クローゼットにはお気に入りの服だけを並べよう。
クローゼットは服でいっぱいなのに着る服がない。
そのいっぱいの服を整理して、悩まずに服を選べるようになったら嬉しくありませんか。

片付けのプロ讃岐峰子(さぬき みねこ)先生は、自分らしい服を迷わずにパッと選べて、片付けも簡単で、開けた瞬間に思わずうっとりとしてしまうような、自分が幸せになれるクローゼットを「うっとりクローゼット」と呼んでいます。
かつてストレスから500着の服を買い込んでしまった讃岐先生ですが、服を整理し、自分が幸せになれる服だけを集めた、この「うっとりクローゼット」を作りました。
そのクローゼット収納の方法を前後編でご紹介しています。
前編では服の整理方法、自分に合う服の選び方を紹介しました。
→服を迷わずに選べるクローゼット収納の方法(前編)―洋服の整理編。
後編は開けた瞬間にうっとりとなってしまう服の収納方法をご紹介します。
大切なのはストレスなく服を選べて、片づけもラクにできるような、自分がお気に入りのクローゼットにすること。
片付けが苦手な人におすすめの、とっても簡単な収納方法もご紹介します。
いつも着る服はハンガー収納で。
服はクローゼットひとつに集めて収納します。
讃岐先生は、いつも着ている服を1軍、いつか着る服を2軍と分けましたが、まずは1軍の服を収納します。

よく着る1軍の服は、出し入れがしやすく見やすいハンガー収納にします。
着るシーンごとに服をかけるエリアを分けると、より選びやすくなります。
例えば
①仕事や外出用のオフィシャルな服
②普段着やスポーツ用のカジュアルな服
③季節外や2軍の服
④冠婚葬祭用の服
のようにです。
讃岐先生は、コの字の形についているハンガーパイプの右側部分に仕事や外出用の服を集めてかけています。
合わせるインナー類も一緒にしてあります。

写真正面が讃岐先生のオフィシャルな服エリア。
クローゼットを開けた正面にはカジュアルな服を。
場所を分けてあるので、仕事に行く時はクローゼットの右側を、お出かけの時は正面を向けば、その日着ていく服一式を迷わずに選んで取り出せます。

ハンガーにかけられない1軍の小物、下着、ニット類はたたんで引き出しに収納します。

1軍の服に“うっとり”をプラスする方法。
お気に入りの服に、もっと“うっとり”するアイデアがあります。

讃岐先生厳選のうっとりハンガーたち
まずはハンガー。
お気に入りの物に変えると不思議と服も丁寧に扱うようになっていきます。
好きな色や形、滑り落ちないか等の機能性も含めて、お気に入りのハンガーを選んでみましょう。
また、服を並べる時は色がグラデーションになるように意識してみましょう。
服を見つけやすいだけでなく、自分に合う色の服が揃ってくると、並んでいるのを見るだけで幸せを感じてうっとりと眺めていたくなります。
今着ていない服は収納場所を変える。

シーズンオフの服やいつか着る予定の2軍の服、冠婚葬祭用の服等は1軍とは離して収納します。
讃岐先生は丈の長い2軍の服や冠婚葬祭用の服はクローゼットの左側、少し奥まったところにかけ、カバーで覆って目立たなくしています。
服はたたむとコンパクトになってたくさん収納できるので、2軍の服はたたんで引き出しに収納します。
シワにならない程度にギュギュっと入れています。
もちろん、この時もグラデーションを意識。
たたむのが得意ならたたんで立て、苦手なら平置きで収納しても良いです。


引き出しにも“うっとり”をプラス。
引き出し収納では引き出しの深さがポイント。
讃岐先生は高さが18センチ(深さは15センチ前後)の引き出しが一番使いやすいと考えます。
靴下や下着などがきちんと収まり、中で行方不明にならず、開けた時に美しく整列しているのが見られるからです。

小物の場所も作りましょう。
バッグや帽子などの小物などはボックスなどに入れ、クローゼットの普段あまり使わない場所に収めます。
讃岐先生の場合はクローゼットの上段。
ここには手放すかどうか判断に迷っている服も置いてあります。
こうして作ったクローゼットは衣替えのタイミングで見直し、1軍と2軍の仕分け、迷っている服の見直しをします。
讃岐先生の経験では、この見直しを数年続けると衣替え不要の厳選されたラインナップになり、毎朝幸せを感じながら、着たい服をパッと選べるようになるそうです。
片付けが苦手な人におすすめしたい収納方法。
きちんとした収納は苦手という方へ。
ご安心ください。「うっとりクローゼット」は片付けが得意でなくても作れます。
ここからは、片付けが苦手な人におすすめの、究極にラクでうっとりできる収納方法です。

出典:写真AC
服の収納で讃岐先生が大切だと考えるのが「服塚」を作らないこと。
洗濯をたたむのが面倒で床やソファに服の山、「服塚」ができていませんか。
一度できてしまった服塚はどんどん成長し、目にする度に「自分は片付けられない人間だ」と落ち込んでしまいがち。
でも、待ってください。
服が山になっているからというだけで落ち込む必要はありません。
服塚にならない、自分ができる収納方法を考えればいいのです。
クローゼットは人に見せる場所ではありません。
自分が不便を感じずに服が収納できていれば、多少乱雑であってもそれが正解。
ラクに収納ができて、見たときに幸せを感じられれば、それがあなたにとっての「うっとりクローゼット」なのです。
そのために、讃岐先生が提案する最もラクな片付け方が、ハンガーとカゴを使う方法です。
洗濯後は干したハンガーごとクローゼットへ。

洗濯をたたむのが面倒で服塚ができているのなら、たたまない方法にしましょう。
洗濯物はハンガーにかけて乾かした後、ハンガーごとクローゼットに移動させればOK。
この場合、ハンガーは洗濯物が干せるタイプの物を選びましょう。
すぐ使う物、しわになっても気にならない物はかごへ。

靴下、下着、部屋着など、毎日使う物、すぐ使う物はお気に入りのボックスやかごを3つほど用意して、その中に入れてしまいます。
使用後や洗濯後に丸めて放り込み、使う時はそこから出します。
これだけで散らかった印象がぐっと減ります。
入れ物が3つ以上になるとごちゃごちゃの原因になるので、数を限って、入れる物に合わせて大きさや高さが違う物を用意して使いましょう。
讃岐先生はお気に入りのバッグに、季節の小物や洗濯ネットなどを入れ、壁にかけています。
入れ方が多少ざっくりでも、目に入るカゴやバッグがお気に入りならそれだけで嬉しくなりますよ。

これはクローゼットの中の収納にも言えます。
讃岐先生はよく使う普段使いの綿パンツは、引き出しの上に置いたカゴに丸めて入れています。
自分がわかりやすくて手に取りやすいのなら、それが正解なのです。

ゆっくりと楽しみながらクローゼットを育てませんか。

讃岐先生は「クローゼットを育てる」と表現します。
自分にぴったりのクローゼットは1日では作れません。
自分に合わない服を減らし、合う服を増やし、年月をかけて完成させていくものです。
讃岐先生も片付けを学び、季節ごとに服の整理を続け、3~4年かけて今のうっとりクローゼット、今の自分にたどり着きました。
でも、その過程は辛くはなかったと言います。
なぜなら、自分の中にある「変わりたい」という種を見つめて、育てていたから。
「服は捨てなくては」「○○のようにならなくては」という価値観に自分を当てはめる日々は辛かったですが、自分の中の「服が好き」「こうなりたい」という思いに目を向けて、種に水をやって育てるようにして片付けていくのは、自然でラクだったそう。
時間をかけて、自分の未来に期待しながら、クローゼットを育てていくことは楽しいこと。
クローゼットに自分のための服を入れ、楽しく変化しながら、自分の人生を作っていってほしいと讃岐先生は言います。
あなたも自分のための、幸せと癒しのクローゼットを育ててみませんか。