床下収納庫、使いこなせていますか?

出典:写真AC
戸建てでよく目にする床下収納庫。
収納スペースが増えるのは嬉しいのですが、収納のプロ稲村美由起(いなむら みゆき)先生によると、実際は「どう使ったらいいのか分からない」「何を収納したらいいか分からない」とというお悩みも多いそうなんです。
稲村先生ご自身もご自宅の床下収納庫の使い方に悩んだ時期があったとのことですが、現在は床下収納庫を分別ゴミの収集場所として活用されています。
ちょっと意外に思える使い方ですが、これがとても合理的。
プロの活用アイディアをご紹介します。
床下収納庫に何を入れますか?
床下収納庫は、収納のプロから見ても活用すべき貴重な収納スペース。
キッチンに設置されていることが多いので、一般的には梅干しや果実酒等の賞味期限の長い保存食、変質しにくい買い置き食材、ペットボトルや洗剤のようなストック品の収蔵庫として使われることが多いようです。
他にも、普段は使わない食器や調理道具、防災グッズを入れている方も。
扉を閉められるので、雑多な物でも目に触れずに収納できて便利ですよね。

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収納のプロのスペース活用の考え方。
ただ、稲村先生は床下収納庫を貯蔵庫として使うことに抵抗があったと言います。
理由は、食品は目に触れなくなるため保存していることを忘れて賞味期限を切らしてしまいそう、湿気や温度の管理ができないので食品ロスにつながりそう、ペットボトルの飲料や洗剤類のストックも存在を忘れそうな上、重いので取り出すのが大変そう、というものです。
中でも、食品の上を日々歩くことに大きな抵抗感があったそうです。
そんな稲村先生が、床下収納庫に入れるべき物、「キッチンの床下に、抵抗感なく収納できる物」を考えた結果、毎日発生し、場所を取り、あまり見たくない分別ゴミの存在に気づきました。

稲村先生のご自宅キッチン
床下収納庫を分別ゴミの一時保管場所に。

こちらが、そのような経緯を経て完成した稲村先生のご自宅の床下収納庫です。
使用済みのペットボトルやビン、缶、生鮮食品の発泡トレー等の資源ごみ、細かな不燃ゴミ等、分別ゴミの収集日までの一時的な収納場所とし活躍しています。
生活感で雑然となるこれらを床下収納庫に入れることで、キッチンに分別ゴミ用のゴミ箱を置かなくてよくなりました。
キッチンが片付き、見栄えも良く、広く使えるようになりました。
また、分別ゴミの処理がキッチンの中で完結するので、家事動線も効率的に。
たくさんのメリットが生まれました。
床下収納庫をゴミ収集場所に変える方法。
稲村先生の、床下収納庫を分別ゴミ置き場として活用する方法を詳しくご紹介します。

<用意する物>
- 突っ張り棒
- ピンチ式のフック
- 洗濯用のピンチ
- マスキングテープ

<作り方>
突っ張り棒を収納庫に渡し、ピンチ式のフックをつけます。

ゴミの分別には、持ち手付きの透明なポリ袋を使います。
ピンチのフック部分にポリ袋の片方の持ち手の根本をかけ、上から洗濯用のピンチで留めます。
この、持ち手を折り曲げてはさむのがポイント。
持ち手が邪魔にならずに袋を固定でき、ゴミが入れやすくなるからです。

マスキングテープを使って、フックにラべリングをします。
分別ゴミの種類を書き、上から見て一目で何を入れる場所なのかを分かりやすくします。
稲村先生は、あえて収納庫内をファイルボックス等の収納グッズで仕切ることはしていません。
ここに収納しておくトレーやペットボトル、ビン等は大きさも形も不揃いな物ばかり。
空間を仕切ってしまうと、収納するゴミの量が限られてしまいます。
袋に入れただけの状態であれば、中の物やほかの袋の物に合わせて自在に変形し、限られた収納庫内でもフレキシブルに動かせておさまりが良くなります。
空間を無駄なく使えます。

このピンチでポリ袋を留めるという方法は、ゴミを片手で簡単に入れられるというメリットもあります。
床下収納庫は、フタを全部外すもの、扉式のもの、スライド式のものと様々です。
稲村先生のお宅の収納庫はフタを外すタイプですが、ゴミ袋の口を常に開けた状態で吊るしてあることで、片手で収納庫の扉を開け、もう片方の手でゴミを分別の袋に入れる、ということが可能になります。
そして、ゴミの日になったらピンチを外して袋を取り出し、縛ってゴミに出すだけ。ゴミ出しも簡単になります。
稲村先生のもうひとつの工夫は、床下収納庫に備え付けのカゴ部分に袋をかぶせた小鉢を置き、キャップ類などの小さな分別ゴミ用の置き場にしたこと。
定位置がなくなりそうな小さな物こそ、きちんと場所を作ってごちゃつきを減らします。
カゴが備え付けられていないご家庭でも、突っ張り棒を2本用意してカゴを置いたり板を渡すことで、小さなゴミ用のスペースを作れます。
清潔に使い続けるための注意点としては、分別ゴミは事前に汚れを落とし、ある程度水気を切ってから収納庫に入れること、定期的に庫内の掃除をして汚れを取り除くようにすること、があります。
稲村先生はキッチンのシンク近くに洗ったゴミを置く場所を作っておき、一日に一度、水がある程度切れたタイミングで、まとめて収納庫のポリ袋に移しているそうです。

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せっかくの床下収納庫、自由な発想で使いやすくしてみましょう。
「床下収納庫に分別ゴミを収納することが習慣になると、フタの開け閉めも苦にならなくなり、かさばるゴミが目に入らないので、キッチンが気持ちよくスッキリ片付きますよ」と稲村先生。
キッチンのゴミ置き場に悩んでいる方も多いと思います。
せっかくある床下収納庫という空間を活用して、キッチンを使いやすくしてみませんか。