掃除のプロの、ナチュラル洗剤「重曹」の使い方。
ナチュラルなお掃除、エコ掃除に欠かせない「重曹(じゅうそう)」。
手軽でコスパも良く、ナチュラルで安心。もうすっかりおなじみですね。
水に溶かして使われている方が多いと思いますが、重曹にはもっとお掃除をラクにする使い方がいろいろあります。
掃除と収納のプロとして重曹でたくさんの家をキレイにしてきた大津たまみ先生に、重曹を使った掃除の基本と応用を教わります。
そもそも重曹って?
「重曹」の正式名称は「重炭酸曹達(じゅうたんさんソーダ)」。
成分は炭酸水素ナトリウムで、弱アルカリ性です。
純度が高い順に「薬用」「食用」「工業用」の3種類に分かれています。
「工業用」は低価格で容量も多いですが、手が荒れやすいそうで、大津先生は毎日のお掃除には「食用」クラスをおススメしています。
これなら小さいお子さんが誤って口にしてしまっても安心です。
保存は密閉できる容器に入れ、使用期限がわかるようにしておきましょう。
重曹水の作り方・使い方
まずは重曹掃除の基本、重曹水の作り方です。
< 用意するもの >
- 水(もしくは42℃前後のお湯)… 100ml
- 重曹 … 小さじ1
- スプレーボトル
< 作り方 >
スプレーボトルに水を入れ、重曹を入れ、フタをしてよくふり混ぜます。
※より清掃効果を高めたいときはお湯を使って溶かしてください。
重曹水は一度に使い切れる量だけを作りましょう。
水は腐ります。
腐った重曹水を使っていては家中を汚しているようなものです。
また、一度に水に溶ける重曹の量は決まっています。
溶け残った重曹は汚れの原因にもなりますので、必ず量を守って作りましょう。
弱アルカリ性の重曹水は、皮脂汚れや油汚れなど酸性の汚れを落とすのに最適です。
使う際は、汚れに吹きかけ、水でぬらした布でこすり落とします。
使える場所は、作業台等のキッチンまわり、冷蔵庫の中、プラスチック製品、コーティングされた家具、キッチンやお風呂場の排水口まわり等です。
重曹水を使って掃除をした場所には重曹の成分が白く残るため、最後に必ず水拭きをしてください。
使ってはいけない場所があります!
万能洗剤のように思われている重曹水ですが、使ってはいけない場所があります。
畳を始め、天然素材のものには使わないでください。
重曹はアルカリ性です。
い草の天然成分を黄ばませる性質があり、黒い斑点になって落ちない汚れになってしまいます。
他にも、天然素材の物を傷める恐れがありますので、それらの物には使わないでください。
じゅうたんやラグ等の布製品に吹き付けると繊維の中に重曹成分が残ってしまいますので、粉のまま上からふり掛けて汚れを吸着させ、掃除機で吸い取ってください。
また、トイレやお風呂など、水周りの掃除には効果がありません。
水まわりには弱酸性の洗剤を使ってください。
お掃除のプロの重曹使いをマスター
お掃除と収納のプロ大津たまみ先生の、水に溶かす以外の重曹の使い方をご紹介します。
プロの重曹使い1:粉のまま使う
粒子が細かいので「研磨剤」として、粉状のまま使います。
スポンジやメラミンスポンジの上にふりかけ、そのままシンクのカビ汚れ、食器類の茶渋、こびりつきなどをこすって落とします。
また、キッチンの排水口に振りかければ、あのイヤなぬめりを溶かしてくれます。
大津先生のもう一つのおススメは「入浴剤」。
お湯がなめらかになり、肌もツルツルになるそう。
入浴後にそのまま浴そうの掃除もでき、お湯を落とす時は排水口の掃除もしてくれて1石3鳥!
使用量の目安はお湯200リットルに対して大さじ2~3杯。
週に1回くらいが良いそうです。
肌に触れるので、この時は「薬用」の重曹を使ってくださいね。
また、肌が弱い方は量を調整してお使いください。
プロの重曹使い2:ペーストにして使う
重曹に少量の水を加えてペーストにし、頑固な汚れを浮かして落とします。
< 用意するもの >
- 重曹 … 大さじ2
- 水(もしくは42℃前後のお湯)… 大さじ1
< 作り方 >
小さな器に重曹を入れ、水(もしくはお湯)を加え、よく混ぜます。
かなりもったりとしたペーストになりました。
キッチンのこびりついた調味料や油汚れ等、ちょっと頑固な汚れがある場合、汚れの上にペーストを乗せてしばらく置き、汚れが浮いてきたらキッチンペーパーなどで拭き取ります。
その後は水拭きをしてください。
※アルミなど、アルカリ性のものに長時間接触することで変質する恐れがあるものには使わないでください。
※使い終わった重曹ペーストは水を足してゆるめてから排水口に流してください。
重曹を使う時のプロからのアドバイス
重曹を使う際は、掃除をした場所に重曹が残らないように仕上げの水拭きや吸い取りをしっかりすること、スプレーやペーストを作る場合は必ず使い切る量で作ることが大切です。
最後に、大津先生からもう一つ、おススメの使い方をご紹介します。
重曹には脱臭・脱湿効果もあるので、靴箱の中に入れておくのもおススメなのだそうです。
更に、ミントなどのアロマオイルを垂らすと開けた時にさわやかな香りが広がります。
かわいらしいボトルなどに入れて、靴箱のワンポイントにしてみてくださいね。