掃除がしにくいトイレの掃除でプロがしている工夫。
日々掃除が欠かせないトイレですが、トイレ掃除が好きな方はあまり多くないようです。
汚れやすい場所ということもありますが、体を動かして掃除をするには少し窮屈だったり、手が届きにくい所があったり、掃除がしにくいこともその理由かもしれません。
つい「これくらいでいいかな」とざっくり掃除をしがちですが、それではどうしても汚れが残ってしまいます。
今回はお掃除のプロ大津たまみ先生に、掃除がしにくいトイレをラクにキレイにする掃除方法を教わります。
トイレを汚れのたまりにくい場所にする。
トイレの掃除をラクにする大前提として、トイレを汚れがたまりにくい環境にすることがあります。
次の3点を実行してみてください。
●トイレに置く物を極限まで減らす。
物があるとホコリや汚れがたまりやすく、掃除場所が増えます。日々の掃除で手が回らない量の物や飾りはトイレ内に置かないようにしましょう。
また、トイレットペーパーを巻きが多い物にすれば、置く個数を減らせて省スペースになる上に、交換にかける労力や時間も減らせます。
●床や便座マットの素材をポリ塩化ビニル樹脂(PVC)にする。
布製の物よりも掃除がしやすくなります。
●用を足す時は座ってから、流す時はフタを閉じてからにする。
便器の外へ尿ハネ等を減らせば汚れの原因も減らせます。感染症の予防対策にもなります。
注意すべき、5つの汚れやすいお掃除スポット
大津先生によると、トイレの中で汚れやすく、汚れがたまりやすいのは次の5か所です。
- 便器の後ろの床や壁
- 便器の後ろ側
- 便器の内側のフチ裏
- トイレタンクの上の手洗い場
- 便器と床のつなぎ目
掃除がしにくい場所が多いですが、ポイントは掃除道具の使い方です。
トイレのようにあまり直接触れたくない場所は、大津先生が得意とする廃物利用(家にある捨てられる予定の物を活用すること)や使い切りの物を手の代わりに働いてくれる道具にすれば、普段は諦めている場所でも気持ちよく掃除ができるようになります。
ぜひ一度お試しください。
用意する物
- 針金ハンガー
- 捨ててもよいストッキング・タオル・布
- キッチンペーパー
- クエン酸水スプレー(水、もしくはお湯100mlにクエン酸小さじ1/2をよく溶かしたもの)
- トイレ用の中性洗剤
- 歯ブラシ(くの字ブラシ)
- Jブラシ
- 小さな鏡
- ゴム手袋
①便器の後ろの床や壁の掃除
便器の後ろ側の床や壁は手が届きにくいため、掃除がしづらく、ホコリや汚れがたまりがちです。
このような場所こそ、オリジナルの掃除道具の出番です。
針金ハンガー、タオルとストッキング(どちらも捨ててもよい物)を使って作ります。
ストッキングはつま先から20cmくらいを使うので、先にカットしておきます。
《作り方》
①針金ハンガーを縦に伸ばします。ハンガーの先で手を傷つけないように気をつけてください。
②捨ててもよいタオルを二つ折りにし、内側にハンガーを挟みます。
③タオルでハンガーをくるむようにします。手元に近い方は挟みこむようにして、できるだけ固定させます。
④上からストッキングを履くように被せ、タオルを固定します。
ご自宅のトイレに合わせてハンガーの幅や角度を調整し、完成です。
掃除は他の場所と同じように、ホコリ等の乾いた汚れを取ってから拭き掃除の順で行います。
細いハンガーを使っているので便器の後ろのホコリもすいすい掃除ができます。
ストッキングが静電気でホコリを吸着しますし、中に入れたタオルにクッション性があるため、床や壁、曲線部分に密着しやすく、よりホコリを集めやすくなっています。
隙間に入りやすいので、細かい場所の清掃にも向いています。
実際に掃除をする際は、隙間等の狭い場所→壁→床の順に行ってください。
ホコリを取り終わったら、ホコリがついている面が内側になるようにして、ストッキングを丸めながら外します。
外したストッキングはそのままゴミ箱へ。
ホコリが取れたら拭き掃除です。
タオルでハンガーを挟んだ状態のまま、トイレ用の中性洗剤を塗布します。
ハンガーとタオルの根元をしっかり持ち、汚れをかき出すようにして拭きます。
汚れが落ちたらタオルはハンガーから外してゴミ箱へ。
最後に捨ててもよい布を水で濡らし、同じようにハンガーに固定して水拭きをし、乾いたタオルで乾拭きをして完了です。
トイレ用の小型のフローリングワイパー等、トイレ掃除がしやすいアイテムも多数市販されていますので、汚れに応じて使い分けるのもいいですね。
②便器の後ろ側の掃除
便器の後ろ側はなかなか手が届かない場所ですが、思い切って掃除をしてみましょう。
ホットクエン酸水(40℃くらいのお湯100mlにクエン酸小さじ1/2をよく溶かしたもの)を作り、捨ててもよい布にスプレーします。
便器を抱え込むようにして後ろ側を拭きます。
汚れがひどいようなら中性洗剤を使いましょう。
最後は別の布を使って水拭きをし、乾拭きをします。
③便器の内側のフチ裏の掃除
ササッと掃除をしてしまうと落としきれないのが、便器の内側のフチ裏部分にたまった汚れです。
放置するとさぼったリングやピンク汚れになる可能性がありますので、定期的にしっかり掃除しましょう。
手鏡など小さな鏡を用意し、ちょっと勇気を出して内側のフチの裏の、どこがどれくらい汚れているかをチェックしてみましょう。
(衝撃を和らげるため、写真には画像処理を施しました)
意外と掃除のやる気が出てくるかもしれません。
フチ裏にまんべんなくクエン酸水をスプレーしたら、くの字ブラシ(もしくは掃除用ブラシやJブラシ)でこすります。
「くの字ブラシ」はブラシの持ち手の少し上の部分を、ライター等で炙ってやわらかくしてから内側に曲げた物です。
作る際はヤケドに気を付けてください。
鏡で汚れの落ち具合をチェックしながら行うと効率的です。
④トイレタンクの上の手洗い場の掃除
トイレタンクの上にある手洗い場の手洗い管には、白くてカリカリとした「水アカ汚れ」がたまりがちです。
放っておくとどんどん固まって取り除きにくくなります。
クエン酸水スプレーを吹きかけ、少し時間を置いてから歯ブラシ、もしくはJブラシのような掃除用ブラシでこすり落とします。
固まって取り除きにくくなっている場合は、こより状にしたキッチンペーパーを巻き、クエン酸水を上からたっぷりとスプレーします。
少し時間をおいて汚れがゆるんできたらブラシでこすり落としましょう。
⑤便器と床のつなぎ目の掃除
大津先生が掃除し忘れが多いと感じているのが、便器と床のつなぎ目の部分です。
パッキンになっていることが多いと思いますが、様々な汚れが集まっている場所なのでニオイの原因になりがちです。
汚れがこびりついて落ちにくくなっているので、キッチンペーパーを使った湿布法がおすすめです。
こより状のキッチンペーパーをパッキンに沿ってぐるりと置き、クエン酸水スプレーをたっぷり吹きかけ、15分ほど放置します。
汚れがゆるんだのを確認したら、キッチンペーパーを外しながら汚れを拭き取っていきます。
まだ汚れが残っているようなら、歯ブラシ等で軽くこすって落としましょう。
この部分は幅広のマスキングテープを張り、汚れたら張り替えるようにすると、掃除の手間や回数を減らせるようになります。
定期的なお掃除でいつでもキレイなトイレに。
ご紹介した掃除方法は毎日する必要はなく、月に1回等、定期的に行うことで汚れがたまりにくくなるそうです。
トイレはいつも清潔にしておきたいですが、掃除をしていても何となく汚れが気になる時もあるかと思います。
そんな時には、思い切って汚れがたまりがちな場所を徹底的に掃除してみましょう。
苦手意識があり、すみずみまで掃除がしにくい場所でもありますが、日々の掃除を少しラクにするために、定期的にしっかり掃除をする日を作ってみてください。
使う道具や掃除方法の工夫で、自分にとってしやすい掃除方法を探して、気持ちよいトイレにしてくださいね。