「マグネット収納」は片付けのプロも太鼓判の収納方法。
家具や壁等の金属面に磁石のついたアイテムをペタリと取りつけて収納に変身させる「マグネット収納」。
ユニークな物も多く市販され、インテリアとしての楽しみ方も広がっています。
「マグネット収納」は掃除と片付けのプロの大津たまみ先生も積極的に取り入れている収納方法。
大津先生はその理由を「物は使う場所に置いてあることで、初めてちゃんと使えるようになります。マグネット収納はその置き場所を自在に作れるので、物をちゃんと使って、ちゃんと戻せるようになります」と説明します。
今回は片付けのプロが実際に使っているマグネット収納と、プロならではのポイントをご紹介します。
片付けのプロがマグネット収納を愛する4つの理由。
① 既存のスペースを有効活用できる
マグネット収納の一番の利点は何といってもスペースが有効活用できること。
最もポピュラーな収納場所のひとつが冷蔵庫の壁面。
従来活用されていなかった空間を収納スペースとして活かせるようになります。
大津先生は、ここにラップ、アルミホイル、テーブルマットを立て、袋止めクリップ、輪ゴム、賞味期限などを記載するためのペン、ハンドクリーム、キッチンペーパー、キッチンバサミ、エプロン等をかけたり張りつけたりしています。
これらは大津先生が一日に何度も使う物ばかり。
毎回出して戻してという手間を考えると、使う場所の近くにマグネットで収納場所を作り、外に出ている状態の方が、家事の手間が減り、効率的で時短になります。
② 取り出しやすい場所に収納スペースを作れる
収納家具を置きにくい場所に収納場所を作れるのも、マグネット収納の利点です。
中でも、片付けのプロが重要視する「てきぱきスペース」に合った場所に収納を作れるのがポイントです。
「てきぱきスペース」とは大津先生が考える、人間工学的に物が取り出しやすくて戻しやすい場所のこと。
前を向いてまっすぐに立ち、視線を10cmほど上げた位置から腕を降ろした時の手首の位置までの高さで、その人の身長にもよりますが、床から75cm~135cmの60cmくらいの空間です。
使う頻度が高い物がこのエリアに集まっていると、出し入れがストレスなくスムーズにできると言われています。
洗面所はこまごまとした物を使う場所ですが、収納家具を置きにくい場所です。
大津先生は洗面台の隣の洗濯機の側面を利用し、「てきぱきスペース」にあたる位置にマグネット収納を作り、ゼロアクションで手に取れるようにしています。
置いてあるのは、洗顔時に使うヘアクリップやゴム、歯磨き関係のアイテム、掃除道具等です。
また、ティッシュや詰め替え用のパウチ等、細かいゴミが出やすい場所なので、小さなゴミ箱の裏にマグネットを貼ってお手製のマグネット収納にしています。
③ マグネットがつかない場所も収納スペースにできる
マグネットがつかない木材のような場所でも、マグネットシートを使うことで収納スペースにすることができます。
こちらは靴箱の中。
靴箱は大きな靴を置けるように手前のスペースにゆとりをもって作られていることが多いです。
このデッドスペースをスリッパ収納に活かします。
扉の裏に市販のタオルハンガーを応用してマグネット収納を作成しました。
扉にマグネットシートを貼り、タオルハンガーにもシートを張るだけ。これでスリッパ収納が完成しました。
収納したい物やスペースに応じてマグネットの位置や数を調整し、カスタマイズできることが利点です。
④ 部屋の印象がスッキリする
マグネット収納に適しているのは、使う頻度が多い物です。
これらはきちんと収納場所を決めてそこに戻さないと、使った場所に置きっぱなし、出しっぱなしになりがち。
マグネットで出し入れがしやすい壁面等に収納場所を作ることで、さっと取りだし、さっと戻すことができるようになります。
キッチンカウンターのように物が置きっぱなしにされがちな場所にも物が置かれることが減り、キッチン等室内の印象がスッキリと整います。
プロが教える、マグネット収納の注意点。
このように便利なマグネット収納ですが、片付けのプロが注意していることがあります。
1.耐荷重をチェック
マグネットの耐荷重を超える重い物を掛けると落下の危険があります。
使用前に耐荷重を確認し、適切な重さの物を収納するようにします。
2.磁気が影響する物には使わない
磁気が影響する物(クレジットカード、時計、電子機器等)は近づけないようにします。
3.サビに注意
洗面所のような湿気の多い環境でマグネットを使用すると、マグネットや張りつけている金属面にサビが発生する場合があります。
張りっぱなしになりがちなマグネット収納ですが、月に一度は外し、拭き掃除をして汚れがつかないようにしましょう。
収納は使いやすさと心地よさをバランスよく。
マグネット収納を上手く活用することで、効率的かつ機能的な収納空間を作ることができます。
ただ、どんな場所にもペタペタと張りつければいいわけでもありません。
片付けのプロのポイントは、家具等の正面ではなく横、側面につけること。
そして、リビングなどリラックスしたい場所には作らないこと。作ったとしても、視界には入りにくいところに作ります。
暮らしの中で特に目につく場所は避けるようにすれば、収納力もあり、見た目もスッキリの素敵な空間を作ることができます。
まずはお家の中で取りつけることができる場所を探しながら、何を収納したいか、インテリアとのバランスはどうかをチェックして、楽しみながら収納してみましょう。