ ちさと)先生は、子どもたちに片付けの方法を教える中で、片付けができる子どもには物を管理する力だけでなく、自分で決断したり判断したりする力があるように思うそうです。
ただ、片付けは少しずつ習慣にすれば誰でもできるようになるもの。
夏休み、冬休み、春休み、子供部屋がごちゃっとしてきたら片付けを促すタイミング。
杉先生が2人のお子さんと日ごろ行っている片付けの様子を参考に、片付けのコツをご紹介します。
片付けた後の部屋をイメージする。
杉先生が片付けを始める前に大切にしているのが、最初にどんな部屋にしたいのか子どもにイメージを持たせること。
目標があると物事を達成しやすいのは大人も子どもも同じです。
どこに何があるか分かりやすい部屋、宝物が目立つように飾れる部屋など、片付け後の部屋のイメージを話し合ってから作業を始めると、途中で戸惑わず作業が止まったりもしにくいそうです。
イメージが固まったら
「部屋の中でどこが気になっている?」
「もう要らないなと思うものはある?」
「どうしたらいいと思う?」
など、子どもたちのやる気を促す声かけをして作業開始です。
片付けのコツ1:すべてのものを出す
片付けをする時は必ず一度すべての物を出します。
ただし、一度に全部の場所を行うのではなく、机、本棚、クローゼット等、エリアごとに区切ってから入っている物を出し、作業を始めます。
片付けのコツ2:すべてのものを4つに分ける
箱や棚から取り出したものを「いる/いらない/迷い/移動」の4つに分けます。
・「いる」は今使っているもの、これからも使うもの。
・「いらない」はもう使わないもの、壊れたりして使えなくなったもの。
・「迷い」は今どうするか決められないもの、迷っているもの。
これらは別の場所によけ、1年間など期限を決めてその間に使った物はいる、使わなかった物はいらないとします。
・「移動」は必要で取っておくけれども別の場所で保管するもの。
思い入れがあって手放せない物は「思い出ボックス」を作りそこへ移動させる。保管場所が間違っているもの(おもちゃ箱から発見されてしまった靴下やポケットティッシュ等)はあるべき場所に移動させます。
子どもたちも、この分類に基づき、出した物の中からいるものはまとめて置き、いらないものはゴミ袋に入れて処分していきます。
捨てるのがもったいないと思った物は、子供たち自身がリサイクルやバザーに出そうと提案することもあるそうです。
「迷いボックス」で片付けをスムーズに
「いる」か「いらない」か迷ったものは大きめの「迷いボックス」を用意して入れます。
作業中に無理に決めずに残しておけるというのは気がラクになり、作業もはかどります。
子どもたちも積極的に迷いボックスを使って片付けを進めていきます。
杉先生はこの4つに分けるアクションがとても大切だと言います。
「4分類は自分を見つめ直す作業です。
今の自分に必要なもの、不必要なものが見極められれば、その後の収納等の作業はおのずとついてくるようです。
これは子どもたちだけでなく大人の片付けでも同じことが言えますね」
また、片付け中は子どもの判断に任せ、親は意見を入れないようにしています。
自分で片付ける習慣をつけるためには、子どもが自分で理想のイメージを描いて片付けをし、管理していくことが大切。
経験上、親が言うからやるというのでは自発的に片付けられるようにならないからだそうです。
片付けのコツ3:収納も自分で使いやすさを考えて
最後に「いる」に分けたものを収納していきます。
この時も杉先生は子どもたちに任せ、あまり細かい指示は出しません。
収納の作業が終わった時点で、使いづらそうな部分を一緒に修正します。
「重ねておいてある物は立てて収納した方が中身がわかって取り出しやすい、とか、細かいものは保存用袋や箱に入れた方がいい等、アドバイスをします。手を出すのはこれくらいです」
片付けの習慣は何歳から?
このような片付けはいつから始めれば習慣になるのでしょうか。
杉先生は、就園前の子どもでもできるようになるといいます。
まずは大きめの箱やバケツを渡して「おもちゃは使い終わったら全部この中に入れよう!」というところからスタート。
最初はゴチャゴチャでも、園児になると本・ブロック・ぬいぐるみ等に分類する能力がつき、小学生になると4分類だけでなくキレイに収納することもできるようになるそうです。
「きれいに片付いてすっきりした状態は気持ちいいね!ということを親が伝えていくことが大切だと思います」と杉先生。
片付けができる子ってどんな子?
この片付け方法を定期的に取り入れたことで、子どもたちの判断や決断が早くなり、選択に自分で責任を持つようになってきたと杉先生は言います。
今の自分に必要なものが明確に分かって行動に移せることは、生きる上で大切な力が身についているのではないかと感じるそうです。
みなさんも、まずは理想の部屋を話し合うところから始めてみませんか?