持て余しがちな靴箱の空間を有効活用する収納方法。
ご自宅の靴箱(シューズボックス)、特に背が高い棚の部分をうまく使えていますか?
きれいに見せたい玄関なのにこまごまとした物が置かれて、ゴチャッとしていませんか?
今回は靴箱の空間を効率的に使った収納方法について、ご自宅で収納や片付けのレッスンもされている片付けのプロ、後藤恵子先生に教わります。
後藤先生は背の高い靴箱の収納ポイントを次のように語ります。
「玄関や靴箱(シューズボックス)の中をスッキリさせるには、限られた空間に収める物とその置き場所をきちんと決めるのがポイントです。また、靴箱には靴を収納して玄関をスッキリ見せるだけでなく、玄関にあったら便利な物も収納できます。靴箱をすみずみまで利用して、毎日スムーズに外出ができる玄関にしましょう。」
実際に後藤先生のご自宅を拝見してみましょう。
収納のプロの靴箱を大公開!
こちらが後藤家の玄関。
物がなくスッキリして見えます。
後藤家の靴箱は、ドアに近い側(写真中央)に背の低い靴箱、右側に天井まで届く背の高い開き戸の棚、天井近くに観音開きのスペースがあります。
背の高い棚の扉には姿見がついていて、中の棚板は可動式です。
ごく一般的な靴箱ですが、玄関がスッキリしているのは、プロならではの収納の工夫があるからです。
靴箱の中はこのようになっています。
右側の棚は、本来は上から下まで棚板で仕切る靴箱でしたが、後藤先生は下半分の棚板を外し、あえて縦に長い空間を作って、玄関にむき出しで置かれているような傘や傘立て、掃除道具、来客用のスリッパとスリッパラックを収納しています。
上半分は棚板で仕切り、収納ボックスを置いて小物類の収納場所にしています。
棚の下半分に背の高い物を収納。
①傘
靴箱に傘を収納するために、後藤先生はひと工夫。
ホームセンターで靴箱の奥行に合わせてポールをカットしてもらい、ネジで固定。傘をかける場所を作りました。
家族分の傘が玄関に出ないので玄関の見た目がスッキリしますし、傘にホコリが付着したり傷むのも防げます。
②傘立て
玄関には傘立てを出さないことにしています。
棚の奥の白い立方体が傘立てです。
来客用も兼ね、コンパクトで、傘を入れても倒れないようにある程度重みがある物を選びました。
気持ちよく使うためにデザインにもこだわったそう。
雨の日に靴箱の奥から取り出して使います。
③掃除道具
来客時に玄関のたたきが汚れていては困ります。
玄関の掃除は毎日されている後藤先生ですが、汚れを見つけた時にサッと掃除ができるよう、コンパクトな自立式のほうきセットを常備しています。
傘立ての隣の、白い三角すいがそれです。コンパクトさ、おしゃれさも兼ね備えた物を選びました。
傘立てのデザインとも共通しますが、掃除をする、雨が降っている等、ちょっと気分が沈みがちな時にお気に入りのデザインの物があると、少しやる気が増しますよね。これも片付けのプロのポイントです。
④スリッパとスリッパラック
来客用のスリッパは靴箱に収まるようなサイズのスリッパラックを探し、普段は靴箱にしまっておいて、来客時にだけ出すようにしています。
生活感が減り、玄関全体がスッキリ見えます。
家族のスリッパは各々の部屋に置いてあり、玄関まで履いてきた時は、邪魔にならない所に避けて置くことになっているそう。
玄関のスッキリ度はキープされます。
棚の上半分には外出時の必需品を。
棚の上半分には、元からあった棚板を使って、外出時に必要な物、玄関で必要な物を収納しています。
別々の部屋で管理するよりも玄関で一括管理することで、紛失や忘れ物が減らせるからです。
置いてある物は、こちらの写真の通り。
外出時に必要な物として
・折りたたみ傘
・レインコートと室内履き
・スプレー類(防水、消臭、虫よけ)
お出かけ前、帰った後にお手入れをしたい、
「靴磨きセット」もまとめて使いやすくしています。
ゴミ捨てや庭仕事の時にかぶる帽子も、置き場所を作って管理。
そして、玄関で必要になる小物はボックスにまとめてあります。
印鑑、懐中電灯、靴ベラ、静電気防止スプレー、洋服用ホコリ取り。冬にはここにカイロが加わります。
また、家を出る直前に忘れ物に気付いても部屋まで取りに戻らなくて済むよう、忘れがちな物の予備を揃えてあります。
マスク、ハンカチ、ティッシュ、携帯用ウェットティッシュ、日焼け止めスプレー等です。
各アイテムのサイズに合わせて仕切り用ボックスで区切り、パッと見て取り出し、すぐに戻せるようにしてあります。
収納ボックスは色と形を揃え、中の物がわかるようにラベリング、季節に合わせて入れ替える等、片付けの基本を活かして収納しています。
小物類はラベルがなくても一目で何があるかわかるような高さに置いてあります。
これで、玄関に出しっぱなしになりがちなゴチャッとした物が整理され、雑多なイメージがなくなります。
靴箱の収納方法
肝心の靴箱もきちんと整理しておきたいですよね。
靴の収納について、後藤先生は次の3点をアドバイスします。
- 靴の適正量を決める
- 種類や所有者ごとに靴の定位置を決める
(家族全員の靴を収納する必要がある場合、1人につき1段など、割り当てを決める)
- 定期的に見直し、履かない靴を手放す
1年を通してよく使う靴を手の届きやすい位置に置くと、出し入れがラクになり、整った状態をキープできます。
靴を色別に並べるのも良いそうです。
あまりはかない靴、オフシーズンの靴はまとめて別の場所に収納するのがおススメです。
後藤先生は、かさ張りがちな冬用の靴は上の棚に収納しています。
左から、冬用の靴、ブーツ(専用ケースに入れて寝かせています)、ショートブーツとレインブーツです。
全てのケースにラベリングをし、すぐに取り出せるようになっています。
靴を守るための3つのポイント
汗を吸った靴はカビが発生しやすいです。
大切な靴を守るために、プロが実践している対策をご紹介します。
靴の型崩れ・汚れ対策
靴は間隔に余裕をもって収納し、詰め込みすぎないようにします。
無理に詰め込むと、蒸れた靴にカビが生えたり、ニオイがひどくなる場合があります。
靴を重ねて置くと型崩れがしやすいです。
多すぎて収まらないようであれば、履いてない靴はないか、見直して手放しましょう。
靴箱の棚の汚れ対策
棚の上にシートを敷き、その上に靴を乗せます。棚板が汚れにくく、掃除が簡単になります。
シートに消臭効果や吸湿効果があると、靴の保管状態も良くなります。
湿気・ニオイ対策
靴の中には消臭機能付きの除湿剤を入れ、靴箱の中には棚の奥に重曹と重曹が固まらないためのハート型の珪藻土を入れた小さな器を置いて、除湿をしています。(今回は撮影のために手前に置いていただきました)
靴箱の上のスペースもスッキリさせて、心地よい玄関に。
最後に、靴箱の上のスペースについて。
こまごまとしたものをつい置いてしまい、雑然としてしまいがちなこの場所。
玄関では、見える場所の収納はスペース全体の2割に収めるのが良いとされています。
後藤先生はプリザーブドフラワーや生花を飾って、お手入れをしながら華やかな玄関空間を演出しています。
細かい物をたくさん置くと掃除もしづらくなります。
スッキリした見た目と掃除のために、玄関では物は2割だけ出すことを心がけてみてください。
玄関は家の顔と言われます。
この靴箱の上のスペースは特に目立つ場所。
ゴチャつかないように必要な物はしまって、整頓された状態で家族やお客様をお迎えしましょう。
片付けのプロ、後藤先生の玄関はいかがでしたか。
持て余しがちな靴箱の空間も、活かし方次第でたくさんの物が収まり、スッキリ気持ちよい空間が作れます。
ぜひ参考にして、靴箱の中も外も、素敵な空間にしてくださいね。