掃除道具の置き場所が掃除のやる気を左右します。
汚れを見つけてすぐに掃除をしようと思ったものの、道具を取りに行くのが面倒でついそのままに。
そうして汚れがたまった頃にようやく重い腰を上げて、落としにくくなってしまった汚れを掃除し始める。
ご自宅でそんなことが起こっていませんか。
この現象を逆手にとって家の中をいつでもピカピカにしているのが、お掃除のプロたちです。
つまり、掃除道具をすぐに手に取れる場所に置いておき、汚れを見つけた時にすぐに掃除ができるようにしているのです。
ポイントは掃除道具の収納場所です。
例えば、多くのご家庭ではトイレ掃除に必要なブラシや洗剤はトイレの室内にあって、汚れたらすぐ掃除できるようになっていると思います。
この仕組みを玄関、リビング、階段等、他の場所でも応用すれば、掃除の回数は増えても掃除の大変さは減り、少ない労力でキレイな状態を長く保てるようになります。
今回は、掃除のプロの宝生多美(たからぎ・たみ)先生が自宅で実践している、掃除がすぐにできる掃除道具の置き方と、実際に取り組む際のアドバイスをご紹介します。
掃除のプロの掃除道具置き場を拝見。
それでは、早速宝生先生のご自宅の掃除道具を拝見していきましょう。
玄関
まずは家の顔、玄関です。
玄関はいつでも気持ちよく家族や来客を迎えたいので、汚れに気付いたらその時にサッと落としておきたいですよね。
そこで、靴箱の隣のキャビネットに玄関やその周辺の掃除用の掃除道具を用意しています。
小さなホウキとちりとりのセット、ホコリを取る為のドライシートとウェットシートが常備してあります。
扉の裏にかかっているのはミトン型のドライシートで、小物が置かれている玄関の掃除では重宝します。
同じ場所に、濡れた靴を乾燥させるためのドライヤーも入れてあります。
靴の掃除もすぐにできるように、靴箱の中にはカゴにまとめた靴のお手入れ道具を入れてあります。
リビング
宝生家のすっきりとして気持ちの良いリビング。
スペースを広く使うために収納家具はテレビボードのみ。
家族や来客が心地よく過ごせるよう、いつでもスッキリ整えてあります。
リビングのような多くの人が過ごす場所では、掃除道具をいかにうまく隠すかがポイントです。
宝生先生は、カーテンのタッセルフックにサイズ違いの毛バタキを2本かけ、カーテンで隠しています。
リビングのホコリを払った後、カーテンにホコリが移らないようにホコリを落としてからかけます。
他にもテレビの後ろにフロアーモップとドライシートを隠したりもします。
リビングに掃除機はありませんが、まずはフロアーモップでホコリや細かなゴミを取り、余裕のある時に掃除機をかければ、キレイな状態を保てるのです。
もうひとつ、宝生家のリビングで重要なのが、貴重な収納家具であるテレビボードです。
飼っている犬のトイレがリビングの一角にあるため、関連するペット用品はできるだけリビングで管理したいところ。
そこで、テレビボードの引出しを活用。
ペット専用コーナーにし、トイレシート、床を汚した時用のウェットシート、スプレー等をまとめて収納しています。
ダイニング
食事をするダイニングテーブルは汚れやすいですし、少しの汚れでも気になります。
すぐに掃除ができるように、テーブルの下にタオルハンガーを取り付け、アルカリ電解水の小さなスプレーを掛けています。
汚れが気になったらスプレーをして、近くにあるティッシュペーパーで拭き取ってお掃除完了。
アルカリ電解水は二度拭きが不要ですし、ダイニングテーブルでも安心して使えます。
キッチンからふきんを取ってくるより手間がかからず、衛生的でもあります。
階段
掃除道具を取りに行くのが億劫に感じる階段。
宝生家では2階の階段横にフロアーモップとドライシートを置いておき、宝生先生が起床後1階に降りるタイミングで、フロアーモップで階段から1階の廊下、リビングまでをぐるりと掃除しています。
他の家族が起きてきてホコリが床から舞い上がる前に済ませてしまうのです。
使い終わったモップは一旦階段近くに立てておき、次に2階に用がある時に持って上がります。
2階に上がる時は手ぶらでは上がらない。可能な限り必要な物を持って上がる。
家の中をきれいに保つための宝生先生のポリシーのひとつでもあります。
洗面所
気を抜くとすぐに汚れる洗面台では、引出しの一部を掃除道具置き場に。
歯ブラシを加工した物、小さな溝を掃除する小さなブラシ(急須用ブラシや歯間ブラシ)、大津式お掃除ブラシJ、メラミンスポンジ等を入れてあります。
隣の引き出しには重曹等の洗剤を置いてすぐに使えるようになっています。
そうじ道具の収納場所の作り方。
宝生先生のご自宅で「こんなところにも掃除道具が?」という驚きを楽しんでいただけたのではないでしょうか。
ただ、実践しようとすると「自分の家にはとてもそんな場所はない…」と思われるかもしれません。
大丈夫です。宝生先生がこれまでの経験から発見した収納場所の作り方をご紹介します。
隠して収納
掃除道具は使いたい場所のすぐ側にあるのが理想的ですが、丸見えのままでは生活感があり過ぎます。
そんな時は隠して収納です。
宝生先生がリビングでカーテンのタッセルフックにかけてカーテンで隠したように、デッドスペースにうまく隠してしまいましょう。
テレビの後ろや家具の裏、家具の下など家の中には様々な死角があります。探してみてくださいね。
収納用の隙間を作る
宝生先生がよくアドバイスしているのが、あえて収納用の隙間を作ること。
例えば、こちらは宝生家のキッチン。
冷蔵庫の目立たない面と収納家具の間に、あえて少しスペースを空けてあります。
冷蔵庫の側面にマグネットフックを付け、この隙間をフロアーモップ置き場に。
気になった時にすぐに手に取れるのに、目立ちません。
この方法で、洗濯機やキッチンラックの横にスペースを作ったり、ワイヤーラックを用意してS字フック等をかけて収納場所を作ることもできます。
ポイントは生活の中で目に入る面には作らないこと。家具の裏や横、見えない場所にしましょう。
掃除機の存在感を消す
存在感のある掃除機は、頻繁に使用するからこそ収納方法が難しい掃除道具。
宝生先生も、収納場所が定まらずに置きっぱなしになり、部屋の景色が台無しになっているご家庭を見てきました。
掃除機を1日に何度もかけるのなら、その都度出し入れをするのは面倒です。室内の目につかない所に置き場所を作りましょう。
1日に1回、数日に1回かけるのなら、生活空間から目につかない隣の部屋等を置き場所にしましょう。
コードレス掃除機の場合は、掃除をしたい時にすぐに使えるよう、頻繁に使う場所の近くで、充電しながら置ける場所を作るのが理想的です。
宝生家のコードレス掃除機は洗濯機の近く、目隠しのドアの向こうで、充電をしつつ出番を待っているそうです。
楽しみながら収納場所探しをしてみましょう。
掃除のプロの、気付いた時にすぐに掃除ができる、掃除道具の置き方の工夫をご紹介しました。
自分が日々どう暮らしているかを考えながら、気がついた時にさっと掃除ができる、掃除道具の置き場所を探してみてください。
置いてみて、使ってみて、ちょっと違うなと感じたらどんどん使いやすいように変えて、自分が掃除しやすいスタイルを作っていきましょう。
掃除は気付いた時にすれば、大変な汚れになる前に、あまり手間をかけずにキレイにできます。
思い立ったらすぐ掃除ができる仕組みづくり、自分がラクに掃除ができる仕組みづくりを楽しんでみてください。