この先も安心して暮らすために。シニア世代に快適なキッチンの作り方を収納のプロと考えます。

その不安の原因は、年齢ではなく住環境です。

日々の暮らしで次のようなことを感じたことはありませんか。


・つまずきやすくなった

・立ったり座ったりするのがつらい

・物を探すのに時間がかかるようになった

・使いづらいと感じる収納場所が増えた

・家電や照明のスイッチの操作が難しく感じる

・夜間の移動が怖い

・体調の急変が不安

・離れて暮らす家族から心配されている


これらは、訪問介護員2級(旧:ホームヘルパー2級)とガイドヘルパー(移動介護従事者)の資格を持つ大津たまみ先生が考える「年を重ねて感じる“できないこと”」のリストです。

これを見て「やっぱりもう年だから」と思うのは、ちょっと待ってください。

大津先生は言います。

「年を重ねると『できないことが増えてきた』と感じることがあります。

この不安の原因の多くは、身体の変化よりも住まいの環境が合わなくなっていることにあります。先の質問も、環境による負担から生まれています。

残念ながら、このような小さな不安は、積み重なると本来その人が“できること”を手放して“できないこと”に変えてしまうことがあります」

この先も安心して暮らすために。シニア世代に快適なキッチンの作り方を収納のプロと考えます。

出典:写真AC

大津先生は、掃除や片付け、生前整理のプロとして多くのシニア世代の家庭にも携わってきました。

そこで、住環境を体に合わせて少し整えるだけで、不安が減り、その人の“できること”が取り戻されるのを数多く見てきました。

シニア世代が健康的で自立した暮らしを続けるには、住環境が安全であることが大事ですが、それと同じくらい“自分でできる”という達成感や満足感が大切だと痛感したと言います。


今回は大津先生の経験から、これから先も安心して暮らすための住環境の整え方のポイントを教わります。

安心な暮らしを支える住環境の作り方、5つのポイント


大津先生はシニア世代が抱えがちな暮らしの中の不安のうち、次の5点は環境を整えることで解決できると言います。


・小さな段差でのつまずき

→ 通路等の動線を整える


・見えづらい場所の探し物の増加/高い場所や低い場所にある収納の使いにくさ

→見やすく取りやすい場所に収納する


・扱いにくい家具や道具が増える

→力を使わずにできる物・使える物を増やす/安心して使える火まわりや道具を選ぶ


・夜間の移動や一人の時間の不安

→見守りの方法を工夫する


それぞれの要素を、キッチンを例に考えてみましょう。

① 動線を整えて歩きやすく

つまずきやすくなったり、足元に不安を覚えたら、まず見直すのは暮らしの中の動線です。

キッチンには危険を伴う物も多くありますので、通路を広く確保し、床に物を置きすぎないようしたり、家具の配置を見直して、でっぱり等を減らしたりしましょう。

これだけで動きやすくなり、つまずきや転倒の危険を減らすことができます。

キッチンを始め、家の中にある段差をなくし、扉をスムーズに動かせる引き戸にするのも有効です。

リフォームをされる機会に取り入れてみてください。


動線が整ってスムーズに動けるようになると、料理への心理的なハードルも下がっていきます。

② 収納を見やすく、手に取りやすいものに

キッチンの収納は、見つけやすいこと、取り出しやすいことが重要です。


マグカップや茶碗、皿等の食器や調理道具等、日々の調理や食事で使う物は、無理なく手が届く、肩から腰の高さ(床から75~135cmくらい)に揃えて置きましょう。

よく使う物ほど、すぐに手が届いて取りやすい場所に並べます。

食器は同じ物を重ねて、横に並べていきます。前後で2列以上になると取りにくくなるので、気を付けましょう。

これは食器棚に食器を並べる時も同様です。


他にも、処方された薬、ペンやメモ等、毎日キッチンで使う物をこの高さに置きましょう。

収納する物は「見える化」をします。

中が見える収納棚や透明なボックスに入れ、中の物を大きく書いてラベリングします。

一目で中身がわかるようにして、探し物を減らします。

 

低い位置には普段あまり使わないものを収納します。

また、踏み台が必要な高い場所には、よく使う物や重い物を収納するのは避けましょう。

取り出しやすいキッチンは片づけやすい、使いやすいキッチンにもなります。

③ 力を使わずに使える物を増やす

毎日の暮らしで使いにくさを感じるアイテムは少しずつ替えていきましょう。


重い鍋は軽い物に。(写真はリンナイの無水調理鍋「レジェロ」です)

小さかったり固かったりして操作がしづらく感じる照明のスイッチは、軽い力で簡単に操作できるものに付け替えを。

フタが固かったり開閉に力が必要な容器は、指や手をかける部分が大きく、素材がやわらかいものへ。


小さなことですが、ラクに使える物を選ぶことで、ストレスが減り、家事の負担も少なくなります。

④ 安心して使える火まわりや道具を選ぶ

キッチンは健康的な食生活を支える大切な場所です。

料理へのストレスを減らすために、安心して使える機器を選んだり、今使っている機器の便利な機能を積極的に使っていきましょう。

例えば、リンナイのガスコンロには下記のような便利で安心な機能がたくさん搭載されています。


・調理温度に合わせた安全機能

・消し忘れ消火機能

・立消え安全装置

・設定した時間で自動消火ができるタイマー


これらを活用することで、長く安心して調理ができるようになります。

⑤ 家族も安心できるように見守り方法を工夫

「できないことが増えた」と思っていると、不安も感じやすくなります。

特に家族と離れて暮らしている場合は、電話やSNS等でこまめに連絡を取り、交流を続けていきましょう。

繋がりが保たれ、お互いに不安が和らいでいきますよ、と大津先生はアドバイスします。

家族も安心できるように見守り方法を工夫

出典:写真AC

安心な暮らしのための設備選びの方法。

 

安心な暮らしは、上記のような工夫以外にも使いやすい設備や機器を積極的に取り入れることで、実現できることがあります。

大津先生は、シニア世代にも使いやすいように作られた、扱いやすく、機能が充実した設備や家電に目を向けます。

このような設備や家電を使うことは、家事をもう少しがんばってみようという前向きな気持ちを引き出してくれます。

選ぶ際は、次のような点に注目してみましょう。

・安全性が高いこと

・操作がシンプルにできること

・操作を誤ったり忘れた時でも安心できる見守り機能があること

 

例えば、掃除機では軽量で動かしやすかったり、自走式やごみを自動で捨てたりする物等があります。

エアコンも、自動のお手入れ機能がついている物が増えています。

そのほか、操作のタイミングを教えてくれる「音声対応付家電」は多くの企業で取り入れられています。

安心な暮らしのための設備選びの方法

出典:写真AC

特にキッチンで大津先生が注目するのが、リンナイのガスコンロ「セイフルプラス」です。


リンナイの「セイフルプラス」

リンナイの「セイフルプラス」

シニア世代のために生まれたビルトインコンロで、従来のガスコンロの安全機能に加えて、調理中の不安を解消する機能がたくさん搭載されています。


・鍋を置きやすい四角い大型ゴトク

・炎が見やすいバーナーまわりのパーツ

・聞き取りやすい音声による音声ガイダンス機能

・はっきりとした色使いで操作がしやすい点火ボタン

・LEDライトを搭載した見やすい点火スイッチ


シニア世代でも料理をする習慣がある方にとっては、自宅で調理をし続けられる環境が整っているのは重要だと大津先生は言います。

栄養バランスの取れた食事を作るだけでなく、料理好きな方にとっては暮らしにハリや楽しみを見出すことになります。

その際、使いやすい機器やなじみのある機器、安心して使える機器を選ぶと、火器の使用や料理への不安が軽減し、「また自分で作ってみよう」という気持ちが生まれますし、明るく前向きな暮らしへの後押しにもなってくれます。


使い慣れた設備を使い続けることも、これからの選択肢の一つにしてみてください。


「セイフルプラス」についてはこちらから

住まいを整えて、自分らしい暮らしを守っていく。

多くのシニア世代のお宅を見てきた大津先生は、住まいを整えることは、生活の安心と意欲を支える大切なケアであり、サポートであると考えます。


動線、収納、道具や設備。

暮らしに生じた不安をひとつずつ見直すことで、年を重ねても自宅での自立した生活を続けることが可能になります。

 

ご自分で、もしくはご家族や友人と一緒に、少しずつ工夫してご自身に合った環境を整えていくと、その人らしい生き方が実現できるようになります。

「できなくなった」と不安に感じることがあったら、違う視点で考えてみてくださいね。

住まいを整えて、自分らしい暮らしを守っていく

出典:写真AC

参考図書:「清掃収納生前整理アドバイザーが教える 高齢者の自立支援のお部屋作り」

一般社団法人 日本清掃収納協会

一般社団法人 生前整理普及協会