キッチンの家事をエコで楽しくするプロのアイディアをご紹介。
食後の洗い物、その後のシンク掃除。毎日のことだけに、時々うんざりしてしまいますよね。
これを楽しく、ラクにする方法を考えて実践しているのが、お掃除のプロ、沖田有紀子(おきた ゆきこ)先生です。
沖田先生が取り入れているのが、廃物利用。
まだきれいなラップやキッチンペーパー等を捨ててしまう前に、食器洗いや掃除等に活用されています。
もともと後片付けやシンク掃除があまり好きではなかった沖田先生。
家事をしようと思った時に道具がすぐ手に取れる場所にないことが原因かもと考え、身近にあった、一度使っただけで捨ててしまうのはもったいないと思っていたラップやキッチンペーパー等にもうひと働きしてもらうことにしました。
“汚れた場所に使い捨てができる物を使う”という発想が家事のハードルを下げ、構えずに取り組めるようになったそうです。
使う道具が減るのでお財布に優しいですし、地球に良いことをしていると思うと気分良く洗い物や掃除ができます。
毎日の家事をちょっと前向きに、楽しんで取り組めるって、大事ですよね。
沖田先生のエコなアイディア、ぜひ参考にしてみて下さい。
「捨てる前のもうひと働き」で家事のハードルを下げる物たち。
沖田先生がキッチンで再利用しているアイテムは主に以下の6つです。
①ラップ:温めに使用しただけ、野菜をくるんだだけ等、きれいな物。
②キッチンペーパー:野菜の水気取り、弁当箱の消毒等に使用したきれいな物。
③空の牛乳パック
④キッチンペーパーの芯
⑤不要になったプラスチックカード
⑥新聞紙やチラシ
中でも使用頻度が高いのが、ラップ、キッチンペーパー、牛乳パックです。
ラップは丸め、牛乳パックはカードサイズにカットして使います。
ラップ、牛乳パック、プラスチックカードで油汚れの洗い物をラクに。
油やケチャップ、ソースがついた食器やフライパン等は、洗う前にラップやカードサイズの牛乳パックを使って汚れを先に取り除きます。
汚れが軽い時は、ラップだけで取れることもあります。
また、食器の油汚れもラップで取り除いてから洗えば、洗い物がラクになります。
トマトソースのようなちょっともたっとした汚れは、牛乳パックのカードを使います。
汚れを取った後のラップや牛乳パックは可燃ごみとして処分します。
カレーやシチューのような煮込み系のこびりつきには、プラスチックカードの出番です。
鍋の底を牛乳パックのカードできれいにした後、側面やフチについた汚れをプラスチックカードでこそげ落とします。
また、大きな汚れをカード類で先に取り、その後で丸めたラップをスポンジの様に使って洗う、というワザもあります。
※プラスチックカードを使う際は鍋等に傷がつかないようご注意ください。
特に端がボロボロになったカードは、傷つけやすく汚れも取りにくいので、その部分をカットするか、新しいカードを使ってください。
カレーのお鍋を洗ってスポンジに色が移ってしまったり、油物を洗ったスポンジがずっとベタベタしていたりするのはあまり嬉しくないですよね。
かといってスポンジを使い分けるのも面倒です。
そんな時に使い捨てできる物を使うと、汚れを物理的にも精神的にも気持ちよく落とせます。
どんな調理器具を何で洗うか、ぜひ、ご家庭にある物を探して、試してみてください。
捨てる前にもうひと働きしてもらって、洗い物を気持ちよく終えましょう。
ラップとキッチンペーパーでシンク掃除。
食器洗いが終わったら、シンクの掃除です。
毎回するのが面倒なんですよね。
そこを早く終えるために、ラップとキッチンペーパーです。
ラップは丸めて、シンクの汚れている部分をこすったり、落ちているゴミを拾ったり、排水口部分の汚れ取り等に使います。
できるだけ触りたくない排水口のゴミ受けは、キッチンペーパーで水気を取りつつ、ゴミも取っていきます。
排水口のフチの細かなゴミも、キッチンペーパーで拭います。
洗剤を使ったり専用のスポンジやブラシを使うのがちょっと面倒に感じる時こそ、捨てる前のラップやキッチンペーパーでササっと終わらせてしまうのがおススメです。
キッチンペーパーの芯は排水口掃除に。
沖田先生にとって、キッチンペーパーが使い終わった時はその芯を使って排水口のパイプの汚れを掃除するタイミング。
ちょっとウキウキするそうです。
キッチンペーパーの芯は潰すとパイプに入るちょうどいいサイズにできます。
これをパイプに入れてグルッと回転させながら、中の汚れを絡め取ります。
普段の掃除では届かない奥の方の汚れまでしっかり取り除くことができます。
掃除専用のブラシもありますが、芯の方が排水口の奥までしっかり届きますし、中の汚れはブラシでもできるだけ触りたくないことから、使い捨てにできる芯で掃除をするのが沖田先生にとってベスト。
パイプの汚れを落とす時はたまらなく快感だそうです。
ただし、パイプの中に芯を置き去りにしないよう、注意も必要です。
新聞紙で生ゴミや油の処理を。
廃物利用で昔からよく使われてきた新聞紙は、今も変わらず活躍しています。
沖田先生はお手入れが面倒な三角コーナーを廃止。
その代わり、新聞紙やチラシで野菜クズ等の生ゴミをくるんで捨てるようにしています。
野菜クズはシンクに置くと余分な水分がつき処理に手間がかかるので、まずは新聞紙の上に。
吸水性が高いので水気も切れますし、ニオイも軽減されるようです。
特に作り置きのおかずを作る時は、一度に野菜の下処理をして丸めて捨てられるので便利。生ゴミがシンクにたまることも無く、気持ちよいキッチンにできます。
他にも、古い油を廃棄処理する際に牛乳パックの中に丸めて入れる等、活用されています。
保管方法にはひと工夫。
そんな第二の人生で大活躍してくれるラップやキッチンペーパーたちですが、保管方法はちょっと気をつけます。
元々ゴミになるものをいつまでも取っておくのは見た目に美しくないだけでなく、衛生面も気になるからです。
沖田先生は原則として、食品に使った物はできるだけ当日中に使い切るようにしているそう。
例えば、朝温めで使用したきれいなラップを夕食の食器洗いや掃除に使う、というようにです。
再利用の掃除道具たちは牛乳パックに入れてあります。
牛乳パックを底から7~8cmの高さでカットし、ラップやカードサイズにした牛乳パック、プラスチックカード等を入れています。
汚れたら新しい物に替えられるので、気軽に使えます。
冷蔵庫の側面にマグネットフックをつけ、吊るしています。
可燃性の物が多いので、コンロから離れたところに置くのがポイントです。
楽しくできる方法を探してみませんか。
沖田先生は、廃物利用を始めたことで掃除をこまめにするようになったと言います。
そして、良いことがもう一つ。
それは、汚れが酷くならないということ。
シンク掃除なら、忙しい時ややる気がおきない時でも軽くラップやキッチンペーパーで汚れを取っておくだけで、普段のシンク掃除が中性洗剤だけで済むようになりました。
カビ取り用洗剤等の強い洗剤を使う回数が減っているようで、結果として掃除や家事自体がラクになったそうです。
いくつかアイディアを教えていただきましたが、これならできるかも、というものがあったと思います。
沖田先生は応援のメッセージを送ります。
「どれか一つから始めることで、頑張って大変な掃除をする時間が減らせます。ちょっとだけできることをしておく習慣が、後の自分をラクにしてくれます。
キッチンがきれいになっていると食事作りのモチベーションが上がるという効果もあります。
もったいないが減りますし、洗剤の使用量が減ることは、自分にも、家庭にも、環境にも優しいことです。
ぜひ、ゲーム感覚で自分がしっくりくる方法を捜して、楽しく始めてみてください。あなたのオリジナル習慣が作れるはずです。」
ぜひ、できそうなことから取り入れて、探してみてくださいね。