お風呂場のカビ取りや洗濯物の汚れ落としに使う「漂白剤」。
気軽に使っていますが、正しく使わないと体に害になることをご存知ですか?
お掃除のプロとして10,000件以上の現場経験がある大津たまみ先生は、危険を減らすために使い分けをしてきたそうです。
今回はその経験から漂白剤を安全に使う方法を教わります。
漂白剤は「塩素系」と「酸素系」の2種類があります。
漂白剤には「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」の2種類があります。
ツーンとした独特のニオイがあるのが「塩素系漂白剤」。
漂白や除菌の効果が高く、値段も手ごろで、広く使われています。
お掃除のプロならさぞ強力な漂白剤を使っているのだろうと大津先生に伺うと、塩素系などの強い洗剤はあまり使わないそうです。
「塩素系は確かに漂白をする力は強いですが、その分漂白するものや体への負担が大きいのです。私は汚れがひどいもの、すぐに落としたいものにだけ塩素系を使い、通常は酸素系漂白剤を使います。」
塩素系漂白剤の使い方
塩素系漂白剤の主な成分は「次亜塩素酸(じあえんそさん)ナトリウム」。
漂白や除菌の効果が高く、即効性もありますが、強アルカリ性でたんぱく質を溶かすため、皮膚につくと炎症が起きたり、粘膜に刺激を与えて目やのどが痛くなったりします。
塩素系漂白剤を使う時は、プロでもこのような装備が欠かせません。
ゴーグルタイプのメガネで目を、マスクで鼻とのどを、ゴム手袋で手を守ります。
使用量や場所は書かれているパッケージに従います。
汚れが気になるものをつけ置きしたり、拭いたりして、なるべく短時間で作業をします。
※使用中は必ず換気を行ってください。
使ってはいけないもの
衣類や壁紙などに使うと色や柄が落ちる恐れがあります。
そのような場所では、塩素系漂白剤ではなく、酸素系漂白剤を使ってください。
「まぜるな危険」の理由
洗剤には「まぜるな危険」と大きく書いてある物が多いです。
これは、塩素系の洗剤と酸素系の洗剤等が混ざると有毒な塩素ガスが発生するためです。
混ぜる意図がなくても、排水口などに別の洗剤が残っていると自然に混ざってしまう可能性があり、危険です。
使用する際は十分に注意してください。
酸素系漂白剤の使い方
大津先生が通常使うのは「酸素系漂白剤」です。
汚れが落ちないのでは?と聞くと
「健康とカビとどっちが大事でしょう?汚れを落とす方法はいろいろあります。健康を害してまでお掃除をする必要はないんですよ」とのお答え。
一度考えてみてくださいね。
酸素系漂白剤の主な成分は、粉末の物は「過炭酸ナトリウム」、衣類用など液体の物は「過酸化水素」です。
どちらも匂いもなく安心して使えますが、効果が穏やかなので、つけ置きやパックにして時間をかけて浸透させ、漂白します。
使用量や場所はパッケージに従います。
粉末状のものは水に溶かして使いますが、ぬるま湯だとより効果的です。
酸素系漂白剤は、衣類の色や柄を落とさずに漂白ができます。
汚れのひどい部分は予め漂白剤を塗ってからつけ置きをし、その後他の衣類と洗います。
また、洗濯後の衣類のニオイが気になる時に、洗濯洗剤と一緒に酸素系漂白剤を入れると、除菌効果でニオイ防止になります。
家の中でカビを見つけたら。
お風呂場でカビを見つけるとつい塩素系漂白剤で撃退したくなりますが、それは最後の手段。
まずはシャワーを流しながらカビを洗い落とし、毎日のお風呂の後にカビのエサとなる石けんカスや皮脂等をしっかり洗い流します。
その後換気をすればカビは広がりにくくなります。
また、湿気がこもる押入れのカビに塩素系漂白剤を使うと、壁紙を傷めたり、漂白剤の成分が残る危険性があります。
カビには薬局等で手に入る消毒用のエタノールが効果的なので、こちらを使ってください。
体に悪いものをなるべく避けて、安全にお掃除ができる方法を探してみてくださいね。