家庭内の除菌にはエタノールがおススメ
食中毒やカビ、ウイルス性の風邪など、目に見えない細菌による健康被害は1年を通して気になります。
特に食べ物があるキッチンの除菌はしっかりしたいところ。
そこで有効なのが掃除の仕上げのエタノール除菌です。
ポイントをお掃除のプロ大津たまみ先生に教わりました。
エタノールの選び方

除菌効果があるエタノールは、薬局等で手に入る「無水エタノール」や「消毒用エタノール」がおすすめです。
2つの違いはアルコールの濃度です。
無水エタノールはアルコール濃度99.5%ほど。
消毒用エタノールはアルコール濃度が80%前後のものです。
使い方

エタノールは揮発(きはつ)性が高い、つまり蒸発しやすいので、遮光性の高い瓶に小分けにすると使いやすいです。
除菌効果があるエタノールはアルコールの濃度が70~80%のものだといわれており、大津先生は80%前後の濃度のものを勧めています。
濃度が高い消毒用エタノールを使うか、無水エタノールを水で80%前後(エタノール8に対して水2の割合)に薄めて使うといいでしょう。
「無水エタノール」をそのまま使うと濃度が高すぎるため、菌を殺す前に蒸発してしまい、除菌に時間がかかります。
ただし、水が使えない電子機器周り(スマートフォンやパソコンのキーボード等)の掃除には有効ですので、そのままの濃度でお使いください。
パッケージがおしゃれなアルコールスプレーも市販されていますが、買う前にアルコールの濃度をチェックしてくださいね。
禁止項目があります
エタノールを使う際は下記の点に注意をしてください。
- 火気厳禁!引火性が強いので火のそばでは絶対に使わないでください
- フタをきちんと閉める
除菌アイテムとして使う
食べ物が集まるキッチンでは、気温が高くなると食中毒の危険と隣り合わせです。細菌の繁殖の怖さだけでなく、安心して使える除菌アイテムが求められます。
そこで、揮発性も高く、口にしてしまっても害があまりないエタノールが活躍します。

冷蔵庫に
直接食べ物をしまうということで、一番神経を尖らせるのは冷蔵庫です。
エタノールを使えば、除菌と汚れ落としが同時にできます。
調理道具に
調理中に雑菌が移る恐れがあります。
エタノールを身近に置いておき、こまめに除菌することで、危険を減らしましょう。

残念ながら、エタノールでの除菌にはあまり持続力がありません。
まな板や調理台などは調理の前後にこまめに除菌をする習慣をつけましょう。

大津さんが特に気をつけて欲しいと言うのが、包丁の付け根部分。
洗い残しがあったり、水がたまったりして雑菌が繁殖しやすいのだそうです。
雑菌が食材に移ってしまわないよう、調理前の除菌がおススメだそうです。

家族やお客様が触れる場所に
玄関のドアやドアノブ、トイレのドアは雑菌が付着しやすい上に、家族やお客様が触れる機会も多いです。
エタノールを拭きつけ、雑巾などで拭きましょう。エタノールには皮脂等の油分を溶かす効果もありますので、掃除にもなり一石二鳥です。

カビに
湿気がこもる押入れやクローゼットのカビにはエタノールがおススメです。
一般的な塩素系漂白剤を使うと、壁紙を傷めたり、漂白剤の成分
消臭アイテムとして使う

エタノールはニオイが気になるものに拭きつけると消臭効果があります。しかも無臭の上、揮発するので、匂いの元や雑菌は減らしますがアルコールの匂いも残しません。
衣類や寝具の除菌・消臭、生ゴミの消臭にも使えます。
使えない場所を確認しましょう
エタノールは場合によっては品質を変えたり素材を傷めてしまいますので、以下のものには使わないでください。
使えないもの
- ニスが塗られた家具
- 革製品
- スチール製品
- ワックスが塗られたもの
- 塗装されているもの
また、天然素材や表面に何らかの加工がされている物も、事前に目立たないところで試してからお使いください。
正しく知って、正しく除菌。
様々な菌に対して効果のあるエタノールですが、場合によっては効果が薄い場合があります。
特に冬場に流行するノロウイルス等一部のウイルスにはエタノールへの耐性が強いものもあります。ウイルスに応じた除菌方法、もしくはエタノールでの2度拭き等で対応するようにしましう。
