重曹とクエン酸で排水口掃除がラクになります。
家の掃除の中でも苦手意識が強い場所のひとつ、排水口。
お掃除のプロ大津たまみ先生は、「排水口は汚れが酷くならないうちにこまめに掃除をするのが1番ラク」と言います。
今回は大津先生が「排水口3兄弟」と呼ぶ、キッチン、お風呂、洗面所の排水口掃除のコツをご紹介します。
大津先生がそのこまめな掃除のために日頃使っているのが、重曹とクエン酸のナチュラル洗剤コンビ。
それぞれで汚れを落とすだけでなく、一緒に使うと発生する泡の力を利用することで、汚れをゆるめ、落としやすい状態にできます。
ナチュラル洗剤なので手軽で安心して使えますし、1度で完璧に汚れを落とすとは言い切れませんが、こまめに簡単に掃除ができるので汚れがたまりにくく、結果としてきれいな状態をキープしやすいです。
ぜひ、参考にしてみてください。
※洗剤を使用する際は事前に使用上の注意をよく読み、必ず守ってください。
特にクエン酸を使用する際は、塩素系漂白剤などアルカリ性の強い洗剤と一緒に使わないでください。
キッチンの排水口の掃除
キッチンの排水口は特に日常的な掃除が必要な場所です。
汚れの原因は生ごみ、油汚れ、洗剤の残りなど。
食べ残しや食品のカスを栄養に雑菌が繁殖し、ヌメリや臭いの原因になります。そこから食中毒が発生する可能性もあります。
用意する物
重曹
レモン汁
クエン酸
掃除用ブラシ(今回は「Jブラシ」)
スポンジ
※このほか、40℃~42℃くらいの湯を使います。
以下、作業中に「湯」とある場合はすべて40℃~42℃くらいの温度の湯のことを指します。
掃除方法
ゴミ受けや防水ワンなど、外せる部品はすべて外しておきます。
最初に、排水口の外側にある円形の溝を掃除します。
溝に沿って重曹をふりかけます。
重曹の上にレモン汁をかけます。
レモン汁に含まれるクエン酸と重曹が反応して発泡し、溝の中の汚れが浮いてきます。
レモン汁はクエン酸水とほぼ同じ働きをするので、少量を使いたい時、ピンポイントで使いたい時に便利です。
賞味期限が切れてしまったものや食材についてきたものがあれば、掃除用にとっておきましょう。
しばらく待って、溝をブラシでこすります。
重曹が研磨剤になり、溝の奥に溜まった汚れを取りのぞけます。
ブラシが全体的に茶色になって、汚れが落ちているのがわかります。
終わったら湯で重曹を流します。
続いて排水口の中を掃除します。
排水口に重曹(カップ1)を振り入れます。
湯(カップ1)にクエン酸(カップ1/2)を溶かしたものを用意し、上から注ぎます。
発泡させることで排水口のまわりについた軽い汚れやヌメリが浮いて落としやすくなります。
30分ほど置いた後、側面をやわらかいスポンジで、奥をブラシを使って汚れを落とします。
最後に湯で洗剤と汚れを流します。
汚れを予防する方法
キッチンの排水口の汚れ防止にはアルミホイルがお勧めです。丸めて生ゴミネットに入れ、ゴミ受けに乗せるだけ。
アルミホイルから金属イオンが発生し、ヌメリの発生を予防します。
(アルミホイルを廃棄する際は自治体の分別方法に従ってください)
排水口ネットを取り付けられる「シンク掃除が楽になる排水口ネットホルダー」のようなアイディアグッズを活用するのもいいですね。
お風呂場の排水口の掃除
続いてお風呂場の排水口の掃除方法です。
お風呂場の排水口は触りたくないくらい苦手という方もいらっしゃるかもしれません。
お風呂場の排水口にたまる汚れは、髪の毛、皮脂汚れ、石鹸カス、カビ等です。
抜け落ちた髪の毛に石鹸カスや皮脂汚れがこびりつき、絡みついて、ヌメリやカビ、悪臭の原因になります。
掃除方法
最初に、排水口カバーやヘアキャッチャー、封水筒を洗います。
中性洗剤とブラシで汚れを落とし、湯で流します。
漂白剤で一気にきれいにしたくなりますが、実は中性洗剤と湯だけでも十分に落ちます。
この後クエン酸を使った掃除をするため、漂白剤を始め「酸性の洗剤と混ぜると危険」というような表記がある洗剤は、安全のために使用を避けます。
どうしても使いたい場合は別の日に行ってください。
次に、排水口の掃除です。
重曹(100g)とクエン酸(50g)を順にふりかけます。
上から少しずつ湯をかけて発泡させます。
30分程そのまま置きます。
浮いてきた汚れをブラシでこすり洗いをします。
最後に湯でしっかり流して終了です。
汚れを予防する方法
お風呂から上がる時にヘアキャッチャーにたまった髪の毛をティシュで取りのぞきましょう。
「たったこれだけで、汚れがたまらず、増殖せず、掃除がすごくラクになります」と大津先生のお墨つきです。
浴室の排水口は掃除のタイミングが空くほど汚れが酷くなりますので、意識してみてください。
なお、リンナイスタイルでは、市販の排水口ネットをつけられる「お風呂掃除が楽になる浴室排水口ネットホルダー」も扱っています。
洗面所の排水口
洗面台の排水口はとにかく臭いが気になる、という方が多いようです。
洗面台の排水口の汚れの原因は、髪の毛、歯磨き粉の残りカス、頭皮の皮脂などで、ここでメイクをする場合はメイク用品の油や粉末などの汚れも加わります。
洗面台のパイプはN字状になっている為、汚れた水がパイプ内にたまり、パイプの中で雑菌が繁殖、ヌメリやカビが発生しやすい環境です。
内側にも汚れがこびりつき、臭いが発生しやすくなっています。
パイプの中の汚れを取ることが臭い対策になります。
掃除方法
ヘアキャッチャーの掃除をします。
髪の毛を取り除いたら弱アルカリ性の洗剤とブラシでこすり洗いをします。
次に、排水口を掃除します。
重曹(大さじ3)とクエン酸(大さじ1)を順に排水口の中に入れます。
湯を流して発泡させ、30分ほど待ちます。
ブラシを中に差し込み、届く範囲の汚れを落とします。
最後に湯で汚れを流して完了です。
※ブラシをパイプの中に落とさないようにご注意ください。
汚れを予防する方法
ヘアキャッチャーを、ゴミを受けやすく掃除しやすいものに変えてみましょう。
髪の毛が落ちないだけでも汚れは軽減されるはずです。
それでも排水口の汚れが気になる時は。
掃除中も掃除後も安心して過ごすために、大津先生はできるだけナチュラルな洗剤を使うようにしています。
それだけでは落ちにくい汚れには、少し強い洗剤を使います。
市販の排水口クリーナーやパイプクリーナー、塩素系漂白剤などがそれです。
洗面所の排水口の臭い対策として、パイプクリーナーの中でも水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)入りの物は髪の毛も溶かすほど強力で、パイプの奥の汚れを髪の毛ごと落としてくれます。
どうしても臭いが消えない時は試してみても良いかもしれません。
「ただし、その際は各洗剤や薬剤の使用上の注意を事前によく読み、必ず守って使用してください。」
と大津先生は忠告します。
これらは塩素系洗剤であることが多いので、クエン酸など酸性の洗剤と一緒に使うと有毒なガスが発生します。
絶対に同時に使用しないでください。
排水口掃除に悩む方、ぜひ一度掃除のプロの方法をお試しください。