洗濯の基本と落ちにくい汚れの落とし方。”しまい洗い”にもなる洗濯方法を教わる。

シミや汚れの元をしっかり落とす洗濯方法。

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出典:写真AC

衣替えで見覚えのないシミや汚れを発見されたこと、ありますよね。

その原因のひとつは前のシーズンに洗濯で落としきれなかった汚れです。

汗汚れや皮脂汚れは黄ばみや輪じみになって残りますし、襟元についた日焼け止めやファンデーション、子ども服の泥汚れも落ちにくい汚れなので、ちゃんと洗濯をしないと残ってしまいます。

 

でも、これらの汚れには難しい洗濯をする必要はなく、基本の洗濯に部分洗いをプラスすればたいてい落ちるのだそう。

その部分洗いの方法と洗濯の基本を教えてくれるのは、掃除のプロで、洗濯について独自で学びを重ねている竹内政子先生。

衣替え前の”しまい洗い”にもなりますので、ぜひお試しください。

落ちにくい汚れの洗濯方法。


汗じみや皮脂汚れの落とし方。


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出典:写真AC

夏は汗汚れや皮脂汚れが特に気になります。

服についた汚れを元から洗濯できていないと、次のシーズンに黄ばみや輪じみになっている可能性があります。

最初に汗や皮脂の汚れの洗濯方法をご紹介します。


まず、汗を吸った服はできるだけその日のうちに洗濯をしましょう。

無理な場合は、せめてハンガーにかけて汗を蒸発させましょう。


皮脂汚れやひどい汗汚れは、洗濯の前に部分洗いをします。


使うのは洗濯用の中性洗剤。

歯ブラシにつけ、汚れている部分を優しくこすります。強くこすったりもみすぎると繊維を傷めるので、あくまで優しく、トントンとして落とします。


その後40℃くらいのお湯ですすぎ、いつも通りの洗濯をします。

市販の襟袖部分洗い用の洗剤を使うのも良いそうです。


汚れが落ちない場合は酸素系漂白剤を使います。

 

バケツに服の洗濯表示通りの温度の湯を入れ、湯量に合った酸素系漂白剤を溶かします。

そこに30分~1時間ほど服を浸けおきます。

その後はいつも通りに洗濯機で洗います。

 

一度で汚れが落ちない場合やすでに黄じみになってしまった服は、酸素系漂白剤につけ置きをしてから洗濯をする方法を1~2回繰り返してみましょう。

それでも落ちなければ、洗濯のプロ、クリーニング店に相談を。

 

※色柄物の衣類に酸素系漂白剤を使う時は、念のため目立たない所で色落ちしないか確認をしてください。

※肌が弱い方はゴム手袋をして行ってください。


日焼け止めやファンデーションの汚れの落とし方。

服の首元や襟元についてしまった日焼け止めやファンデーションも落ちにくい汚れです。

 

これらは油性の汚れ。

時間が経つと変色の原因になりますので、なるべく早めに部分洗いをして落としましょう。

使うのはクレンジングオイルです。

 

歯ブラシにクレンジングオイルをつけ、汚れた部分をトントンと優しく叩きながらなじませます。

 

その後、洗濯用の中性洗剤(もしくは食器用洗剤)を使って、40℃くらいのお湯の中で軽くもみ洗いをしてオイルを落とします。

すすいだ後はいつも通りに洗濯をすれば完了です。



泥汚れの落とし方。


元気に泥遊びをした子どもの靴下や服についた泥汚れも、時間が経つとしみこんで落ちにくくなります。

 

竹内先生が洗濯のプロに聞いたところ、泥汚れはまず乾かすことが肝心とのこと。

慌てて水洗いをしてしまうと、汚れが繊維の中にどんどん入りこんでしまいます。水気を乾燥させて泥を砂に変えてから、ブラシ等で払い落とします。


その後、部分洗いをします。

40℃くらいの湯をバケツに入れ、洗濯用の粉末洗剤を溶かし、1時間ほど浸けおきします。

粉末洗剤は液体洗剤よりもアルカリ度が高く、皮脂汚れ等を落としやすいため、竹内先生はよく粉末洗剤を使うそうです。

浸けおきが終わったら汚れている部分に固形の洗濯石けんを塗ってこすり洗いをします。

 

靴下の汚れを早く落とすには靴下を両手にはめて汚れ同士をこすり合わせるのが竹内先生の裏ワザだそう。

ぜひお試しください。

 

この後はぬるま湯ですすぎ、洗濯機でいつも通り洗います。

洗濯の基本をおさらい。

 

洗濯は基本を守って行うとそれだけでちゃんと汚れが落ちるんです、と言う竹内先生。

夏の日に吸った汗汚れ程度なら、通常の洗濯で充分きれいになるのだそう。

服の汚れをきれいに落とすために、洗濯の基本を5つおさらいしましょう。

 ①「洗濯表示」をチェック。


洗濯前には必ず「洗濯表示」をチェックし、家庭で洗える物とクリーニングに出す物とに分けましょう。

クリーニングに出す物には「商業クリーニング処理記号」(丸で囲まれている物)が表記されています。

 

竹内先生は洗濯表示の一覧を洗濯機の横に貼って、すぐに確認ができるようにしています。

「新しい洗濯表示」の一覧は消費者庁や経済産業省のホームページからダウンロードが可能です。


②服は分けて洗濯する。


家で洗う場合でも、洗濯物は分けて洗いましょう。

分け方は、白い物・色柄物・デリケートな物・部分的に手洗いが必要な物等です。



③1回に洗う量を守る。

 

すき間がもったいなくて、洗濯槽がいっぱいの状態で洗濯をしたくなりますが、ちょっと待ってください。

 

「1回に洗う量は洗濯槽に対して7~8割が目安です。」

 

竹内先生がご自宅の洗濯機で実際に適正量を見せてくださいました。

 

洗濯物が多すぎると水や洗剤が十分に行き渡らず、洗いムラができ、汚れが落ちない事がありますし、粉末洗剤の溶け残りの原因にもなります。

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洗濯槽の7~8割はこれくらい。

また、洗う前の服を洗濯槽に入れている方は要注意です。

洗濯槽の中は通気性が悪く、洗濯物の汚れを栄養にして雑菌が繁殖しニオイやカビが発生しやすくなっています。その汚れが洗濯物に移ると汚れや傷みの原因になります。

通気性の良いランドリーバスケットに入れたり、濡れた物はあらかじめ乾かしてから入れるようにしましょう。


④服にもひと工夫。


服は汚れている面を表にして洗うのが基本です。

汗や皮脂は服の内側につくことが多いので、裏返して洗いましょう。

洗濯ネットに入れると傷みにくいだけでなく、汚れもよく落ちます。

 

ファスナーやホック・ボタンは留め、汚れの目立つところが外側にくるようにしてたたみ、洗濯ネットに入れます。

毛玉ができやすいニット、ビーズや装飾がある物、色落ちするデニム等も裏返してたたんでから洗濯ネットへ。

 

大事なのはネットのサイズ。

竹内先生の検証によると、洗濯ネットにぴったり入るようにたたんで、1~2着ずつ入れるのがベストだそう。

詰め込みすぎると汚れ落ちが悪くなるので、気をつけましょう。

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出典:写真AC

⑤干し方のコツ。


早く乾くからと、真夏日に直射日光が当たる屋外に干していませんか?

生地によっては強すぎる紫外線で傷んだり、色落ちの可能性があります。

洗濯表示を見て陰干し表記があるものは陰干しをしましょう。

 

また、干す時にはしっかり振りさばくと、水分を落とし、シワも伸びてたたみやすくなります。 

お気に入りの服は適切な方法で洗濯をすれば、次のシーズンも気持ち良く着ることができます。

 

ただし、服によっては家庭で洗濯をしない方が良い物もあります。

高価な服、カシミヤのようなデリケートな素材の服、スーツ、革や毛皮等はクリーニング店や専門店にお願いした方が安心でしょう。

 

お気に入りの服は洗濯表示をよく見て、洗濯の基本を守って洗ってくださいね。