エコ掃除の方法を基本から紹介します!

すっかりおなじみになったエコ掃除。
「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」「クエン酸」といったナチュラルクリーニング用の洗剤が欠かせませんが、それぞれの使い方や使い分けがわからないという人も多いよう。
お掃除のプロ、大津たまみ先生に教わります。
汚れってどうして落ちるの?その仕組みは?

クエン酸、セスキ炭酸ソーダ、重曹はよく似た白い粉末ですが、異なる性質を持ち、落とせる汚れも異なります。
汚れが落ちるのは、汚れと反対の性質を持つ洗剤を使うことで化学反応を起こし、汚れを中和させるから。
洗剤の性質を知ることで汚れを落としやすい洗剤を選び、掃除がラクになります。

今回、洗剤の性質を知るためにそれぞれ掃除用の濃度の水溶液を作り、pH試験紙を浸しました。
「酸性」「中性」「アルカリ性」などの性質(液性)に応じて試験紙が変色します。
クエン酸は「弱酸性」を示すオレンジになり、重曹とセスキ炭酸ソーダは「アルカリ性」を示す青になりました。
セスキ水のほうが色が濃く、アルカリ性が強いことがわかります。
使う場所を正しく知りたい。並べてみた。
大津先生が「どんな汚れを落とす洗剤かは、いつも使っている洗剤と比べてみるとわかりやすいですよ」と目安を作ってくれました。
家庭で使われている代表的な合成洗剤を液性に沿って並べます。

トイレなどの汚れに使う洗剤は「酸性」
食器等を洗う時に使う台所用洗剤は「中性」
キッチンのがんこな油汚れに使うのは「アルカリ性」
端に行くほど性質が強く、頑固な汚れも落としやすくなりますが、掃除場所や体への負荷も大きくなります。

このpH値順にナチュラル洗剤を並べるとこのようになります。
普段使っている洗剤と並べることで、どこに使うといいかがわかります。
クエン酸の使い方、注意点

効果のある汚れ
クエン酸は「弱酸性」で、アルカリ性の汚れを落とします。
トイレやシンクにこびりついた水あかや白いカルキ汚れ等をスッキリ落とします。
使い方
水、もしくはお湯100mlにクエン酸小さじ1/2を溶かし、クエン酸水を作ります。
スプレーボトルに入れて拭き掃除をし、最後に水拭きをします。
使用上の注意
アルミ等サビやすい金属や天然の大理石には使わないでください。
重曹の使い方、注意点

効果のある汚れ
重曹は「ごく弱いアルカリ性」で、油汚れのような酸性の汚れを落とします。
キッチンの油汚れ、調味料汚れ、シンクの中等の油汚れが混じっていると思われる場所、ドアノブや壁等の手あかがついている場所に効果的です。
使い方
水、もしくはお湯100mlに重曹小さじ1を溶かし、重曹水を作ります。
スプレーボトルに入れて拭き掃除をし、重曹が残らないよう水拭きをします。
重曹は粉末の状態では研磨剤にもなります。
直接スポンジにつけて茶渋等の汚れを落とします。
使ってはいけない場所
畳や麻、木などの天然素材を使った場所や物には使わないでください。素材を傷め、変質する恐れがあります。
セスキ炭酸ソーダの使い方、注意点

効果のある汚れ
セスキ炭酸ソーダは「弱アルカリ性」で、重曹と同じく酸性の汚れを落としますが、重曹よりもアルカリ性が強く、汚れを落とす力も強いです。
キッチン、特にゴトクのようにガンコな油汚れにおススメです。
使い方
水、もしくはお湯100mlにセスキ炭酸ソーダ小さじ1/2を溶かし、セスキ水を作ります。
スプレーボトルに入れ、布で拭いたりやブラシ等を使ってこすり落とします。
仕上げに水拭きや水洗いをします。
使用上の注意
天然素材には使わないでください。素材を傷め、変質する恐れがあります。
重曹よりもアルカリ性が高いため、肌が荒れやすいです。必ず手袋をしましょう。
※重曹に比べてアルカリ度が高いため、素材を傷めたり体に影響が出る可能性が高くなります。油汚れ全般には重曹水を使い、ガンコな汚れにはセスキ水を使うなどの使い分けがおススメです。
詳しくはこちらをご参照ください。
正しく使って手軽にナチュラルでエコなお掃除を。
エコ掃除、ナチュラルクリーニングは環境に優しく手軽で幅広く支持されています。
使い方を守って、正しい場所で取り入れてみてください。
作った洗剤は必ず1回で使いきるようにしてください。
水やお湯を使っているので、作りおきすると洗剤が腐り、掃除場所を傷つけたりカビやすくなったりします。
正しく知って、自分にも地球にも優しい掃除をしていきましょう。

出典:写真AC