マネしたい、掃除のプロが毎日行っている “ついで”の「ルーティン掃除」。

忙しいからこそ、掃除は“ついで”のルーティンに。

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掃除と片付けのプロ後藤先生のご自宅リビング

忙しい毎日だけど家の中はきれいにしておきたい。

そこで参考にしたいのが、お掃除のプロの掃除方法です。

これまで多くのプロのお宅を拝見してきましたが、みなさんフルタイムで働きながら家の中はピカピカで美しく整頓されている方ばかり。

今回はそんなプロのおひとり、後藤恵子先生が行っている、日常生活の“ついで”にお掃除を組み込む「ルーティン掃除」をご紹介します。

 

 “ついで”の「ルーティン掃除」のメリットは3つ。


  • こまめに掃除するので汚れがたまらない
  • 短時間できれいな状態を維持できる
  • 「ついで」なので掃除を習慣化できる

 

掃除のプロは、汚れはたまると落としにくく、掃除の手間が増えて余計に時間がかかることを知っています。

だからこそ、毎日の掃除は簡素化して生活の“ついで”に組み込み、掃除へのハードルを下げて毎日少しずつでも掃除をするようにしているそう。

週に1度100点満点の掃除をするよりも、60点くらいでも毎日続けた方が気持ちよく過ごせ、汚れもたまりにくい、と後藤先生。

その日のスケジュールによってしっかり掃除をしたり簡単にしたりと柔軟に考え、時間をかけず、無理をせず、きれいな家を維持されています。

 

 

ルーティン掃除を習慣化するコツ

 

このルーティン掃除を定着させるためにはいくつかコツがあります。

 

1.掃除時間を5分以内にする

洗面台を使った後、トイレを使った後、お風呂から上がる前等、“ついで”の短時間でできるよう、掃除時間を5分に設定し、掃除内容を厳選しましょう。


2.掃除道具は掃除場所の近くに置く

汚れに気づいても道具が遠くにあると掃除が億劫になります。手が届くところに置き、すぐに掃除ができるようにしておきましょう。


3.掃除道具を厳選する

便利な道具や洗剤を積極的に取り入れて、短時間で効率よく効果的な掃除をしましょう。


4.無理はしない

時間がない時は無理をせず、できることだけをして、できなかった分は翌日に回しましょう。心の余裕も忘れずに。

掃除のプロの朝のルーティン掃除を拝見。


洗面所


顔を洗った時、歯を磨いた時、身支度をした後等、洗面台を使ったついでにササっときれいにします。

鏡はティッシュを濡らして汚れが気になる場所を拭き、マイクロファイバークロスで乾拭きしてピカピカに。


時間がある時は吸水クロスで全体を水拭きしてからマイクロファイバークロスで乾拭きをします。

ドライヤーを使った後は洗面ボウルに落ちた髪の毛をティッシュで取り除いてゴミ箱へ。

汚れが気になるところはJブラシでこすります。


落としきれなかった汚れは、時間がある時に洗剤(セスキ炭酸ソーダ水のスプレー)を使ってきれいにします。

洗面所の床の髪の毛やホコリにはドライシートをつけたフローリングワイパーを使います。


掃除機は時間がある時にかけます。


以上が、後藤先生の洗面所の“ついで”のルーティン掃除です。

洗面所で使う掃除道具はすべて手に届きやすい場所に置いてあります。


毎日使うマイクロファイバークロス、洗剤、Jブラシは洗面台の下、扉を開けてすぐに手に取れる位置に配置。

フローリングワイパーとドライシート、ハンディモップは、同じ部屋にある洗濯機の左側にマグネットでつけています。


掃除機はスティックタイプの物が洗面台の後ろで充電され、出番を待っています。

トイレ


トイレは毎朝使用後にタオルを交換し、便器を掃除するのがルーティン。

掃除にはトイレットペーパーで使えて除菌効果もある市販のトイレ用中性洗剤を使っています。


トイレットペーパーに洗剤を吹きつけ、手洗いタンク、棚、床を拭きます。

トイレットペーパーを新しくして洗剤をつけ、トイレの蓋、便座、側面を拭きます。


便器はクエン酸水スプレーまたは市販のトイレ用洗剤とJブラシを使い、特に気になる汚れやフチの裏等を中心に、ぐるりと掃除します。

時間がある時はハンディモップで棚の上やトイレットペーパーホルダーの上のホコリを取り、掃除機をかけ、ドライシートをつけたフローリングワイパーで床を拭きます。


よく絞った業務用の吸水クロスで室内の棚、手洗いタンク、床を拭き、マイクロファイバークロスで乾拭きします。

この後、ルーティン通りに便器の掃除をします。


ニオイが気になる時は吸水クロスにクエン酸水をつけ、匂いの元になっている壁を拭きます。

トイレの掃除道具も室内の棚に入れ、気になった時にすぐに掃除ができるようにしてあります。

フローリング・床

 

床掃除はフローリングワイパーを使って朝の掃除時間を短縮させます。

ハンディモップで棚等のホコリを取った後、フローリングワイパーにドライシートをつけ、家の中を一周します。

時間がない時はホコリを落とさずにドライシートでの床掃除だけにすることも。

集めたごみを掃除機で吸い取って終わりです。


掃除機は時間がある時にかけます。


玄関


玄関は毎週2回「燃えるゴミの日」の“ついで”に掃除しています。


まずは玄関の鏡をマイクロファイバーで拭き上げます。

たたき部分は掃き掃除。

家の周囲の側溝も掃き、落ち葉等をゴミ袋に入れてゴミに出します。


たたき用のほうきは、いつでも掃除ができるよう、下駄箱の中に立てるタイプの物を使用。

外回り用のほうきとちり取りは勝手口を出たところに置いてあります。


掃除のプロの夜のルーティン掃除。

キッチン


1日の終わりは、キッチンをすっきり片づけるのがルーティンです。

現在大人2人暮らしの後藤先生のお宅では、使う食器も少なく、洗った食器はキッチンペーパーで拭いています。

まずは、その食器を拭いたキッチンペーパーに市販の除菌スプレーをして、調理台を拭き掃除。

凹凸があるセルロースクロスを使う時もあります。


コンロまわりは洗剤をスプレーして拭き掃除をし、乾いたキッチンペーパーで拭きます。


シンクをJブラシで洗い、目皿にかぶせているネットを交換し、排水口に重曹とクエン酸を振り入れて発泡させ、ヌメリ予防をして完了です。


時間がある時はキッチンの前面や食器棚の全面を水拭きし、マイクロファイバークロスで乾拭きしています。


その他、汚れていると感じた場所(引き出し、調味料入れ、トースター、炊飯器、魚グリル等)は、1日1ヵ所と決めてその都度きれいにします。

洗剤類は使いやすいように100円ショップの調味料入れに入れ替え、シンク下に常備しています。

後藤先生はキッチン掃除にはあえてふきんではなくキッチンペーパーを使っています。

ふきんを衛生的に使うためには、洗う、消毒する、干すという工程が必要ですが、毎日のこととなるととても手間がかかります。経費と労力を考えると、キッチンペーパーの方が合理的で良いと判断したそうです。


浴室

 

お風呂は家族の中で最後に入るようにし、上がる前にササっと掃除しています。

浴槽は業務用の吸水クロスでなでて軽い汚れを落とし、お湯をかけ、よく絞った吸水クロスで水滴を拭き取ります。

皮脂汚れが気になる時は市販の浴室用洗剤を使います。


壁はスクイージーで水気を切り、吸水クロスで拭きます。


洗剤を鏡、棚、棚の裏、床に吹きつけてJブラシで軽くこすり、お湯をかけ、スクイージーと吸水クロスで吹き上げます。

鏡や水道の蛇口等、光る場所の水分を拭く習慣にするだけで水アカの跡や鏡のうろこ汚れが残りにくくなるので、そこだけは最低限やるようにしているそうです。

掃除道具(吸水クロス、Jブラシ、スクイージー等)は浴室内にマグネットで吊るし、すぐ手に取れるようにしてあります。


実はご自宅をリフォームされた際に、浴槽を汚れが落ちやすい加工の物、壁はマグネットがつくものを選択されたそう。

シャンプー類、掃除道具、浴槽のフタ等も壁に付けて、乾かしやすく、汚れがつきにくくしています。


毎日に少しずつ組みこんで、お掃除をラクに。


後藤先生に、この“ついで”のルーティン掃除を始めた理由を伺うと「掃除しても誰もほめてくれなかったから。だったら時短で快適になる方法で掃除をすればいいと思った」とのこと。


時間がなくてもきれいを保ちたいという思いから、朝と夜の在宅時間にできる掃除を選んでルーティン化。

やってみたら掃除そのものがラクになったそうです。

お掃除はまとめてすると時間がかかるので、使ったら掃除、気づいたら汚れを取る、拭く、を習慣づけ、いつでもきれいな状態をキープしています。


「掃除はルーティン化することで、汚れが溜まりにくい状況を作ることができます」と後藤先生は言います。


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出典:写真AC

実は、掃除を後回しにしないことで年末の大掃除も簡単になりました。

秋の始め頃にレンジフードのつけおき、カーテンの洗濯と窓拭きをするくらいで、毎年の大掃除をほぼしなくてもよくなったそう。


後藤先生のルーティン掃除を参考に、ご自身に無理のないところから取り入れてみませんか。