自分らしい服を迷わずに選べる「うっとりクローゼット」を作ろう。
クローゼットは服でいっぱいなのに、着る服がない。
服が片付かない、気に入って買ったはずなのに着ていても楽しくない。
今回ご紹介するのは、そんなお悩みを解決する「うっとりクローゼット」の作り方です。
自分らしい服を迷わずにパッと選べて、片付けも簡単で、見ているとうっとりとなる、幸せと癒しのクローゼットです。
こちらが作り方を教えてくれる片付けのプロ、讃岐峰子(さぬき みねこ)先生のクローゼット。
讃岐先生は、服やインテリアが大好き。
でもかつては500着以上の服に囲まれて途方に暮れていた時代がありました。
そんな讃岐先生が毎日楽しくおしゃれができて笑顔で過ごせるようになったのは、服の整理を続けてこの「うっとりクローゼット」にたどり着いたから。
「服は多くてもいいし、少なくてもいいんです。無理に手放す必要はありません。それよりも、好きな服だけがかかったクローゼットが作れれば、毎日楽しく過ごせるようになってちょっと人生が変わっていきます。私もマイナスの状態からスタートでしたから、大丈夫ですよ!」と言う讃岐先生。
服が大好きだけど、困っているあなた。
讃岐先生と一緒に「うっとりクローゼット」を作りませんか。
今回は前編。まずは服の整理を始めましょう。
服の整理を始める前に自分を知りましょう。
讃岐先生が服の整理を始める前にしてほしい一番大切なことは、今の自分を知ることです。
服がたくさんあるのに「着る服がない」「着ていても楽しくない」と思ってしまうのは、クローゼットの中と今の自分が合っていないからです。
まずは自分を客観的に見て、自分にどんな服が似合って、どんな服が似合わないか、どんな服が必要で、どんな服を手放した方がいいか、その傾向を知りましょう。
①自分を知ろう
今の自分を「内」と「外」の両面から分析してみましょう。
「内」は自分の体形、顔色、気分、体調など、自分自身のこと。
好きな色を書き出したり、以前似合ってると言われた服を思い出してみましょう。
「外」は自分の役割、季節、土地柄など、自分の社会的な要素のこと。
役割とクローゼットにある服の割合が一致していると、悩まずに服が選べるようになります。
例えば、自分の毎日が仕事と母親業と自分の時間で構成されていて、その割合が6:3:1なら、クローゼットも仕事着が6、母として過ごす時の服が3、自分のための服が1であるのが理想なのです。
あなたの毎日はどんな要素で構成されていますか?
②服を着て行く場所を知ろう
あなたはどんな場所に出かけることが多いでしょう。
職場?子どもの送迎?公園?買い物?趣味の場所?
出かける場所(TPO)に合った服が十分にあるか考えてみましょう。
これは讃岐先生の体験談ですが、先生が仕事を辞めて家族の介護を始めた頃、毎日「着る服がない!」と悩んでいたそうです。
なぜならクローゼットに並んでいたのは仕事用のスカートやスーツばかり。
でもその時の先生に必要だったのは動きやすい普段着のパンツやスニーカーでした。
「『着る服がない』と思うのは当たり前ですよね」と振り返ります。
あなたのクローゼットは今のあなたの生活と合っていますか?
「自分を知ること」がクローゼット作りに必要な理由。
讃岐先生が自分を知ることにこだわるのにはご自身の経験があるからです。
讃岐先生は結婚後、育児と並行して15年に及ぶご自身と義理の両親の介護が始まりました。
同時に、解決が難しい家族の問題がいくつも起こります。
ストレス発散のためにたくさんの買い物をして、その頃は服だけで500着もあったそうです。
「良き妻、良き嫁、良き母」でいなければと思い、服や物で自分の足りない部分をカバーしようとしていましたが、思うようにいかなかったと言います。
「未来をもう少し良くしたい」「楽になりたい」「変わりたい」と思い、片付けを始めます。
自分が服や物を買った理由を振り返るうちに、自分を否定してほかの誰かのようになろうと努力するのではなく、自分を認めて、自分の中の種を育てるように変化していくとラクで楽しくなると気づきました。
讃岐先生が楽しみながら「うっとりクローゼット」を完成させるのはこの数年後のことです。
この経験から「今の自分と向き合って片付けていけば、人生が変わるかもよ」と声を掛けながら、以前の自分のように服に囲まれている女性たちの「うっとりクローゼット」作りを手伝っています。
さぁ、服を整理しましょう!
まずは今のシーズンの自分の服をすべて集め、次の4つに分けます。
- 今着る服【1軍】
- 今じゃないけど着る服【2軍】
- 迷う服
- もう着ない、着られない服
この時讃岐先生が使うのがカラフルな布。色の心理的な影響力を片付けに利用します。
自分の好きな色の布の上に1軍の服を、好きではない色の上にもう着ない手放す服を、目立つ色の上には迷う服を置いて整理します。
服は無理に手放す必要はなく、「今じゃないけど着る服」は2軍として取っておきます。
また、迷った服は一旦別の場所で保管します。
1軍選びは厳格に
ただ、1軍の選抜にはシビアになりましょう。
次の讃岐先生からの質問に答えられる服が1軍の目安です。
「あの時着られた服。今はどう?そもそも時代遅れじゃない?」
「いつか着る服。でもいつかっていつ?」
「認めよう。通販での失敗。」
「黒い服は本当に万能?」
「本当に似合ってる?無理してない?」
「その服に合う靴や小物は揃ってる?」
「寒かったら着られる?雨だったら?その時コーディネートするアウターはある?」
「ちょっとでも違和感があれば、今着る1軍には入れないでくださいね」と笑顔の讃岐先生(笑)。
特に服の色は重要で、顔色が悪く見える服は自分を素敵に見せてくれず、着ていても楽しくなれません。
また、分けていくうちに、好きな服の特徴、迷う服の特徴(使い勝手がよさそうだけど好きではない等)がわかってきます。今後の買い物の参考にしましょう。
これを衣替えの度に行って、選りすぐりの1軍と2軍を作っていきましょう。
コーディネートまでが服の整理です!
1軍の服が集まったら、着ていく場所に合わせてコーディネートを作ります。
どんなにお気に入りの服もコーディネートが作れなければ、着て出かけることはできません。
讃岐先生はクローゼットの扉の裏にフックを作り、小物までコーディネートができる場所にしています。
この時、靴や小物など足りない物や買い足す物が見つかればメモをしておきましょう。
大切なのは服を減らすことではなく、自分が幸せな気持ちで出かけられる服が揃っていることです。
自分が幸せになる服を選びましょう。
「ステキな人って、流行の服を着こなしている人ではなく、自分に似合う服を楽しく着ている人のことだと思うんです。」と言う讃岐先生。
流行の服が全員に似合うわけではありません。
全員がおしゃれでセンスがいい必要も、同じようなサイズの服を着る必要もありません。
機能的、効率的など、誰かのためのルールに従って選んだ服では、自分がその枠にはまらなかった時に不必要に自分を否定的に捉えてしまいがちです。
それらのルールは一旦置いておいて、自分のために、自分が着ていて幸せになれる服を選ぶ、これが讃岐先生が考えた「うっとりクローゼット」を作るために大切なことです。
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