トイレのニオイを元から撃退したい。
トイレは汚れに加えてニオイが気になる場所。
特に梅雨時や夏場は、ちゃんと掃除をしているのにニオイがこもっているように感じませんか。
お掃除のプロ、沖田有紀子先生に相談すると「残念ながら、それは掃除のし忘れが原因かもしれません」とのお答え。
沖田先生はトイレのニオイの3大原因を「ホコリ」「尿汚れ」「水」と分析。
服を上げ下げするトイレでは繊維からホコリが出やすく、湿気と合わさってニオイやカビの原因の雑菌が繁殖します。
飛び散った尿汚れをそのままにしていると、ここでも雑菌が繁殖。アンモニア臭が増大します。
盲点ですが、タンクや便器の水にもホコリや汚れが混ざり、雑菌やカビが繁殖。
この3つの原因に焦点を当てて掃除することで、トイレのニオイは減らせる、と沖田先生は考えます。
沖田先生はニオイの元になる汚れが残っていそうな場所を7か所ピックアップ。
①換気扇
②雑貨や布アイテム
③壁
④便器
⑤便器と床の隙間
⑥サニタリーボックスとトイレブラシ
⑦タンク
それぞれの掃除方法を教えていただきました。
気になる場所から始めてもいいですし、1日に1か所ずつ掃除したり、数か所ずつに分けて行ってもいいですね。
一緒にニオイ問題を解決しましょう!
①換気扇や換気口のホコリ
トイレの換気扇や換気口のホコリをチェックしてみましょう。
トイレには服の繊維くずやペーパーの紙くずから出たホコリが多いです。
換気扇や換気口の掃除が不十分でホコリがたまると、換気が滞ってニオイの残留時間が長くなります。
また、ホコリがニオイを吸着して新しいニオイの発生源にもなります。
ハケと掃除機を使ってフィルターのホコリを取りましょう。
※換気扇の掃除をする際は必ず取扱説明書をお読みください。
換気扇の掃除方法はこちらのコラムにもあります。
ホコリがたまらないようにするために、沖田先生はお手製のフィルターを使っています。
不織布(薄手の安価の物でよい)を換気扇のフィルターの大きさに切り、マスキングテープで貼るだけ。
ホコリがたまってきたら貼り替えれば、掃除がラクになります。
②インテリア雑貨や布アイテムのホコリ
トイレの中にインテリア雑貨で癒しスペースを作っていらっしゃる場合、そこにホコリがたまっていないかチェックしましょう。
そのホコリはニオイの元。せっかくの癒し空間も台無しです。ハンディモップなどでこまめに取り除くようにしましょう。
便座カバー、トイレマット、ペーパーホルダーカバーなどの布アイテムもホコリの元。
ホコリがつきやすいアイテムでもあるので、定期的に洗濯をして汚れとホコリを落としましょう。
洗えないタイプのスリッパは、固く絞った雑巾やトイレ掃除用のシートで拭きましょう。
沖田先生は家族に合わせて布アイテムの使い分けをしています。
トイレマットは毎日床を掃除するので敷きませんが、フタにはあえてフタカバーをかけ、手洗い場を使う度にはねたり垂れたりする水滴を吸収させています。
カバーはこまめに洗濯と掃除をして、清潔を保っています。
③壁のホコリや尿汚れ
トイレの壁にはホコリや尿汚れが付着しています。
ホコリは、いつも使っているフローリングモップやハンディモップを新品に取り換える前に、トイレの壁を掃除することを習慣にしてみましょう。
上から下に真っすぐ動かしてホコリを落とし、掃除機で吸いとります。
アンモニア臭が気になる時は、壁に散った尿汚れで細菌が繁殖しています。
捨ててもいい布をクエン酸水(水100mlにクエン酸小さじ1/2を溶かしたもの)に浸し、固く絞ってから拭きます。
トイレの専用洗剤や専用の掃除用シートを使ってもよいでしょう。
しゃがんだ時に手が届くエリアを上から下に向かって拭きます。
尿汚れの拡散を防ぐには、フタをしてから水を流す、男性でも座って用を足すなどの工夫が必要です。
この機会に家族で掃除や使用のルールを話し合ってみませんか。
④便器の尿汚れ
トイレの汚れで一番に思いつくのが便器の汚れです。
日々掃除をしていても、フタや便座の裏、便器のフチの裏等、トイレブラシが届きにくい場所の汚れがうまく落とせていない場合があります。
トイレブラシが届きにくい場所をチェック
まずは勇気を出して、手鏡やデンタルミラーを使って普段は見られない裏やフチを見てみましょう。
汚れを見つけたら、狭い場所の汚れも落とせる「大津式お掃除ブラシJ」や歯ブラシのようなブラシで掃除をしましょう。
付着してすぐの汚れはこするだけで落ちます。
尿汚れは放置すると固まって尿石になり、落としにくくなります。
そんな時はトイレットペーパーにクエン酸水を含ませて湿布をし、汚れをゆるめてから落としましょう。
トイレの頑固な汚れの落とし方についてはこちらのコラムもご参照ください。
便器の外側をチェック
小さなお子さんや高齢者がいるご家庭では、腰掛ける位置が浅いために便器と便座の間から尿が飛び散り、便器のアゴ部分に垂れていることがあります。
これを放置するとニオイの原因になります。
クエン酸水や専用洗剤を使って拭きましょう。
温水洗浄便座も要チェック
便座と便器の隙間にも汚れは溜まりがち。
細いブラシでしっかり汚れを落としましょう。
温水洗浄便座を設置している場合は、外して掃除ができることが多いので、取扱説明書を読んで適切な掃除をしましょう。
温水洗浄便座のお手入れについてはこちらもご参照ください。
⑤便器と床の隙間の汚れ
便器と床材の境目にはホコリや尿汚れが溜まりやすいです。
「大津式お掃除ブラシJ」や歯ブラシなどでかき出し、クエン酸水を含ませた布やトイレ用の掃除シートで拭きとりましょう。
沖田先生のお宅は隙間が大きかったので、IHコンロの隙間ガードを使って汚れが入らないようにしています。
境目にぐるりとマスキングテープを貼るだけでも違いますので、一度お試しを。
⑥床置きのサニタリーボックスとトイレブラシの汚れ
床に置いたサニタリーボックスのお手入れはされていますか?
見落としがちなアイテムなので、定期的に中身を処分し、除菌も兼ねてアルコールで拭きましょう。
沖田家ではサニタリーボックスをあえて床に置かないようにしています。
突っ張り棒で棚を作り、そこに横置きにしています(正方形のボックスです)。
あえて見える場所に置くことで、家族間に「清潔に使おう」という意識が生まれるそうです。
トイレの隅に置かれたトイレブラシは、トイレの中でも指折りの汚れがたまっている物です。
ブラシの汚れも、ケースに垂れた汚水もニオイの原因です。
ブラシとケースをしっかり洗う、乾かす、定期的に買い替えるなどの対策が必要です。
市販されている使い捨ての掃除用ブラシに切り替えるのも一案です。
沖田先生はトイレブラシではなく、水切れが良く湯でお手入れができる「大津式お掃除ブラシJ」を使っています。
トイレブラシのお手入れについてはこちらも参照してください。
⑦タンクの水アカやタンク内の汚れ
最後はタンクの中の水です。
特に手洗い付きの場合は、ホコリや手を洗った時の汚れ、皮脂が一緒にタンク内に流れこむので、中の水で雑菌が繁殖、ニオイやカビの原因になります。
タンクは構造が複雑なので、掃除をする場合は事前に取扱説明書を読んでから行いましょう。
専用洗剤の使用がおすすめです。
手洗い部分には水アカがたまりがちなので、キッチンペーパー等にクエン酸水を含ませて湿布し、時間をおいてから拭きとります。
気になる場所から始めてみませんか?
以上で7か所のチェックが終わりました。
みなさんのご家庭のニオイの原因は解明しましたか?
ニオイのない気持ち良いトイレを維持するには、汚れやすい場所・汚れが溜まりやすい場所を知り、定期的かつ継続的に掃除をするのが大切です。
ニオイの元の掃除を日々の掃除に組み込むことで、トイレのニオイは消えていきます。
汚れない工夫をしたり、家族で使い方のルールを作ったりするのも大切。
ご家庭に合ったものを取り入れてみてくださいね。