捨てられない物の代表選手、紙もの
紙袋や紙の空き箱、ちょっとした書類等、家の中に使っていない紙のものが溜まっていませんか?
日本清掃収納協会 片づけ収納マイスターの宝生多美(たからぎ たみ)先生は、家庭の中で捨てられないモノとして、この“紙もの”をあげます。
なんとなく捨てられず、山になって収納スペースを圧迫しているご家庭が多いそうです。
そんなご家庭から依頼を受けてお掃除やお片付けのアドバイスをされている宝生さんは、依頼者に質問をすることで、紙ものを手放せるようにお手伝いをしているそう。
片付けのプロの手放し方をご紹介します。
その紙袋、いつ使うの?
どの家にもある紙袋。しかも大量に。
「何に使うつもりで、こんなにとってあるんですか?」
宝生先生はまずそう質問します。
あなたはなんのために紙袋をためているのですか?
「お菓子や食べ物、お土産を差し上げる時に入れるため」
「本や新聞紙等を捨てる時用」
「洋服をリサイクルにもっていく時のために」
そんな答えが帰ってきます。
宝生先生はさらに質問を続けます。
「ではその時に、本当にこの紙袋を全部使いますか?」
どうでしょうか?
「お菓子を差しあげる時のために取っておく」のであれば、取ってある紙袋はすべてお菓子を入れてあげられる袋でしょうか?
お菓子を贈る時はどんな紙袋に入れたいですか?
おそらく、ちょっと高級感があって、しっかりしていて、清潔感がある袋ではないでしょうか?
すると、紙質がやわらかいもの、お菓子を入れにくいお店(靴屋やドラッグストアなど)の紙袋、小さすぎるもの、大きすぎるものは目的に合わないので取っておく必要はなく、手放してもいい袋です。
「紙袋はなんとなく捨てられないという人が多いです。全部を捨てる必要はありませんが、全部をとっておく必要もありません」と宝生先生。
紙袋を取捨選択するために、なぜ紙袋をとっておくのか、何が目的で使うために取っておくのかを、自分にこまめに問いかけましょう。
保管の仕方にも一工夫
目的があって残すと決めた紙袋は、幅15センチくらいの硬いプラスティックのボックスに収納しましょう。
やわらかい紙袋や薄手の箱に入れて収納を始めると紙袋の詰め放題状態になり、どんどん増えていきます。
硬い物に入れて量をコントロールし、ここからはみ出るようなら取捨選択して手放しましょう。
それでもとっておきたい紙袋には…
使う目的が思いつかないけど、手放しがたい紙袋は日常の中で積極的に使いましょう。
持ち手を切り取り、収納したい場所の高さに合わせて上の部分を内側に折り込んで箱状にします。
クローゼットなどに入れて収納ボックスとして活用すれば、きれいな紙袋を目にする機会が増えて楽しくなります。
ホコリでいっぱいの空き箱、いつまで取っておきますか?
紙袋の次になんとなくたまってしまうのが紙の空き箱。
お菓子の箱、靴の箱、家電の箱など、もったいない、捨てたら困るんじゃないかと思って手放せない方も多いのでは。
紙箱はホコリのたまり場になる上に、大幅にスペースを占領します。
紙箱を手放せない方に、宝生さんはこんな質問をします。
「何に使いたくて置いていますか?」
「何年間放置してあったかわかりますか?」
「大事な収納スペースをこんなに使ってまで保管する価値があるものですか?」
ドキッとしませんか?(笑)
なにかを収納するために取ってあるのなら、今すぐその目的で使いましょう。収納する物をちゃんと中に入れましょう。
「子どもが工作で使うかもしれない」等、未来の為に取っておくのであれば、本当に全部を使うかどうか、使いそうな現実的な量を考えて残し、それ以外は手放しましょう。
きれいで手放しがたい箱は、紙袋同様、すぐに収納ボックスとして活用しましょう。
家電製品の箱はとっておく?
家電製品が入っていた段ボール箱がそのまま取ってあるご家庭はありませんか?
電化製品の箱は運搬用。
緩衝材も入っているので商品よりもひと回り以上大きく、場所をとります。
貴重な収納スペースがもったいないです。すぐに引っ越す予定がないのなら、箱は手放し、引っ越す時に新しい箱を用意しましょう。
扇風機などの季節家電の箱も手放していいのだそう。
「季節家電を使わない時に箱に戻して保管する方もいらっしゃいますが、空き箱のときも、保管しているときも、本体以上のスペースが必要です。
収納場所が限られているので、箱は処分してビニール等で覆って保管しましょう」とアドバイス。
その書類、本当に必要ですか?
最後に宝生先生が気になるのが、家電製品の「取扱説明書」などの紙もの。
使っている家電製品の取扱説明書は保管する必要がありますが、使っていない製品の説明書や、説明書に同封されていた広告まで取っていませんか?
それらのものは役目が終わったもの。早めに手放しましょう。
大切なのは自分のルール
宝生先生が整理をする時に細かく持ち主に問いかける理由があります。
細かく質問を繰り返すことで、本当に使うものか、とっておきたいものか、惰性で残しているものかを自分で考えて判断できるようになるためです。
無理に説得するのではなく、本人が納得するように質問とアドバイスすることで、なんとなく取っておいたものがわかり、自分から手放せるようになっていきます。
納得して手放すとリバウンドもしにくくなるのだそう。
ものを取っておくかどうかは本人にしか判断ができません。
自分で考えて行動することで、習慣づけができるようになると宝生先生は考えます。