カビ掃除に効果的な漂白剤の使い方を、掃除のプロに教わりました。

カビは増殖する厄介な汚れ。

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出典:写真AC

掃除の悩みで多いのが、カビ。

 

お風呂、キッチン、トイレ、洗面所、洗濯機まわり、クローゼット。

なぜこんなところにまで?という場所でも発生し、一度生えたら掃除が面倒。

梅雨時に限らず年中警戒しなくてはいけないのが、カビです。

 

お掃除のプロ、大津たまみ先生は「カビは他の汚れと違って、放置するとどんどん増える厄介な汚れです」と言います。

カビは胞子なので、目に見える部分を落とすだけでは完全に除去できず、またすぐに繁殖してしまいます。

他の汚れではあまりこういうことは起こりません。

 

カビを除去する方法は様々ですが、一番効果的なのは漂白剤を使うこと。

ただ、漂白剤は洗浄能力が高い分、取り扱いに注意が必要な洗剤。

お掃除のプロに、正しい使い方とカビ掃除の方法を教わります。

 

 

カビが繁殖する3つの条件


カビが繁殖するには次の3つの条件が必要です。

これらが揃う場所はカビにとっては楽園。カビの発生を防ぐには、これらの条件を揃えないことが大切です。

①湿気:湿度が高い場所、特に75%以上の場所はカビにとって繁殖の好条件です。


②温度:カビは一般的に温暖な環境を好みます。特に20℃~30℃が多くのカビにとって繁殖に最適な温度です。


③栄養:カビは有機物を栄養源として成長します。

有機物は食品だけでなく、石けんカス、シャンプーやリンスの残り、人体からでるアカ、ホコリ、ダニ等も含まれます。


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出典:写真AC

お風呂、キッチン、トイレ、洗面所、洗濯機まわり、クローゼット等はこれらの3つの条件が揃いやすい場所です。

また、いわゆる“暗い場所”もこの条件を満たしがちです。

直射日光が届かない、暗くて湿気のある場所ではカビは繁殖しやすくなるので要注意です。

カビを除去するための「漂白剤」を正しく知る。


カビ取り用の洗剤として広く使われている「漂白剤」。

漂白剤には塩素系と酸素系の2種類がありますが、カビに対して即効性があるのは「塩素系漂白剤」です。

洗浄力が強いため、正しく使わないと危険な点がありますし、効果も薄くなってしまいます。

塩素系漂白剤の特徴


主成分は次亜塩素酸ナトリウムで、アルカリ性から強アルカリ性であることが多いです。

塩素特有のツンとしたニオイがあります。

 

塩素系漂白剤は強い洗剤なので、使用前に必ず説明書きをよく読み、正しく使うことが大切です。

 

特に、塩素系漂白剤の使用中や使用後には、水洗いや換気が欠かせません。

水洗いができない場所や換気ができない場所では使わないでください。

 

また、次のような、使ってはいけない物があります。


金属素材の物:金属部分が錆びます。

ザルやフライパン等の調理器具、ステンレスのシンク、鉄、アルミ、ホーロー等の素材は錆びるので使わない方が良いでしょう。

塩素系漂白剤でのつけおきをする際は、金属製ではなく、プラスチックの物を用意しましょう。


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出典:写真AC

色物の布製品:色や柄が落ちます。洗濯時は特に注意しましょう。


陶器:土でできているため、ニオイが移ります。


メラミン素材(子供用の食器等):黄ばみの原因になります。


酸素系漂白剤の特徴


主成分は過炭酸ナトリウム。

液性はアルカリ性が多いですが、弱酸性の物もあります。

粉末は弱アルカリ性が多いです。


水に溶かすと発砲して汚れを分解します。

ぬるま湯に溶かし、つけおきすることで汚れが落ちやすくなります。油汚れがついた換気扇のファン等のお手入れには酸素系漂白剤でのつけおきが効果的です。


また、衣類の色を落とさずに汚れを落としたり、白い衣類の漂白をしたりと、洗濯時によく使われています。


塩素系漂白剤を使ったお風呂のカビの掃除方法。

塩素系漂白剤を使ったカビ掃除の方法を、一番カビが発生しやすいお風呂場を例に紹介します。

写真左側にあるパネルの下に発生している黒いカビを除去します。


事前準備


使用の前に、必ず洗剤の説明書きを読み、従ってください。

また、以下の点はどの場所で塩素系漂白剤を使用する際も必ずお守りください。

① ゴム手袋やブーツを着用


塩素系漂白剤は肌に刺激を与えることがあります。絶対に直接肌につけないでください。

使用時には必ずゴム手袋を着用しましょう。

お風呂掃除で使用する際はブーツを履いてください。


② 換気の徹底


塩素系漂白剤を使用すると、人体に害のある塩素系のガスが発生することがあります。

使用中は換気を必ず行いましょう。

③ 試し使用をする


掃除をする前に目立たない場所に少し塗布して、掃除場所への影響がないことを確認します。

変色や変質、洗剤焼けや洗剤の跡が残るのを防ぐためです。


方法は、目立たない場所に漂白剤を塗布し、15分間ほど置いて水で流し、変化や異常がないかをチェックします。

掃除方法

①最初に、カビに漂白剤を塗布し、5分ほど置きます。

洗剤を掃除部分に浸透させます。

②ブラシやスポンジを使い、汚れやカビが取り除けるまでこすります。

汚れが激しい場合はキッチンペーパーをこより状にし、汚れの上から貼り付け、湿布をします。


15−30分ほど置き、カビに漂白剤をしっかり浸透させてからブラシ等でこすり落とします。

③シャワーで漂白剤をしっかり洗い流します。

漂白剤が残ると黄ばみや変色の原因にもなりますので、念入りに流しましょう。

④最後に、マイクロファイバークロス等でしっかり水分を拭き取り、乾燥させます。

塩素系漂白剤を適切に使うことで、カビをきれいに落とせるだけでなく発生率も抑えられます。



※作業中から作業後まで必ず換気扇を回し、風通しをよくしておきましょう。


※塩素系漂白剤と酸性の洗剤を混ぜると有毒なガスが発生します。絶対に混ぜないでください。



最新のカビ取り用洗剤は要チェック。

泡状が一般的なカビ取り用洗剤ですが、大津先生によると最近登場したジェル状のタイプが、「今お掃除業界で大注目なんです!」と熱く語ってしまうほど画期的なのだそうです。


スプレー式と違って漂白剤が広がらないので安心な上、カビの上に留まるので湿布効果もあります。

「低臭タイプ」が多く、あのツンとするニオイもそんなにしなくて使いやすいそう。

日々商品開発が進み、様々な洗剤が発表され続けています。時々チェックして、使ってみてください。


カビはまずは予防。それでもだめなら正しくお掃除を。

いつもなんとなくこすり落としていたカビ。

少し不安を感じながら使っていた漂白剤。


プロに教わることで安心して掃除ができますし、お掃除の頻度も減っていくかもしれません。


また「カビは予防が一番!」と大津先生を始め、多くのお掃除のプロが口を揃えて言います。


場所によって汚れ防止にはっ水スプレーをかけたり、常に換気をするなど、カビの発生条件を揃えないように気をつけることで、カビの発生を止めたり、遅らせることができます。


お掃除のプロの知識とコツを、気持ちよいおうちづくりに役立ててくださいね。


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出典:写真AC