掃除のプロが教える、水アカ・ウロコ汚れの掃除方法。

出典:写真AC
お風呂場の鏡等についた白い水アカ汚れは、できてしまうと普通のお掃除では落ちにくい厄介な汚れです。
通称「ウロコ汚れ」とも呼ばれますが、このガンコさには多くの方がお手上げのよう。
ですが、掃除のプロならその落とし方を知っています。
お掃除のプロ大津たまみ先生に伺うと、プロはこの汚れを落とすために人工ダイヤモンドを用いた特別な道具を使うそう。
もともとは業務用のアイテムでしたが、現在は市販されており、入手も容易になりました。
掃除のプロにこの道具を正しく使ったお手入れ方法と注意点、ガンコな汚れにしないための日々の掃除方法を教わります。
白いウロコ汚れが落としにくい理由。

出典:写真AC
浴室の鏡を始め、カラン、壁のタイル等水まわりに発生するガンコな水アカ汚れは、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウム等のミネラル分が原因です。
水道水の水分が蒸発し、それ以外の成分が残って固まると、あの白いウロコ状になります。
また、石けんやシャンプーの飛沫が付着して残りやすい場所でもあるため、乾燥した石けんカス等の成分も合わさり、どんどんガンコな汚れに成長していきます。
こうなると通常の洗剤やスポンジでは取り除けないことが多く、ますます落としにくくなるという悪循環になります。
プロはダイヤモンドで削ります。
このように固まってしまった水アカ汚れ・ウロコ汚れを除去する最後の手段として、掃除のプロは“ダイヤモンド”を使います。

人工ダイヤモンド粒子を使った特殊なクリーニングパッドを使い、通常の洗剤では取れない鏡等の汚れを、硬度の高い人工ダイヤモンドの摩擦力で物理的に削り取ります。
確実に汚れを落とせるため、清掃業界では長く愛用されているアイテムです。
大津先生が清掃業務で使用するのは、写真左の薄いパッド状の物。作業の際は手のひらサイズにカットしたメラミンスポンジに巻きつけて使うそうです。
そのほか、現在はサイズや特色もさまざまな物が市販されています。
今回の掃除では、リンナイスタイルで取り扱い中の「SDダイヤモンドパフ 鏡・衛生陶器の汚れ落とし」(写真左から2つ目)を使います。
プロが選ぶ基準は。
大津先生が検証したところ、市販されているアイテムにはピンからキリまであり、価格差がそのまま品質に現れていたそうです。
お手頃価格の物とプロ仕様の物では耐久性、研磨力等が異なり、仕上がりでも差を感じたそう。
プロ仕様の物は研磨力が強く、作業も効率的で長持ち。美しく仕上がります。
一方安価な物は摩耗が早く、研磨面が粗い物があったり、素材に傷をつけるリスクも感じたそうです。
購入の際はご自宅の汚れの状態に合わせてお選びください。
ウロコ汚れの落とし方。
どんな掃除道具も、正しく使わなければその効果を十分に発揮できません。
大津先生に正しい掃除方法を教わって、気持ちよいバスタイムを実現させましょう。
①鏡の表面を湿らせる

鏡全体にシャワーをかけ、表面を湿らせます。
鏡に付着している汚れをやわらかくし、落としやすくするためでもあります。
鏡が乾燥した状態でダイヤモンド面を使うと鏡に傷がつく恐れがあるため、必ず湿らせてから作業を始めてください。
②軽い力でこする

パフのダイヤモンドの面を濡らします。
写真のようにパフを軽く持ち、汚れている部分をやさしくこすります。
動かし方は縦に小さく。
円を描いたり、横に動かすと傷がつきやすいので注意です。
力を入れすぎると鏡に傷がつく恐れがあるので、軽い力でこするのがポイントです。
最初はザラっとした感覚ですが、そのうちに滑らかになってきます。
そうしたら横にずらして、また小さく縦方向にこすります。
一度に広範囲を削るのではなく、小さな範囲をつなげるようにして落としていきます。
これを繰り返して汚れを落とします。
※使用にあたっては必ず商品の説明書を読み、その指示に従ってください。
また、必ず目立たない場所で試し、傷がつかないかをご確認ください。
③洗い流す

汚れを落としたら、シャワーで鏡全体を流します。
鏡の表面には細かな削りカスが残っています。残ると新しいウロコ汚れの元になってしまうので、しっかり洗い流しましょう。
何年も蓄積している汚れは一度では落ちないこともあります。
水を流して確認しながら、ダイヤモンドパフを使って繰り返し落としていきましょう。
④乾いた布で拭く

仕上げに、乾いた布やマイクロファイバークロス等の吸水性が高い布で鏡の水分をきっちり拭き取ります。
鏡に水分が残っていると、乾燥した後に新しいウロコ汚れになってしまう可能性があります。
水滴は極力残さないように拭き上げましょう。
スタッフもウロコ落としに挑戦。
当店スタッフの中にも、自宅の浴室の鏡に年代物のウロコ汚れが発生している者がいました。
そこで、大津先生に教えていただいたポイントを守りながら、実際に「ダイヤモンドパフ」を使ってウロコ落としに挑戦してみました。

手順に従ってパフを縦に小さく動かしていると、ざりざりとヤスリをかけている時のような感覚があり、鏡の表面の水が白く濁ってきました。
ある程度削るとその感覚が減ってきたので、横にずらして次の汚れを削ります。
そうして小さく動かしながら半分削り終わったところが、この写真です。
左が元の汚れていた状態、右がダイヤモンドパフを使った後。
お恥ずかしながらくもって鏡としての機能をまったく果たしてしていなかった物が、しっかりクリアにピカピカになっています。
まだ薄く残っているところもありますが、これは次の掃除の機会に再挑戦するそう。
使用上の注意点
この方法はあくまでも硬度の高い人工ダイヤモンドで鏡を削って汚れを落とすものです。
掃除のプロ大津先生としては、下記の点に注意してほしいと言います。

①力を入れすぎない
硬い物質で鏡にこびりついた汚れを削り落とすため、力を入れすぎると鏡に傷をつける恐れがあります。
軽くこするだけでも十分に効果があるので、軽い力で、やさしく動かして使いましょう。
②使いすぎない
頻繁に使用すると鏡の表面を削りすぎてしまうことがあります。あくまでもガンコな汚れにだけ使用し、常用は避けてください。
③摩耗具合を確認する
基本的には繰り返して使えますが、摩耗が進むと効果が薄れてきます。
ダイヤモンドの面がつるつるしてきたと感じたら新しいものに替えましょう。
日々の掃除でウロコ汚れを防ぐ方法。
ウロコ汚れは専用の道具を使えばある程度は除去できますが、日々の簡単なお手入れで汚れそのものを予防する方が断然ラクです、と大津先生は言います。
最後にその方法もご紹介します。
①スクイジーで水滴を除去

入浴後鏡にシャワーをかけ、水滴をスクイージー(ここでは「ワイパースクイージー」)で取り除きます。
スクイージーは上から下に向かって動かし、スクイージーの先端に付いた水はクロスで適宜拭き取ります。
②マイクロファイバークロスで拭きあげる

鏡の表面に残った水分を、吸水力が高くやわらかい「マイクロファイバークロス」で拭きます。
鏡のフチ部分は水滴が残りやすいので、意識的に拭くようにしてください。
マイクロファイバークロスは水分や汚れを吸収するため、鏡にミネラル分が残ることがなくなり、常に鏡をピカピカに保つことができます。
なお、水栓金具の場合はマイクロファイバークロスで拭き上げるだけで汚れ防止になり、くもりが取れ、清潔感のある浴室になります。
鏡や水栓金具は大きなものではありません。
日々ほんのちょっとだけ掃除をがんばってみるのはいかがでしょうか。
また、大津先生によると、リフォーム等で鏡を取り外しができるタイプの物にしたり、そもそも鏡を付けない等の選択もあるのとのこと。
さらに、リンナイのウルトラファインバブル給湯器なら、さら湯と比べてミネラル成分の付着を軽減し、長年の使用でこびりつく水アカを抑制することも期待できます。
気持ちよくバスタイムを過ごすための掃除方法やアイディア、ご家庭に合う物を賢くチョイスできるといいですね。
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(Experiment 03をご参照ください)