使用済み歯ブラシは、ルールを決めればため込みすぎずに使えます。
先が開いてきた歯ブラシを再利用して掃除に使う。
多くの方が実践されている歯ブラシ掃除ですが、掃除用の使用済み歯ブラシを取っておき過ぎていませんか?
掃除のプロの沖田有紀子(おきた ゆきこ)先生は、多くのご家庭でストックされ過ぎている古い歯ブラシをたくさん見てきました。
歯ブラシは掃除のプロも使う掃除道具です。
沖田先生も使用済みの歯ブラシをご自宅の掃除に積極的に活用されていますが、掃除のために使用済み歯ブラシをわざわざストックしておきたくはないため、どこで、いつまで使うか等のルールを作り、ためこまずに使い切るようにしています。
今回は、ご自宅に出番を待っている歯ブラシがたくさんある方に、沖田先生が実践する使用済みブラシを効率的に使うためのルールとルーティンをご紹介します。
歯ブラシに限らず、使い終わったものを掃除道具として再利用する際にも応用できますので、ぜひご参照ください。
掃除のプロの、使用済み歯ブラシを使い切るための6つのルール。
気持ちよく歯ブラシを使いきるために、沖田先生は次のような6つのルールを設けて、毎月の掃除ルーティンを作りました。
- 歯ブラシの交換日を決める
- 歯ブラシを交換する時間帯を決める
- 掃除場所を決める
- 使用済み歯ブラシを手放すタイミングを決める
- とにかく続ける
- 自分をねぎらう
ルール1:歯ブラシの交換日を決める
歯ブラシを交換する日は決めてありますか?
もし日付が曖昧になっているなら、月初、月末、記念日、いつでもよいので、まずは毎月交換する日を決めましょう。
その方が、歯磨きにも掃除にも良いのです。
歯科医院では、衛生面やブラシの摩耗具合、弾力性の変化から1か月ほどで取り替えるのが望ましいとアドバイスされると思います。
掃除に再利用するにしても、何か月もしっかり使いこまれて歯磨きに適さなくなったようなブラシでは、弾力性が落ちて汚れをかき出しにくくなっていたり、毛先が広がり過ぎて汚れにきちんと届かなくなっていたりと、掃除にも不向きです。
1ヶ月程度使った物を掃除に使い、完璧な掃除道具とせず、ある程度掃除に使用したら潔く手放すと決めましょう。
なお、家族等同居人がいる場合は、交換日をズラすと、より掃除がしやすくなります。
沖田家は3人家族。
以前は交換した日を忘れないために、月初に家族全員の歯ブラシを同時に交換していました。
しかし、これでは一度に3本の使用済み歯ブラシが誕生してしまい、歯ブラシを取っておきたくないために無理やり掃除をして1日3本使い切ったり、わざわざ収納場所を作ったりして、沖田先生には悩ましい日々だったそう。
そこで、歯ブラシの交換時期をメンバーごとに変えることにしました。
1か月を3分割し、交換日を毎月10日、20日、30日と決め、歯ブラシに交換日を書きます。このラベリングが掃除のプロですね。
これで月に3回、歯ブラシで重点的に水まわりの掃除をしてキレイを維持しつつ、歯ブラシを心置きなく手放せるようになりました。
ルール2:歯ブラシを交換する時間帯を決める。
交換する日を決めたら、交換する時間帯も決めましょう。
歯ブラシは特に水まわりの掃除が得意です。交換したての歯ブラシはまだ濡れていることが多いので、交換と掃除を一緒に行うとより効率的。
沖田先生は、歯ブラシは決めた交換日の朝・夕どちらか掃除の時間が取れる時間帯に交換し、そのまま水回りを徹底的に掃除して、手放しています。
交換した歯ブラシを間違えて使うのを避けたいですし、掃除をするまでどこかに置いておくのも抵抗があったためです。
交換と掃除がセットなら、時間帯の設定は重要です。
仮に出勤前の時間帯に交換して掃除をすると決めた場合、朝はいつもバタついて余裕がない人が、歯ブラシを交換して掃除をして仕事へ行く、というスケジュールは少しハードルが高く感じます。
決めたことを実行できないと、自分を責めて掃除への苦手意識が高まってしまいます。これはとても残念です、と沖田先生。
自分の行動習慣と照らし合わせ、無理をせずに掃除ができる時間に交換、掃除までを終えられるようにしましょう。
慣れた頃には他の時間での掃除も考えられるようになり、自分で持続可能な掃除方法が見つかり、掃除の習慣化にも繋がります。
ルール3:掃除場所を決めておく
掃除用の歯ブラシを手に入れて「さぁ掃除をしよう!」と意気込んで手当たり次第に掃除をしてしまってはもったいないです。時間もロスになります。
予め掃除場所を決めておくことで、迷ったり考え込んだりせずに掃除に取り掛かれ、歯ブラシ掃除を習慣化できます。
沖田先生は、歯ブラシを交換した後、最低限洗面シンクの排水口とごみ受け、浴室の排水口とヘアキャッチャーを掃除すると決めています。
また、洗濯機が稼働していない時は、プラスアルファで洗濯機のごみ受けも掃除するようにしています。
他にも、普段から歯ブラシがあったらキレイにできそう、と気になっている場所を掃除しましょう。
沖田先生のように交換後にすぐ掃除をする場合は、歯ブラシが濡れた状態でも掃除可能な、洗面所からあまり遠くない水回りの掃除、洗濯機の排水口、浴室ドア部分のパッキン、シャンプーボトルの凹凸部分などが適しています。
歯ブラシの毛先が乾燥した状態であれば、エアコンや除湿器、洗濯機のフィルター、浴室の換気扇、ドアのサッシ部分もおススメです。
まずは取り掛かりやすいところから始めて、慣れたら掃除場所を増やたり、バリエーションを加えて、自分が続けやすいルーティンを作りましょう。
ルール4:使用済み歯ブラシを手放すタイミングを決める
交換した歯ブラシは、掃除に使う回数や期限を決めておくと、掃除に向かないほど摩耗した歯ブラシで掃除し続けたり、出番を待つ古い歯ブラシがたまっていくことが減ります。
次の交換日まで使い続けたい人もいれば、大掃除まで取っておきたい人など様々だと思いますが、最終日の目安がないと使用済み歯ブラシがどんどんたまり、過剰にストックされて収納スペースを圧迫します。
自分に合った交換と手放しのタイミングを決めて、ルーティンを作りましょう。
ルール5:とにかく続ける
大事なのはまず自分で考えたルールで始めて、続けてみることです。
歯ブラシ1本で考えることが多いですが、ルールを作ってルーティン化すると、考えずに手が動いて掃除ができるようになります。
ルーティン化すれば、水回りの掃除が苦手でも、少なくとも月に1回は徹底的に掃除をする日が作れます。
毎月掃除を続ければ、汚れもたまりにくくなり、毎回の掃除自体がラクになります。
うまくできなかったり、続かなかったりした時は、その都度自分がやりやすい方法を考えていきましょう。
まずは、続けることで、改善点も見つかり、より続けやすく、より掃除もしやすくなります。
ルール6:自分をねぎらう
最後に忘れてはいけないのが、この流れを実践できた自分を自分でねぎらうこと。
掃除をしたら、自分に「今日も頑張ったね」「やればできるね」と声を掛けましょう。次回の励みにつながります。
「月に●回定期的に掃除できている!」「歯ブラシをしっかり再利用できてる!」と前向きに捉えることができるようになって、自己肯定感も上がります。
できなかった時は、自分を責める必要はありません。その週のうちに掃除計画を立て直し、掃除をしましょう。
できなかった自分ではなく、できた自分、頑張った自分に目を向ければ、継続がしやすくなります。
家族分の歯ブラシまで管理しなくてはいけないの?とくじけそうになった方に。
「掃除だけでも大変なのに、家族全員の歯ブラシの管理までするの?」とくじけそうになった方は、1人で頑張り過ぎず、パートナーや家族等のメンバーを巻き込んでラクになりましょう。
例えばあらかじめ次のように決めておくのはどうでしょう。
・歯ブラシの交換だけは任せ、掃除用の歯ブラシ置き場に置くようにしてもらう
・1人ずつ掃除場所を決めておき、歯ブラシを交換したついでに掃除も任せる
・交換や掃除をしてもらったら、お互いに思いっきり感謝を伝える
また、ルールが守れなかった時のために、あらかじめ「守れなかったら他の人が指定した掃除場所の掃除をする」というようなちょっとしたゲームを設定しておくのもいいかもしれません。
沖田先生曰く、歯ブラシ掃除は他の場所の掃除よりもラクなので、約束を守りやすくなるのでは、とのことです。
お掃除は柔軟に考えて、楽しんでしまいましょう。
使用済み歯ブラシは便利な掃除道具ですが、家族のメンバーが少なかったり、歯ブラシ掃除だけでは汚れが気になる場合は、別の掃除道具も使ってキレイな状態を維持していきましょう。
沖田先生のおススメは「大津式お掃除ブラシJ」。
歯ブラシ掃除で汚れが落ち切らなかったなと言う時に使っているそうです。
汚れが気になった時、日にちを決めて、など、自分流・我が家流で使用済み歯ブラシを含めた、持続可能な掃除ルーティンを作っていきましょう。
習慣化するまでは少し大変に感じるかも知れませんが、歯ブラシ交換が定期的にでき、水回りなど暮らしの中でも特に気になる場所の掃除が定期的にできてキレイを保てます。
まずは自分流のルールから考えてみませんか。