家事のプロのシミ抜きの方法はどう違う?
うっかりついてしまった服のシミ。
自分でシミ抜きをしようとしてもなかなか落ちず、クリーニングに出すとお金がかかり生地も傷みます。
あきらめてしまいがちですが、家事のプロ大津たまみ先生は言います。
「シミ抜きは対応が早ければ早いほど効果があります。
1分1秒でも早く、正しい方法で落としましょう。
あきらめてはいけません!」
ただし、最初の処置を間違えると落ちるものも落ちなくなってしまうそう。
大津先生に正しいシミ抜きの方法を教わりました。
シミ抜きの前にシミを見分ける
シミ抜きをする前に大事なのがシミを見分けること。
シミの種類によってシミ抜きの方法が変わるからです。
シミには3種類あります。
「水性」「油性」「不溶性」です。
「水性のシミは水で、油性のシミは油で落とすのが鉄則です」と大津先生。
水性のシミ
水性のシミは水に溶けるシミです。
緑茶や紅茶、コーヒー、ジュースなどのドリンク類、しょうゆ、ポン酢、みそ汁などの調味料、ビール、ウィスキー等のアルコール類によるシミです。
これらは基本的には水で落ちます。
汚してしまったら、まずはティッシュや乾いた布でつまむようにして取り除きます。
水でぬらした布で拭くと汚れが繊維の奥に入り込んでしまうのでやめましょう。
その後、できるだけ早く水で洗い落とし、いつものように洗濯をすれば大丈夫。
水で落ちなかった場合はシミの裏にタオルを当て、台所用洗剤をしみませた綿棒で叩いてシミをタオルに移します。
その後、普通に洗濯をします。
油性のシミ
油が入ったものでできたシミは油性のシミです。
油性のシミの例としてはサラダ油などの食用油類、ラーメンのスープ、天ぷらそばのつゆ、油性ボールペン、口紅などです。
油性のシミは同類の油を使って落とします。
メイク用のクレンジングオイルがおすすめです。
これを綿棒にしみこませて落とします。
シミの裏にタオルを置き、クレンジングオイルをしみこませた綿棒でトントンと叩くようにします。
タオルを移動させながらシミを移していきます。
その後いつものように洗濯をします。
※色や柄がある洋服にシミがついた場合は、必ず目立たないところで色落ちがしないかチェックをしてから行ってください。
不溶性のシミ
泥汚れなど固形物が混じったシミは不溶性のシミです。
汚れが水にも油にも溶けないものです。
このシミはまず固形物を取り除きます。
汚れが乾くのを待って手でもんだり古歯ブラシでたたいたりしてできる限り汚れを落とします。
次に洗濯用の固形石鹸をしっかり塗りつけ、通常通りの洗濯をします。
プロ考案の洗剤なら残ったシミも撃退!
応急処置で落としきれなかったシミはもう手遅れでしょうか?
クリーニングに出すか、いっそのことあきらめるか…。
そんな時にうふふと笑った大津先生。
「落ちなかったシミには最終兵器があるんですよ!
家庭にあるものを組み合わせて『特別なシミ抜き用洗剤』が作れるんです。
これなら、あきらめたくなるようなシミもある程度落ちちゃうんです」
そんな魔法のようなシミ抜き用洗剤の作り方を教わります。
用意するもの
- 酸素系漂白剤(液体) 大さじ1
- 重曹 小さじ1
- 食器洗い用の中性洗剤 2~3滴
すべてをあわせて軽く混ぜれば完成です。
中性洗剤を入れるので泡が立ちます。
これをシミ部分に上の洗剤を塗り、もみ洗いをします。
その後水ですすぎ、通常通りに洗濯をします。
※すすぎは必ず水で行ってください。皮脂や血液等たんぱく質を含む汚れは温度が高いと固まってしまい、落ちにくくなってしまいます。
この洗剤を使ってシミ抜きをした効果はご覧の通りです。
信じられないかもしれませんが、汚れが付いてすぐこの「特別な洗剤」を使ったところ、シミなんてなかったかのようにキレイに落ちました。
大津先生は次のようにアドバイス。
「これは汚れが付いてすぐに洗ったからこれだけキレイに落ちたんです。
シミ抜きはとにかく時間が勝負です。
シミを見つけたらすぐに落としてください」
カレーやトマトソース、揚げ物のシミ、油性ペン等、油分だけではないシミにもこの洗剤が有効です。
完全に落ちるわけではありませんが、早目の対応である程度落とすことができるとのことです。
そのシミ、あきらめないで!
シミは1秒でも早く落とすのが鉄則です。
とはいえ、外出先ではすぐに洗うというわけにもいきません。
そんな時大津先生は、市販のシミ抜き用洗剤の使用を勧めています。
「最近のシミ抜き用の洗剤は優秀で、水性・油性両方のシミに対応したシミ抜き用の洗剤が売っています。出先でも購入して応急措置をしましょう」
応急処置でも落ちにくかったものは家事のプロが考案したシミ抜き用洗剤で落としましょう。
お気に入りの服を長く着られますし、クリーニング代も浮きます。
シミを見つけたら即対処! 心がけてくださいね。