お掃除に“仕上げ”をちょい足しで家の中をピカピカに。掃除のプロのワザをご紹介。

掃除の“仕上げ”で部屋の印象が変わります。

ピカピカに整えられたお掃除のプロ後藤先生のリビング

ピカピカに整えられたお掃除のプロ後藤先生のリビング

きちんと掃除をしたのになんだかモヤッとして、思うほどキレイなったように感じない。

そんな時は掃除のプロが行っている“掃除の仕上げ”をマネしてみませんか。

 

お掃除のプロ後藤恵子先生は「部屋の印象を美しく清潔感があるように見せるために、掃除のプロは最後に“仕上げのひと手間”をかけています」と言います。

写真の後藤先生のご自宅のように、プロの掃除後が輝いて見えるのはそのためです。

仕上げに「光るところは輝かせる」「光らない場所は細部までこだわって掃除をする」

これがプロの仕上げのコツです。

もちろんそれだけではなく、日々の掃除に少し工夫をして、より清潔に、美しくなるように心がけています。


後藤先生に掃除後の印象が変わる、日々の掃除のポイントと仕上げのコツを教わります。

仕上げのひと手間で美しく清潔感のある空間に。

① 光る場所を輝かせる

 

掃除のプロが言う「光る場所」とは水まわりのシルバーの水栓金具や洗面所や浴室の鏡、ガラス等のことです。

例えば、シンクまわりの掃除は水拭きで完了してもいいのですが、拭きあとが気になりませんか?

 

これを解消するために、後藤先生は水拭きの後に「乾拭き」をして仕上げます。

掃除の最後に光を反射する部分を磨くことで、空間全体が明るく清潔に見えるようになります。

この時に使用するのがマイクロファイバークロス

繊維が非常に細かく、水分や皮脂、指紋をしっかりと吸着するのが特徴です。

蛇口・鏡・ガラス面・家電の表面等、光る場所を輝かせるのに適したアイテムです。

 

鏡のように面が広い場所は、見る角度を変えて拭きムラがないかチェックしながら行うと、美しく仕上がります。

棚の取っ手等も光る場所です。

業務用の高機能スポンジクロスで水拭きをして手アカ等の汚れを落とし、マイクロファイバークロスで乾拭きをします。

汚れを拭き上げると同時に光らせます。

 

スイッチやドアノブ、冷蔵庫の取っ手等は光りはしませんが、毎日人の手が触れて手アカ等が付着していますので、同じように掃除をするのがおすすめです。

取っ手の素材によって使える洗剤が異なりますので、掃除の前に確認しておきましょう。

このマイクロファイバークロスでの仕上げ掃除で後藤先生が気を付けていることが、使用箇所ごとにクロスを使い分けて交差汚染を防止すること。

交差汚染とは、汚染度の低いものが汚染度の高いものに接触して汚染されることです(小学館「デジタル大辞泉 」より)。

例えば、トイレ掃除をしたクロスで洗面台を拭くと洗面台にトイレの汚れが移る可能性があります。

これを避けるために、特にトイレ用の掃除道具は色分け等をして、しっかり管理をしています。

② 細部までこだわって整える

掃除後の見栄えを左右するもう一つの要素が、細部に入り込んだ汚れです。

家の中にある細いミゾやすき間、フチ等に入ってしまった汚れは見落としがちで、ここに汚れが残っていると、仕上がりが雑に見えてしまいます。

そこで、すき間掃除が得意なブラシの出番です。

細かい汚れをかき出し、水拭きをし、マイクロファイバークロスで乾拭きをします。

 

「細部の汚れがなくなることで、お掃除後の完成度が上がり、見栄えが良くなります」と後藤先生。

先生が愛用しているのが「Jブラシ」

細かい場所にブラシが届くのはもちろん、掃除をする場所を傷つけにくいからです。

排水口まわり・洗面台のフチ・ガスコンロの横やキッチンのパッキン部分等、細部の清掃に大活躍。

 

効率よく掃除ができる自分に合ったアイテム探しもしてみてくださいね。

日々の掃除に工夫をして美しく仕上げるコツ。

 

いつものお掃除にちょっと工夫をすると、掃除場所全体がキレイになることがあります。

毎日掃除を続けることで汚れがたまりにくくなり、汚れも落ちやすく、キレイがキープしやすい状態になります。


掃除後が輝く掃除方法を場所ごとにご紹介します。

達成感も出るので、ぜひトライしてみてください。


①キッチンシンクの掃除方法

完璧に美しい、ピカピカのキッチンシンクにあこがれる時がありませんか?

 

後藤先生はキッチンの排水口や受け皿等のパーツは毎日お手入れをするようにしています。

受け皿にはゴミ用のネットをかけておき、一日が終わったらネットごとゴミを捨て、お湯または洗剤をつけてブラシやスポンジで洗います。

ヌメリの発生を抑えるために、ゴミ取り用のネットは毎日交換。

また、排水口に重曹とクエン酸を2:1の割合でふりかけて発砲させ、洗い流します。


シンクや蛇口は、スポンジやブラシで全体を軽くこすり、水で流します。

 

後藤先生は普段は排水口にはあえてフタをしないことで、汚れを目視し、掃除意欲をかきたてるようにしています。フタを使わない分、お手入れの手間も省けます。

シンクに残った水分は吸水性の高い食器洗い用のスポンジで吸い取ります。

このスポンジも後藤先生のお気に入り。

はがして使えるので複数の場所で使っています。

 

最後に、乾いた布(マイクロファイバークロス等)で拭き上げてシンクまわりもピカピカに輝かせます。

シンクに水滴を残さないことで水アカ汚れも防げます。

② フローリングや階段の掃除方法

「フローリングを光らせるのはワックスよりも日々の掃除です」と言う後藤先生。

後藤先生の床掃除は、ハンディーモップで家の中のホコリを床に落とすことから始まります。

物に付着しているホコリはいずれ落ちて床に積もっていくので、最初に落としてしまうのだそうです。

 

続いて床に掃除機をかけ、最後にドライシートを付けたフローリングワイパーをかけて仕上げます。

 

この時、フローリングワイパーのヘッド部分とドライシートの間にエアキャップを挟むのが、キレイに仕上げるためのひと工夫。

 

ヘッド全面がまんべんなく床に触れるようになり、均一に汚れを拭き取れるようになるのだそうです。


作り方は簡単です。

①エアキャップをワイパーのヘッド部分と同じくらいの大きさにカットします。

②ドライシートの上に、エアキャップの凹凸のある方が床面にあたるようにして置きます。

③フローリングワイパーのヘッド部分を上から置き、外れないようにドライシートをしっかり挟みこみます。

ウェットシートで掃除をする時も、同様にしているそうです。

 

③ 浴室の掃除方法

いつも清潔にしておきたい浴室。

日々の掃除で、大敵の水アカやカビの繁殖を抑え、ピカピカの浴室が作れます。


浴室の掃除は、上から下に向かって行います。

鏡や蛇口→浴槽→排水口→床の順番です。

浴槽だけでなく、床や鏡、蛇口もキレイにすることがコツ。

また、排水口を先に洗うことで、床掃除が二度手間にならなるのを防ぎます。

 

風呂用洗剤を掃除する場所全体に均等に塗布したら、鏡や蛇口、浴槽をスポンジでこすり洗いし、シャワーで汚れと洗剤をしっかり洗い流します。

排水口はヘアキャッチャーのゴミを取り除き、洗剤で洗って清潔に保ちます。

 

床の掃除にはコシのある「Jブラシ」を使います。

ブラシの長い辺を床にあてれば、広い面積も手早く掃除ができ、ヌメリの元を落とせます。

細身なのでタイルの溝の汚れもしっかり落とすことができ、浴室全体のキレイがレベルアップします。

 

 

その後は吸水性の高い布や、キッチン掃除でも使っているスポンジで水分を拭き上げ、鏡、蛇口のような光る部分をマイクロファイバークロスで磨いて仕上げます。


浴室掃除のポイントは、カビの原因になる洗剤を残さないようにしっかり洗い流すこと。

また、洗剤を流した後に浴室全体に冷水のシャワーをかけることで、湿気と温度を下げ、カビの発生を抑えることができます。

窓を開けたり、換気を行って常に浴室内の湿気を減らしておくことも掃除をラクに、汚れを軽くするポイントです。

空気と香りを整える。

掃除の仕上げに欠かせないのが「空気づくり」です。

 

まず、何はなくとも換気です。

掃除をする前に窓を開けたり換気扇を回したりして、室内にこもった湿気とニオイをリセットしましょう。

これだけで家の中の空気が変わります。


空気と香りを整える。

出典:写真AC

それでも部屋のニオイが気になるときは消臭剤や芳香剤を使います。

 

後藤先生が使うのは、手軽に作れるリユースの芳香剤。

生鮮食品等を買った時についてくる保冷ジェルの中身を好みの容器に入れ、室内用の消臭スプレーやお気に入りのアロマオイルを垂らして完成です。

トイレの芳香剤として、保冷ジェルにオイルを垂らしたボトルにアーティフィシャルフラワーを挿すことも。

消臭効果と、室内の雰囲気を変える効果が期待できます。

 

生花を活けるとお手入れが気になってしまいますが、造花であればホコリを払うくらいですし、コストがあまりかからないので、後藤先生イチオシの方法です。

少し手間をかけて、ピカピカのおうちに仕上げてみましょう。

掃除は実際に清潔になることが最も大切ですが、キレイになったとことが目に見えてわかるのも大事です。

光る場所をしっかり乾拭きして輝かせることができれば、同じ場所が見違えるようになります。

次回のお掃除のやる気にも達成感にもつながるので、ぜひできるところから取り入れてみてください。


 

“ついで掃除”で習慣化を。


「もちろん、仕上げの前には汚れをためない掃除習慣を作ることも大事ですよ」と後藤先生から一言。

汚れはたまると固まって落としにくくなり、掃除が大変になるため、気づいたらすぐに落とすようにしましょう。

これが身につけば、掃除そのものがラクになり、いつも気持ち良い空間で暮らせるようになります。

料理の間にキッチンを拭く、入浴後にお風呂の水滴を取るといった、隙間の時間にこまめにちょっとした掃除をする “ついで掃除”が習慣になるといいですね。