お家にたまりがちなポリ袋を掃除道具に変身させるプロのアイディア。
スーパーで買い物をした時に、生鮮食品等を入れるためのポリ袋。
サッカー台にロールになっていて、シャカシャカと音がする、あの薄手のポリエチレンの袋。
使用後も何かに使えそうで、お家にたまっていっていませんか?
今回はその袋をリユースして、掃除などの家事に活用されている掃除のプロ、 稲村美由起先生の「ポリ袋活用術」をご紹介します。
日々の掃除や片付けに使用済みポリ袋が欠かせないと言う稲村先生。
特にキッチンやお風呂場等、素手で直接さわるのがためらわれるような場所の掃除に重宝しているそうです。
使いあぐねていたものが思わぬお宝に変身。稲村先生のポリ袋使い、ぜひ参考にしてください。
※ポリ袋は購入した食品を持ち帰るための物です。本来の目的以外で必要以上に持ち帰ることはお控えください。
プロがポリ袋を使い始めた理由。
スーパーに置いてあるあのポリ袋はポリエチレン製で、通称「ポリ袋」と呼ばれています。
その多くは高密度ポリエチレンからできており、強度があり、防水性にも優れています。
稲村先生がそんなポリ袋に着目した理由は、やはり家にポリ袋がたまる一方だったこと。
最初は生ゴミの処理にだけ使っていましたが、「使用済みのラップが掃除に使えるのなら、ポリ袋も使えるのでは?」と思い立ち、フライパンの油汚れを拭いてみたところ、きれいになったことがきっかけで、積極的に掃除や家事に活用し始めました。
廃物利用(不要になったものを別の形で再利用すること)になるため罪悪感なく使えますし、スポンジやブラシと違って使用後はそのまま捨てられて、掃除道具のお手入れが不要です。
袋の中に物や手を入れて掃除ができ、サイズが合わなければ結んで使いやすいサイズに調整できます。
掃除道具として優れていると実感し、ポリ袋を使った掃除を実践しています。
お掃除のプロのポリ袋活用術8選!
①キッチンの生ゴミ入れに。
まずは王道ともいえる、調理中に出た生ゴミの処理に。
実践されている方も多いと思いますが、ポリ袋はゴミ袋として優れています。
ニオイや水分が漏れにくく処理がしやすい。丈夫で生ゴミを入れても安心というのがプロの着眼点です。
稲村先生は生ゴミで袋が重くなりすぎる前、なんとなくゴミがたまった段階で縛って生ゴミ用のゴミ箱へ入れています。
ニオイや水分が気になる時はもう1枚重ねてから。
廃物利用なので罪悪感なく使えるのが良いそうです。
②油で汚れたフライパンやお皿の処理に。
調理後に洗うのに億劫になるフライパンやお皿の汚れ。ここでもポリ袋の出番です。
最初にフライパン等に残った食材を取り除き、油汚れを使用済みのキッチンペーパーや古タオル等で吸い取ります。稲村先生は手のひらサイズに切ってストックしてある古タオルを使っています。
古タオルの再利用についてはこちらのコラムをご参照ください。
フライパンに水を張って油を浮かせ、くしゃっとさせたポリ袋を入れて、トングでくるくると底をなでるようにして汚れをからめ取ります。
その後、水を捨てます。
これである程度汚れが落ちます。まだ汚れが残っている場合は、再度古タオル等で拭き取り、汚れがほぼ落ちた状態にしてから食洗機に入れたり、通常通りに洗います。
稲村先生によると、ポリ袋に油が付着する性質を活かした方法とのこと。
これならスポンジが汚れた油でギトギトになることもありませんし、洗い物がラクになり、水と洗剤、手間、時間等、さまざまな節約になります。
③キッチンや浴室の排水口のゴミの処理に。
キッチンの排水口のゴミ受けにたまる細かなゴミや、浴室のヘアキャッチャーにたまる髪の毛。
できるなら素手で触れたくない物は、ポリ袋を手袋代わりにします。
ポリ袋に手を入れ、ゴミをかき出すようにしてまとめたら、つかんで、袋を返して口を縛ってゴミ箱へ。
④ゴミ受けのお手入れに。
③でもご紹介したように、あまり素手で触れたくないキッチンのゴミ受けの掃除にポリ袋が活躍します。
ゴミ受けをポリ袋の中に入れ、両面に洗剤をスプレーします。
空気を抜くようにして袋をゴミ受けに密着させ、時間を置きます。
いわゆる湿布法と同じですが、洗剤がゴミ受けの表と裏に密着し、水分の蒸発が防げるため、洗浄効果も上がります。
汚れが浮いたら袋を外し、裏返して丸め、洗剤の付いた面をスポンジ代わりにして洗います。
洗剤を洗い流せば、気になるヌメリもスッキリです。
⑤浴室の小物類の掃除に。
椅子や洗面器等、浴室のアイテムの頑固な汚れにもポリ袋を使います。
水道水に含まれるミネラル分、石けんカス等が固まった汚れの原因であることが多いので、クエン酸が効果的です。
椅子や洗面器の上にクエン酸水を吹きつけ、ポリ袋を密着させ、10分ほど放置します。
先ほどの湿布法と同じ原理で、密着させることで洗剤と汚れがしっかりなじみます。
時間が経ったらポリ袋を外し、洗剤が付着している方が表に来るように丸めて、ゆるんだ汚れをこすり落とします。
ポリ袋の硬度で固まっていた汚れを削り落とす効果もあります。
クエン酸水を洗い流した後は、通常のお風呂用洗剤で洗えばスッキリきれいになります。
⑥広い面に洗剤を塗布する時に。
浴室の浴槽や床、壁、キッチンのシンク等広い面を洗う時、洗剤を塗り広げる時にも役に立ちます。
スポンジをポリ袋に入れ、ポリ袋ごとスポンジを持って洗剤を塗り広げます。
スポンジが洗剤を吸収しないので洗剤の節約になりますし、塗りムラも少なくなります。
スポンジとポリ袋がズレる場合は、スポンジとポリ袋を密着させるようにしてから口を縛れば使いやすくなります。
⑦浴室の床掃除時の栓として。
浴室の床掃除をする時に効率を上げてくれるのも、ポリ袋です。
ヘアキャッチャーもしくはその下の排水口の部品を外し、ポリ袋の中に入れて元通りにセット。
床全体に水を張って洗剤を溶かし、しばらくつけおきします。
ポリ袋に入れた部品を排水口の栓代わりに使うのです。
しばらくたって床の汚れがゆるんだら、ブラシ等でこすって汚れを落とします。
実は稲村先生は以前、水を入れたポリ袋を排水口の栓代わりにするという方法を試したそうですが、うまく栓ができず水が漏れてしまったのだとか。
そこでこの方法を考えたそう。
ポリ袋の厚さや強度が心配な時は2枚重ねるとより安心。
また、ポリ袋の口は開けたままして部品も同時につけおきにすると、一度に掃除ができて一石二鳥だそうです。
⑧掃除機のゴミ処理に。
最後は手や室内を汚したくない、掃除機のゴミの処理時に。
スティックタイプの掃除機を使っている稲村先生は、たまったゴミを捨てる時に掃除機にポリ袋をかぶせてからゴミを移し、口を縛ってゴミ箱へ入れています。
ホコリや細かなゴミが舞いやすい作業を袋の中で行うことで、汚れをまき散らさず、その後の掃除の手間を増やさずに捨てられます。
ポリ袋の可能性をもっと広げて、家事をラクに。
お掃除のプロが日々実践しているポリ袋の活用術、参考になる点が多かったのではないでしょうか。
最後に、ポリ袋の保存方法について。
食品から外したポリ袋はちょっとかさ張ります。
稲村先生は、買い物後の外したポリ袋は食器棚の引き出しにそのまま入れています。
(もちろん、濡れた場合は乾かしてから入れます。)
毎日使う物なのでたたむ手間や時間をかけるより、使用後の口が空いている状態で置いておく方がすぐに使えて効率的なのです。
これだけ幅広い使い方を日々追求されている稲村先生ですので、実はスーパーから持ち帰るだけでは足りないことがあり、最近では食品を入れても大丈夫なクオリティの物をロールで買い、調理にも掃除にも活用されているそうです。
これまで持て余し気味だったポリ袋、ぜひ参考にして、お掃除をラクにしてください。
そして、ご自分だけの新しい使い方も発見してみてくださいね。