子どもの成長は嬉しいけど、どんどん増えてしまうおもちゃは困りもの。どれを残してどれを処分していいのかわからない…。
そんなお悩みの解決方法を「片づけの家庭教師」として子どもに片づけ方を教えているお掃除と収納のプロ、大津たまみ先生に教わります。
片づけの基本は大人も子どもも一緒!
大津先生は片づけの基本はひとつ、大人だから子どもだからと区別する必要はないと言います。
大津先生が推奨する基本の片づけの4ステップは
[出す→分ける→残す→収納する]
この[分ける]の段階でモノを「いる/いらない/迷い/移動」の4つに分類します。
大人のものでも子どものおもちゃでも、この基本は変わらないのだそう。
「片づけの家庭教師」の経験から、大津先生は小さな子どもでも親が声をかけてあげれば自分で判断して片づけができる子が多いと言います。
実際に大津先生の方法でおもちゃの整理をした親子の様子をご紹介します。
Step1:出す
片づけをしたのは4歳の男の子。お母さんに声をかけられて大好きな電車のおもちゃの整理を始めました。
片づけの最初のステップは「出す」。
まずは持っている電車のおもちゃを全部出し、自分のおもちゃの量を知るところから始めます。
大津先生「おもちゃを一旦全部出して並べて、自分が持っている量を確認します。
この全部出すというのが大切で、大人も子どもも具体的に物の全量を目にすることで、こんなに持っていたんだと気付き、片づけのスイッチが入るんです」
Step2:分ける
次に、おもちゃを「いる/いらない/迷い/移動」の4分類に分けていきます。
ここで、子どもに声をかけて片づけがしやすいように手伝います。
小さな子どもには「いる/いらない/迷い/移動」がわかりづらいので、「これからもまだ遊ぶか、もう遊ばないか」という基準にして、いるかいらないかを判断を促します。
また「壊れてしまって遊べないものはないかな」と声をかけ、処分、もしくは修理するものを選ばせます。
どうしようか迷っているようであれば、迷い用の置き場所を別に作って、そこに集めるようにしましょう。
子どもの決断を尊重しよう
片づけの家庭教師を行うとき、大津先生は必ず「片づけるときは子どもの決断を尊重してあげてください」と強調します。
大人にはわかりづらいけど、子どもにも子どもなりの考えがちゃんとある、これを尊重することが子どもの考える力を育てるのだと大津先生は言います。
高かったから、いただいたものだから等の大人の基準で片づけに口を出してしまうと、子どもが自分で判断できなくなり、考える力をつける機会を失ってしまいます。
「大人の事情もわかりますが、そこはグッとこらえて、子どもに任せてあげてください」
Step3:残す
次に、これからも遊ぶものを収納するためにグループに分けていきます。
子どもには、「一緒に遊ぶ仲間同士でわけてね」と声をかけ、おもちゃを子どものルールでグループ分けさせます。
ここでも子どもの仲間分けのルールを尊重することが大切です。
グループ分けしたものは中身が見えるケース等にしまいます。
基本的に1つの収納ボックスや場所におもちゃ1種類が入れられるように整えてあげましょう。子どもが自分で片づけやすくなります。
この4歳の男の子も、新幹線とぬいぐるみが同じグループにいますが、自分で考えておもちゃを分けることができました。
その後も遊ぶ時は自分のグループごとの箱を持ってきて、遊び終わったら箱に戻し、決められた場所にしまうということが習慣的にできているそう。
「子どもはちゃんとわかってるんですよ」と大津先生。
Step4:収納する
最後は残すおもちゃを子どもが取りやすくしまいやすい場所に収納します。
おもちゃの収納場所を作る時のポイントは
1.押入れの下の段や部屋の一角など、子どもが自分で出し入れしやすい場所にする
2.写真を貼るなどしておもちゃの定位置を決め、使い終わったら簡単に戻せるようにする
どうするか迷って「迷い」の場所に置いたものは、おもちゃ置き場の近くに別に置き場所を作り、半年間遊ばなかったら処分、遊んだら専用の場所を作るというようにしましょう。
先ほどの男の子の家庭では空のバスケットを迷いのおもちゃ置き場にして、定期的に「最近遊んでいる?これから先も遊ぶ?」と確認しているそうです。
また、おもちゃが増えてごちゃついてきたなと感じたら片づけるタイミング、と決めてあり、定期的に声をかけて4つの分類をしているそうです。
大津先生よりアドバイス
おもちゃが増えすぎて捨てられないというのは、お子さんがいる家庭では必ずあるお悩みです。
親が決めてしまうこともできますが、子ども自身にこれからどれで遊びたいかを選ばせて残すと、意外にスムーズに整理ができ、さらに自分で片づけができる子になります。
時々お子さんと一緒におもちゃの整理をしてみてくださいね。