プロの収納テクニックで洗面まわりの収納を快適に。

出典:写真AC
洗面所や浴室で使う物をきれいに収納しておきたいのに、なぜかいつもゴチャッとなってしまう。
みなさんは洗面台の下の収納場所、思うように使えていますか。
収納のプロ大津たまみ先生も「洗面所は使用頻度が高い場所なので、収納も効率をよくして使いたいですね」と言います。
そのための収納方法のポイントが3点。
- いつも使う物はすぐに出せる場所に置くなど、使用頻度に応じて設置場所を決める。
- 出し入れの度に物が移動しないよう、仕切りを活用する。
- 一緒に使う物をまとめるなど、取り出しやすさを重視する。
これらのポイントを押さえた洗面所の下の整理方法、収納方法を大津先生に教わります。
一緒に使いやすい収納を目指しましょう。
収納タイプ別の収納方法。
洗面台の下は、排水パイプがあるために収納場所としてはやや使いづらく感じる空間です。
扉を開けるタイプと引き出しタイプの2種類が主流ですが、扉タイプは空間の真ん中にパイプが通っていますし、引き出しタイプもパイプに合わせたサイズで作られています。
パイプを避けながら使いやすい収納場所にするにはコツがあります。
扉タイプの活用方法。

扉タイプは、空間は広いのですが中央に排水パイプがあります。
位置が低く奥行きもあるので、立ったままでは物が取り出しにくいです。
使いやすいとは言い難い場所です。
空間全体を市販のスライドラックや突っ張り棒を活用してパイプを避けながら仕切り、奥の物まで取り出しやすくするのがコツです。
引き出しタイプの活用方法。
最近はスペースを有効活用するために引き出しタイプの物が増えているそうです。
この引き出しは排水パイプを避けるために横に長く、奥行きが浅いこと、ある程度の深さがあることなどが特徴です。
容量が大きいので、入れる物に合わせて収納グッズで仕切り、常に整頓された状態を保つのがコツです。

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使いやすくするための整理と収納のステップ。
すべての物を出して、4つに分けましょう。
扉タイプであれ引き出しタイプであれ、整理方法の最初のステップは共通です。
収納場所にあるすべての物を取り出し、“4分類”します。
ビニールシートを「いる」「いらない」「迷い」「移動」の4つに区分けし、その上で持ち物を分類します。
分類方法は次の通りです。

左上から時計回りに「いる」「いらない」「迷い」「移動」
いる:今使っている物、将来必ず使う物。
いらない:今も将来も使わない物。
迷い: 8秒以上迷った物。「迷い箱」に入れ、半年後に見直します。
移動:別の場所で使ったり保管すべき物。あるべき場所に移動させます。
この時、「いらない」以外はカテゴリーごと(洗面用品、掃除用具、ストック品等)にまとめていきましょう。
洗面台の下は普段は目につかないため、試供品等細々とした物がため込まれがちです。
一度全部出して、きっちり整理しましょう。
扉タイプの収納の作り方。

① 収納場所を作る。
スペースを最大限に活用するため、スライドラックや突っ張り棒を設置し、入れる物や出し入れのしやすさに合わせた位置に棚を作ります。
写真ではパイプを避けて棚を作れるタイプのスライドラックを使用しています。

奥に詰替え用の洗剤のストックがあります。
② 収納する。
使用頻度の高いものは手前に、低いものは奥に配置します。
例えば、洗濯用洗剤であれば詰替え用の洗剤のストック等を奥に置いてから、毎日使う洗剤をファイルボックス等に立てて入れ、手前に設置して取り出しやすくします。
洗剤類はノズル部分を突っ張り棒に引っ掛けるという方法もあります。
取り出しやすく、省スペースになります。

小物類はカゴやトレーにまとめると使いやすくなります。
ラベリングもすれば、どこに何があるかがわかり、取りやすく戻しやすい収納になります。
ストックの在庫切れや重複買いも防げるようになります。
引き出しタイプの収納の作り方。

茶色い枠を引き出しと想定し、収納を再現しています。
① カゴやトレーで仕切る。
引き出しは、カゴやトレーを使って中をしっかり仕切りましょう。
洗面所の引き出しには毎日使うドライヤーやヘアメイクの道具類を収めることが多いですが、引き出す度に中の物が動いてぐちゃぐちゃになりがちです。
引き出しの中で動かないように、引き出しの奥行きや高さを計り、サイズの合った物を組合わせてできるだけすき間なく作ると、整頓された状態が続いて使いやすくなります。

② 立てて収納する。
下にある引き出しには、上から見た時に中身が分かりやすく出し入れがしやすいように立てて収納します。
使用頻度の高いものは手前に、ストック等あまり使わない物は奥に配置すると、より使いやすくなります。
収納グッズを活用すれば、より便利に使えます。
スペースを有効活用するためには収納グッズが欠かせません。
プロが日頃使っているアイテムをいくつかご紹介します。
一番おすすめなのが、上記の収納方法でもご紹介した伸縮式のフリーラック。
安定感があり、排水パイプに干渉されずに棚を作れます。
幅や棚板位置の調節ができる物だと様々な洗面台に対応が可能です。

まずは作ってみたいという方には、手軽に試せる突っ張り棒があります。
100円ショップ等で手に入る突っ張り棒と突っ張り棒用の棚板、強度を補う落下防止のフック等もあるので、置きたい物に合わせてチョイスしてくださいね。

収納には、カゴやファイルボックスを。
小物類には浅めのカゴを、ボトル類はファイルボックスを使うと、取り出しやすく見た目もスッキリします。
ケースを半透明や透明にすると中身が見やすくなるので、必要な物がすぐに見つけられます。

最後に欠かせないのがラベリングです。
収納している物を細かく表記しておくと、どこに何があるか一目で分かりますし、お客様や同居する家族でも迷わずに使って戻せるようになります。
探し物が減って、家事も少しラクになりますよ。
洗面台まわりをすっきり収納し、暮らしを快適に。
「洗面台下の収納は日々の生活に直結する重要な場所。定期的に中身を見直し、不要なものを処分することで、常に使いやすい状態を保つことができるようになります。」と大津先生。
ぜひ目標にしてみてくださいね。
家族や同居人がいる場合は、その家で暮らす全員が洗面所を共同で使用します。
個人の物から共有物まで様々な物が置かれ、物の責任者が不在になりがちです。
誰がそのアイテムを管理するか等、一緒に暮らすメンバー全員で収納ルールを作り、管理者を明確にすることで、長期的に整理された状態をキープできます。
まずはご自宅の洗面台の特徴を知り、今入っている物を全部出して把握するところから始めましょう。
無理なく使いやすい洗面所収納の第一歩です。

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