掃除嫌いを克服。掃除好きに変われた、掃除のプロのお話。
出典:写真AC
掃除や片付けのプロの記事や自宅の写真を見て「きっと生まれつきキレイ好きな方なんだろう。それに比べて自分は掃除や片付けが苦手で、家事全般はできればやりたくなくて…」とつい落ち込んでしまう、あなた。
そんなことはありません。
完璧でキレイ好きに見える掃除や片付けのプロでも、昔は家事が苦手だった方は何人もいらっしゃいます。
藤井朋子(ふじい・ともこ)先生は、以前フルタイムで働いていた頃「時間が足りない」「片付けてもすぐ散らかる」と悩みが絶えず、掃除を始め家事全般に大きな苦手意識があったそうです。
しかし、暮らしを見直して家事のコツを知ったことで、家事の時間を減らせ、気付けば掃除や片付けも苦手意識を克服し、大好きになっていました。
藤井先生が実際に行ったのは、次の3つです。
- 掃除の時間を減らす工夫をする
- 家事の時間を見直す
- 家事への考え方を変える
藤井先生のアクションをヒントに、無理なく効率よく家事を続けるための方法を一緒に探してみましょう。
掃除の時間を減らす工夫
藤井先生が変えたのはそれまでの掃除の習慣です。
まとめて行う掃除から、こまめに行う掃除に変えました。その時のポイントを3点ご紹介します。
① 1回5分だけ、小さな場所の掃除をする
忙しい時でも、毎日1回5分以内で、「ここだけ」と決めた場所の掃除をするようにしました。
例えば、食事後のテーブルはウェットティッシュやふきんで拭く、手拭き用タオルを洗濯機に入れる前に洗面台の鏡を拭くなど、5分以内で小さく掃除をします。
5分と決めると、苦手だと思っていた掃除へのハードルも低くなります。
小まめに掃除をするようになると、汚れはたまりにくくなり、掃除が大変になることも減りました。
時間や労力がかかる大物の掃除は、小さく区切って行うようにすると掃除がしやすいことにも気付きました。
結果的に時短も実現し、掃除をするメリットが見つかり、掃除に取り組みやすくなったそうです。
同時に、やる気を維持するために、掃除ができたら手帳に自分を褒める言葉を書くことも習慣化しました。
「◯月◯日、掃除ができた。私えらい!」
というようなシンプルな言葉から
「今までの私、ここまでできなかったよね。成長してるのが嬉しい」
「こんなふうに部屋を整えられる私、初めて見た。ちょっと感動」
「掃除できたっていう事実より、“やろう”って思えた私が嬉しい」
「前の私なら後回しにしてたのに、今日はちゃんと向き合えた」など。
行動と同時にその時の気持ちまで認めることで、自己肯定感が上がり、次のやる気に繋がったそうです。
嬉しいおまけもありました。
自分を褒められるようになると家族やほかの人のことも自然に褒められるようになり、コミュニケーション全般がスムーズになったそうです。
②掃除道具を取り出しやすい場所に置く
これは多くの掃除と片付けのプロも実践している方法ですが、掃除道具を生活空間の見える場所、すぐに手が届く場所に置きました。
汚れを見つけた時は、遠くまで道具を取りに行かなくてもすぐに手に取って掃除が可能です。
キレイにしたいと思った時にすぐに実行できると、やる気があるうちに掃除を終えられて、達成感もわきます。
掃除への心理的なハードルが低くなりました。
藤井先生は、リビングやキッチン等汚れやすい部屋に掃除機、ソファの近くに粘着クリーナー、洗面所にフローリングワイパーを配置し、汚れが気になったらサッと取り出してサッと汚れを取って、サッとしまえるようにしていました。
近くに置くと掃除道具を片付ける手間もほとんどかからないので、トータルで見ると時短にもなるそうです。
③優秀な掃除グッズを選ぶ
自分に合った、優秀な洗剤や掃除道具を選ぶことも重要です。
汚れをしっかり浮かせて落とせる洗剤や使いやすい掃除道具を使えば、力を入れて掃除をする必要がなくなるので、時間や力をかけずに汚れが落とせます。掃除中のストレスが少なくなります。
こちらは藤井先生が日頃愛用しているお気に入りの掃除グッズです。
左の酸素系漂白剤は換気扇や排水溝の掃除、靴の汚れ取り等に使います。
汚れが気になる布製品の浸けおきもします。
この時、バケツや洗面所、浴室などで行うと、汚れが溶け出していくのが見えるので「こんなに汚れが落ちたんだ」と成果が実感できて、掃除が苦にならなくなるのだそうです。
右上はキッチンで使っている、洗剤を使わなくても様々な汚れを落とせる掃除用クロスです。
コンロまわり、冷蔵庫の手アカ、食器棚の汚れ等、キッチンの汚れが洗剤なしで手軽にキレイにできます。二度拭きの手間もなくなりました。
右下はごく一般的な白い雑巾。
この雑巾で毎日玄関、廊下、リビング、トイレの床拭きをするそうですが、汚れが雑巾に付着するので、汚れている場所を把握しやすく、掃除の目安になるそうです。
使い捨てのドライシートやウェットシートを使うよりも経済的でエコ、水拭きなので肌にも優しいのがお気に入りとのことです。
家事の時間を見直す
家事の時間を短縮したいと考えた藤井先生。
1日どれだけの時間を家事に割いているかを書き出し、減らせる家事をピックアップして家事のスリム化を図りました。
以下は藤井先生の以前の家事時間の目安例です。
合計すると2~3時間かかっていたとのことですが、みなさんはいかがでしょうか。
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・食事の準備から後片付けまで:60~90分
(食事作りに50~70分、食器洗いや片付けに10~20分)
・掃除:20~40分
(掃除機や拭き掃除等の軽い掃除に10〜20分、洗面所・トイレ・キッチン等水まわりの簡単なリセットに10~20分)
・洗濯:20~40分
(洗濯機に入れるまで5~10分、干して乾燥機にかけるまで5~10分、取り込んで畳み終わるまで10~20分)
・リビング・玄関・子ども関連の片付け等:10〜20分
・そのほかの家事:20〜40分
(買い物、ゴミ出し、郵便物対応、そのほか名前のない家事を合わせて)
手放す家事をピックアップする
家事の時間が把握できたら、「やめたり回数を減らせる家事」「ほかの人に任せられる家事」「仕組み化できる家事」のように、自分以外の誰かや何かに任せられる家事をピックアップしました。
やめたり回数を減らせる家事の例としては、毎日のアイロンがけがありました。
先生はアイロンがけが苦手だったため、シワになりにくい服を買うようにして、アイロンがけの回数自体を減らしていきました。
食器洗いやゴミ捨て等は、家族に任せるようにしました。
家事を仕組み化するにあたっては、家電などの機能を上手く活用することを考えました。
例えば、洗濯物を干す工程は衣類乾燥機や乾燥機能付きの洗濯機の導入を検討。
(写真はリンナイのガス衣類乾燥機「幹太くん」です)
他にも、掃除用ロボットを使うことで掃除機をかける回数を減らしたり、日々の買い物の一部をネットスーパーや配達を利用する方法があります。
藤井先生は言います。
「家事は全部を自分一人でする必要はないですし、家族や機械と分担することに罪悪感を覚える必要もないんです。空いた時間は友人と会ったり、ショッピングや美容室に行ったり、家で好きなことをしたりと、自分が満たされる時間に使っていいんです。満たされた心が次の家事を回す力に繋がります」
家事への考え方を変える
最後に、藤井先生は家事に対する考え方も変えました。
家事をやりくりする中で、先生にはどうしても「自分だけが家事をしている」という感覚があったと言います。
家族や同居メンバーがいても自分以外誰も掃除をしない。協力してくれない。1人でやるには時間がかかりすぎる。
1人では思うように家事を回せないと感じ、次のように考えて妥協点を見つけるようにしました。
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それぞれの“キレイの基準”を確認する
家族や同居人と言っても、衛生観念や整理整頓など、“キレイの基準”は人によって異なります。
お互いの期待値を話し合い、どこまでは良くてどこからは耐えられないのか、その許容範囲を共有しました。
このズレが減ると、家事を省略できたり、協力を依頼しやすくなります。
役割分担を明確にする
自分だけが家事を負担している状況を変えるために、メンバー全員の家事の「好き・嫌い」「得意・不得意」を話し合い、無理のない役割分担をしました。
自分が苦手な家事でもほかの人は好きで負担に思わないこともあります。
人は得意なことは協力しやすいもの。
藤井家では先生が苦手なアイロンがけを長女が好きなことがわかり、喜んで引き受けてくれるようになったそうです。
家事代行など外部サービスを活用する
どうしても家事が回らない時は、思い切って家事代行などの外部サービスに頼るのも一案です。
藤井先生は、短時間で家事のプロが掃除した清潔な部屋になるのなら、コストパフォーマンスとしては悪くないと考えます。
他にも食事作りを総菜やお弁当等に変えたり、高齢者と同居している場合は介護サービスを見直したりして、家事の休憩をしてみましょう。
様々なサービスを使いながら、自分や家族との時間、心の余裕を取り戻すのも大切だと考えます。
家事に余白を作ってみませんか。
家事の全部を自分一人でやらなくてはと考えると、苦手意識はさらに増してしまいます。
そんな時は一度立ち止まって、自分が取り組みやすい物や取り組みやすい方法を考えると、苦手意識よりも「案外いいかも」という楽しさが出てくるかもしません。
苦痛に感じない掃除方法を考えてみる。
自分の家事の時間を洗い出して、整理してみる。
家事への思い込みを外してみる。
藤井先生が実践してきたことを参考に、できるところから始めてみてくださいね。