冷蔵庫の整理は家計の節約にもつながります。
冷蔵庫の整理というと、中に物を収めるテクニックや衛生的な使い方を思い浮かべる方が多いと思いますが、掃除と片付けのプロの大津たまみ先生は「冷蔵庫の整理は食品ロスやムダ買いを減らせるので、物価高の昨今には食費を抑える節約にもつながります。」と言います。
さらに、先生からはこんな指摘も。
「冷蔵庫の中が見えない家ほど、食費は増えやすい傾向にあると思います。」
ご自宅の冷蔵庫の中、すみずみまで見えていますか?
“とりあえず入れる”をやっていませんか?
整理されていない冷蔵庫を、大津先生は「冷蔵庫の中が乱れている」と表現します。
乱れた冷蔵庫では中に何が入っているかが分からず、奥に入れたものが忘れられがちです。
・調味料を買ってきたら同じものが冷蔵庫にあった。
・野菜室の奥で野菜がしなびたり、傷んでいる。
・冷凍庫の中に、いつ入れたのか分からない謎のものがある。
・賞味期限切れの食品がある。
これらが多発するのが、乱れた冷蔵庫です。
出典:写真AC
また、乱れた冷蔵庫では “とりあえず入れる”が増えます。
買ってきたものを“とりあえず”そのまま入れる。
余った食材やおかずを“とりあえず”入れる。
いただきものを空いている場所に“とりあえず”押し込む。
あっという間に乱れて奥まで見えなくなり、管理ができない場所に変化します。
冷蔵庫が管理できていないと出し入れがしにくいだけでなく、買い物時の判断が雑になり、必要以上に買ったり、食材を使い切れずに捨てることになったりと、もったいない出費が増えます。
だから、冷蔵庫整理が節約の第一歩なのです。
家計簿をつける前に、まずは冷蔵庫の中を見ることが大切、と大津先生。
次の5つのステップで、ムダが生まれにくくなる冷蔵庫を一緒に作ってみましょう。
毎日見ていても見逃している場所やものがあります。
冷蔵庫整理の5ステップ。
冷蔵庫整理の基本は①出す、②分ける、③拭く、④戻す、⑤見直すの5ステップです。
① 中の食材を出す
最初に、大きめの保冷バッグを用意します。
中に保冷剤を入れ、冷蔵庫の中のものをバッグにすべて移します。
一度に全部を出すのが難しい場合は、棚ごと、引き出しごとなど、小さく区切って移すと良いでしょう。
② 食材を分ける
大きめのビニールシートを用意し、保冷バッグに入れたものを以下の4つに分けていきます。
- 食べるもの
- 早く使うもの
- 期限切れのもの
- 迷うもの
「早く使うもの」は使い始めた野菜や開封済みの食品、賞味期限が近いものなどです。
「迷うもの」の例としては、惣菜についてきた調味料、買ったけどおいしくなかったもの、使い道がないいただきものなどが挙げられます。
これらは食べられていないだけでなく、迷っている間は冷蔵庫に滞在して電気代を使い、入れられるはずのほかの食材の場所を奪って、その食材すらもムダにしてしまう可能性があります。
分類するときに大切なのは、「まだ食べられるか」だけでなく、「本当に使うか」を見極めることです。
冷蔵庫の中に長期間あって量が減っていない食材は、自分だけでなく冷蔵庫を共有しているほかの人も使っていないのかもしれません。
「食品なので一度は使うことを考えてみてほしいのですが、少し使ってみて使い切るのが難しいようなら、勇気を出してさようならをしましょう」と大津先生は背中を押します。
特にいただきものは処分するのに気が引けますが、口に合わないのであれば仕方がないですし、冷蔵庫に入れっぱなしで、変質して食べられなくなったり、期限が切れるのをじっと待たされているのはもっともったいなく、先方にも申し訳ないです。
食べられないものが長期にわたって冷蔵庫の一角を占領している状態は様々な面でロスになります。
整理のタイミングを決断の時としましょう。
③ 庫内を拭く
空いた棚やドアポケットを水拭きします。
マイクロファイバークロスを40℃前後のお湯にひたしてしぼります。
固まった汚れをお湯の温度でゆるめつつ、マイクロファイバークロスの優しい研磨力で削るようにして落とします。
食材を常温に置いておく時間を短くするために、この作業はできるだけ手早く行いましょう。
冷蔵庫の棚は食品を置く場所であること、洗剤残りはパッキンを変色させる恐れもあることから、大津先生は冷蔵庫の中の掃除では洗剤の使用はできるだけ避け、お湯を使った水拭きをしています。
ガンコな汚れに洗剤を使う場合は、洗剤が残らないように念入りに拭き取ります。
日頃から庫内にこぼれた調味料や野菜くずを早めに取り除き、汚れたら拭き取ることを意識しておくと衛生的な冷蔵庫を維持できますね、と大津先生。
④ 食材を庫内に戻す
シートの上で「食べるもの」「早く使うもの」に置いた食品を冷蔵庫に戻していきます。
「食べるもの」はさらに、生鮮食品、調味料、乳製品、作り置き、朝食で使うものなど、家庭ごとに使いやすい種類や用途に分けます。
整理用の背の低いトレーにまとめ、庫内の目が行きやすい場所、気づきやすい場所に置きます。
「早く使うもの」は、これだけをひとつのトレーにまとめて、冷蔵庫を開けた時に最初に目に入る棚の手前の位置に置きます。
⑤ 見直す
最後に大切なのが日々の見直しです。
使いながら期限や残量をチェック。
買いすぎているものや余りやすいものがないかを確認します。
ここを認識し始めると、買い物の仕方が変わり、ムダ買いも防げるようになります。
節約につながる冷蔵庫の使い方、3つのポイント。
① 早く使いたいものを見える場所に置く
“とりあえず”で詰め込んでいる状態では冷蔵庫を100%活用できていません。
大切なのは置き方です。
早く使いたいものは、必ず、扉を開けたらすぐ目に入る棚の、手前の位置に置きます。
使うべきものがすぐ目につく場所にあると、積極的に使う意識につながります。
例えば、賞味期限が近いもの、開封済みのもの、使いかけの豆腐やハム、作り置き、残り野菜、などが早く使うべきものです。
奥に入れてしまうと見えなくなり忘れてしまうため、背の低いトレーに入れて、管理します。
冷蔵庫を開ける度に目に入るので、積極的に使おうという意識になります。
使われるのを待っている食材を見ながら何を作るか考えるようになり、新しいメニューが生まれてマンネリ化を防げるようにもなります。
冷蔵庫は人に見せる必要がない場所です。
美しく見栄えがする冷蔵庫を作ることより、ムダなく使い切れる、使いやすい状態を目指しましょう。
② 買い物前に冷蔵庫を見る
食費を抑えるために「買い物前に冷蔵庫を見る」ことを習慣化してみましょう。
見る場所は3つ。この3か所を見ておくと、ムダ買いを減らせるようになります。
野菜室:使い忘れた野菜が残っていないか。
冷凍庫:いつ冷凍したか分からないものが残っていないか。
ドアポケット:同じ調味料や似たような調味料がないか。
③ 書いて、貼る
大津先生は冷蔵庫の近くに、油性ペン、マスキングテープ、付せんを置いています。
作りおきや使い始めた野菜などは、作った日や使い始めた日をマスキングテープに書いて、ラップや保存容器に貼って、早めに使い切るようにします。
また、使い切った食材で買い足す必要があるものは、付せんに書いておき、それを持って買い物に行きます。
冷蔵庫の中にあるもの、使う必要があるもの、買い足す必要があるものを把握できると、安さにつられて必要以上に買ってしまうことが減ります。
また、あるものを組み合わせて使おうという考え方も身に付きます。
冷蔵庫を整える習慣を身につけて節約に。
冷蔵庫整理の目的は、見た目を美しく整えることではなく、中にある食材を把握し、ムダなく使いきれるようにすること。
冷蔵庫の中を見る習慣をつけることで、余分に買いがちなものや買っても余らせてしまうものなど、自分の買い物のクセがわかり、ムダ買いが減るようになります。
その結果、食費を抑えられるようになります。
「冷蔵庫が整うと、お金の流れも整っていきますよ。」と大津先生。
見やすく、使いやすく整理された冷蔵庫。
とはいえ、完璧を目指さないことも大切。
日常で意識するポイントはいたってシンプルです。
- 同じ種類の食材を一か所にまとめる
- 早く使うものは手前に置く
- 詰め込みすぎない
- こぼれた汚れはすぐに拭く
- 買い物前に冷蔵庫を見る
- 週に1回、賞味期限を確認する
冷蔵庫は毎日使う場所です。
だからこそ、日々少しずつ整えることが長く続けられるコツ。
冷蔵庫の中を見直すことから始めて、これらのポイントを少しずつ実践してみましょう。
※このコンテンツの著作権はリンナイ株式会社が保有しております。コピー、転載、転用は固くお断りいたします。
