掃除をしても残るシンクの汚れをキレイにしたい。
キッチンでステンレスのシンクをお使いの方から、日々ちゃんとシンク掃除をしているのにくすんでいる。特に白い汚れが目立つ。こびりついた汚れが取れない、といったお悩みを聞きます。
今回は普段の掃除では落ちにくくなってきたシンクのガンコな汚れを落として、ピカピカのシンクにする方法を、掃除のプロ大津たまみ先生に教わります。
※掃除の前にご自宅のシンクの説明書を読み、記載されたお手入れ方法に従ってください。
※事前にシンクの目立たない場所で傷がつかないことを確認してから、全体の掃除をするようにしてください。
その汚れはどこから?まずは汚れの原因を分析。
掃除をした後もステンレスのシンクに残る、白い汚れやくすみ。
その正体は主に水アカや石鹸カスだと大津先生は分析します。
毎日シンクを使い掃除をする中で、落としきれずに残った物が複合的に結びつき、これらの汚れになってこびりついていきます。
水アカが残る理由
白っぽい粉状の汚れや、硬い膜のような汚れの原因は水アカです。
水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が、水が蒸発する際にシンクの表面に残り白い汚れになります。
特に水の硬度が高い地域では水に含まれるミネラル分が多いため、このような水アカが発生しやすいそうです。
石けんカスが残る理由
石けんや洗剤に含まれる成分と水中のミネラル成分が反応して発生するのが、石けんカスです。
使用後の洗剤の洗い流しが不十分だとシンクの角や排水口周辺に洗剤が残り、白い汚れになっていきます。
その他、パスタ等をゆでた後にシンクに流すゆで汁も、デンプンやタンパク質を含みシンクを白くする一因なのだそうです。
ステンレスのシンクに傷をつけずに汚れを落とす方法。
シンク掃除で気を付けたいのが、ステンレスに傷をつけないようにすること。
今回はその点にも配慮し、重曹とクエン酸を使った掃除方法をご紹介します。
用意する物
- 重曹
- クエン酸水スプレー(湯もしくは水100mlにクエン酸小さじ1/2を溶かしたもの)
- 台所用洗剤などの中性洗剤
- スポンジ(やわらかい面と硬い面の両面があるもの)
- シンク掃除用スポンジ(「シンク&洗面台お掃除スポンジ」)
- 掃除用ブラシ(「大津式お掃除ブラシJ」)
- マイクロファイバークロス
掃除方法
①お湯養生(おゆようじょう)をする
シンク全体に50℃くらいのお湯をまんべんなくかけ、固まった汚れをゆるめます。
これを清掃業界では“お湯養生(おゆようじょう)”と呼びます。
大きめの計量カップ等を使うと汚れがたまりやすいスミやフチまで均一に湯をかけられ、汚れが落としやすくなります。
②重曹ペーストで汚れを研磨する。
重曹2に対し水を1の割合で加え、重曹ペーストを作ります。
ナチュラル掃除に欠かせない重曹は汚れを落とすだけでなく、掃除をする場所を傷つけにくい研磨剤としても使えます。
重曹ペーストを汚れが気になる場所を中心に塗布し、10~15分ほど放置して汚れを浮かせます。
時間が経ったら、スポンジのやわらかい面を使って優しくこすり落とします。
特にガンコな汚れにはスポンジの硬い面を使用します。
また、細かい場所の汚れはブラシ(今回は「大津式お掃除ブラシJ」)を使って落とします。
汚れが落ちたら重曹ペーストを洗い流します。
重曹が残らないように、カップ等を使って細かな場所までしっかり流してください。
③アルカリ性の汚れを取り除く。
重曹ペーストで研磨した後もまだ汚れが残っている場合は、それがカルシウムやマグネシウム等の水道水に含まれるミネラル成分由来の物である可能性があります。
これらはアルカリ性のため、クエン酸水を使って除去します。
汚れ部分にクエン酸水をスプレーします。
5分ほど放置し、汚れが分解されるのを待ちます。
クエン酸は酸性のため、カルシウム(アルカリ性)の汚れを中和し、溶解する作用があります。
時間が経ったら、スポンジのやわらかい面でこすって汚れを落とし、水をかけて洗い流します。
④仕上げ洗いをする。
最後に、いつものようにシンクを洗います。
いつもシンクを洗っているスポンジ(ここでは「シンク&洗面台お掃除スポンジ」)に中性洗剤を少量つけ、シンク全体を軽く洗います。
洗剤が残らないよう、十分に水ですすぎます。
⑤乾燥させる。
シンクに汚れを付けない、予防方法。
普段のシンク掃除では落とせなかった白いガンコな汚れ、落とせたでしょうか。
大津先生は、これらの汚れは普段のシンク掃除をしっかり定期的にすることで防げると言います。
冒頭でご紹介したシンク汚れのひとつ、パスタのゆで汁に含まれるデンプンやタンパク質による汚れも、付着後すぐにシンクを洗い流し、乾いた布で水滴を拭き取ることで汚れが付着するのを防げます。
しかし、放置すると通常の掃除では落としきれなくなり、残った汚れがこびりついて蓄積し、ガンコな汚れに成長します。
日常的な予防方法としては、シンクを使う前に水を流す水養生(みずようじょう)をすること、使用後は掃除をし、シンクを拭き上げてしっかり乾燥させること。
この2点を行えば、汚れが付きにくくなり、清潔な状態のシンクを保つことができるとのこと。。
シンク掃除もラクになりますので、ぜひセットで習慣にしてみてくださいね。
最後に。
掃除のプロがシンク掃除をラクにするためにしている、シンクに汚れが付きにくくなる特別な方法があると聞きました。
それは、専用のはっ水剤でコーティングすること。
シンク全体に薄く噴霧し、キッチンペーパーでまんべんなく塗り付けておくと、水や汚れを弾くので、掃除がラクになるそうです。
シンク掃除が苦手という方は、こちらも試してみる価値があるかもしれません。
シンクをピカピカに保って、気持ちよくお過ごしくださいね。