食洗機を気持ちよく使うために知りたい、正しいお手入れ方法。
日々大活躍のご家庭も多い食器洗い乾燥機。使用後にお手入れはされていますか?
食洗機もお手入れをきちんとし続けることで、本来の洗い上がりをキープし、衛生的に使い続けることができます。
今回は掃除のプロで家事のプロでもある大津たまみ先生に、お手入れ方法と、食器を入れる前に行う「予洗い(よあらい)」について教わります。
食器洗い乾燥機には卓上タイプとビルトインタイプがあります。
リンナイの食器洗い乾燥機はビルトインタイプです。
ビルトインタイプには「スライドオープンタイプ」と「フロントオープンタイプ」があり、今回は、扉が手前に大きく開く「フロントオープンタイプ」を使ってお手入れの方法をご紹介します。
食器洗い乾燥機全般に共通する点もありますので、ぜひ参考にしてください。
お手入れ方法は取扱説明書に。
お手入れ方法をご紹介する前にお伝えしたいのが、食器洗い乾燥機を始め多くの家電製品のお手入れ方法はすべて取扱説明書に書いてある、ということです。
大津先生はいつも「取扱説明書は家電のお手入れのバイブルです。すべてここに書いてあります。迷った時は必ず説明書に戻って確認しましょう。」と言います。
長く安心して使うためにも、どのメーカーのどの製品であっても、まずは取扱説明書を読んでくださいね。
食洗機のお手入れ方法。
「食器用洗剤は使わないでください!」
お手入れをする前に守っていただきたい、とても大切なことがあります。
食洗機の部品や内部のお手入れには食器用洗剤を使用しないでください。
少しでも洗剤のすすぎ残しがあると、庫内で大量の泡になり、洗えないだけでなく故障の原因になる恐れがあります。
大津先生も掃除や家事の業務で伺ったお宅では必ず説明していたそうです。
「間違って食器用洗剤を使ってしまって運転がストップしたり、中が泡だらけで大変なことになったという話を何回も聞きました。絶対に食器用洗剤は使わないでください」と。
しっかり守って、以下のお手入れを行ってくださいね。
食洗機庫内の日々のお手入れの仕方。
食洗機を使った後に、毎回これだけはしていただきたい、ということがあります。
それが、残菜フィルターのお手入れと庫内を拭くことです。
①残菜フィルターのお手入れ
残菜フィルターは下カゴの下、食洗機の底部分にあるメッシュ状の部品です。
食器類に残っていた小さな食材のカスなどがここにたまっていきます。ニオイや汚れの原因になるので、使用後毎回洗うのが望ましいです。
お手入れの際は、まず下カゴを引き出し、残菜フィルターを取り出します。
取り付ける位置を誤ると洗浄中の水から残菜を除去できず、汚れを含んだ汚れた水のままで洗い続けることになります。
また、ポンプ内部に残菜を含む異物が混入するため、ポンプが故障したり、安全装置が作動したりすることがあるので、毎回しっかり取り付けられていることを確認しましょう。
※残菜フィルターのお手入れは、やけどの恐れがあるため、運転終了後30分間は行わないでください。
②食洗機の庫内を拭く
扉部分のパッキン等は、洗浄後に意外に汚れていることがあります。
庫内にたまった水、付着した異物等をよく絞ったやわらかい布(今回は「マイクロファイバークロス」)で拭き取りましょう。
定期的なお手入れ方法について。
庫内全体の洗浄は、月に1回を目安に、クエン酸、食酢、レモン水、もしくは専用洗剤(写真は「食器洗い機徹底洗浄中」を使用)を使って行いましょう。
また、使っていて、食器等についていた汚れが落ちにくくなったと感じたら、回転ノズルのお手入れをしてみましょう。
まず、下の食器カゴを取り外します。
回転ノズルを上、下の順番で、両方共取り外します。
外し方は取扱説明書をご参照ください。
慣れるまでは上の回転ノズルが外しにくく感じるので、注意してくださいね。
回転ノズルを水洗いします。
特に汚れが気になる場合はブラシ等を使って汚れを落とします。
きれいになったら、上、下の順に元通りに取り付けます。
最後に、食器カゴを入れて完了です。
「予洗い」をラクに終わらせる掃除のプロの技。
食洗機を使う時「予洗い(よあらい)をどれくらいすればいいの?」と思ったことはありませんか?
実はその答えも取扱説明書に載っています。まずは取扱説明書を確認してみてください。
リンナイの食洗機の場合は、次のような汚れはあらかじめ落としてから庫内に入れるようにしてください。
お皿に残ったカレー、油炒め、あんかけ、魚の骨等はスポンジやキッチンペーパーなどで取り除いてください。
次のように落としにくい物は、あらかじめお湯に浸けて落としてから食洗機に入れましょう。
例:グラタンの焼き付き、鍋の焼け焦げ、茶碗蒸しのこびりつき、ごはんのこびりつき、粒状の物(魚のコゲ・粒の粗い胡椒・パン粉・ゴマ・練わさび・ご飯粒)等です。
ただし、前述のように、庫内に入れる食器類は食器用洗剤で洗ってはいけません。
使い捨てができるスケッパーがおススメです。
予洗いで活躍するのが、大津先生お得意の「廃物利用」、ごみやリサイクルに出す前の物をもうひと活用する方法です。
牛乳パックや豆乳パックを切り開き、使い捨てのスケッパーとして使います。
これらのパックは内側がコーティングされていて、適度な厚みと強度があり、柔軟性もあって、後片付けに適しているのだそう。
お皿に残った油や食材を、このスケッパーで集めてすくい、最終的にはスケッパーごとゴミ箱へ。
最後にお湯で流せば大体の汚れは軽くなっています。
<作り方>
用意するのは、1リットルの牛乳や豆乳、ジュースなどの空きパックです。
200mlの飲みきりサイズの小さいパックでも作れます。
こちらは1リットルのパックです。
天井部分は開いて切っておきます。
側面の4つある辺のうち、対角になる2辺を底まで切ります。
底はそのまま切り落とします。
底と、折目がある大きな長方形が2枚できます。
側面だった長方形を横に3等分します。
これが大津先生がこれまでの経験から編み出した、一番使いやすいサイズ。
洗い物中は折目で曲げられるので残った汚れを集めたりすくったりがしやすくなり、収納時は折りたためるのでコンパクトに収納できます。
側面1枚から3枚、2面分で6枚、底を合わせて計7枚の使い捨てスケッパーが切り出せます。
(写真は側面1枚分と底です)
200mlの小さいパックは、同じように対角になる辺を2か所切り、底を切り落とします。
側面部分を高さの半分に切れば、同じように折目部分のあるスケッパーが、小さなパック1つにつき4枚切り出せます。
大津先生は、200mlのパックの底はこの作業には小さく感じられるので、使わないそうです。
ぜひキッチンの引き出しにストックして活用ください。
掃除と家事のプロが考える、食洗機のメリット。
毎日フルタイム・フルパワーで働く人たちにとって、食洗機は手放せない家電です、と大津先生は言います。
中でも大きいと感じるメリットを幾つかあげていただきました。
・最近の食洗機には洗浄中や洗浄後の除菌機能(銀イオンフィルターやバイタル除菌洗浄等)がついていることが多いので、衛生面で安心です。
・手洗いでは食器に付着した目で捉えにくい汚れの洗い残しが発生しがちですが、食洗機を使えばそれが減らせます。
家事に慣れて自己流になると、どうしても洗い忘れがおきやすいです。
大津先生が特に気にするのが、食器の裏や下、台の部分。
食後に食器を重ねて運ぶ時に汚れかちですが、洗う習慣がないと汚れが残ったままになりがちだそう。
配膳の際に手が触れる場所でもあるので、食中毒予防のためにも食洗機ですみずみまで徹底的に洗えるのは安心です。
・手洗いのロスが抑えられます。
手洗いは水、洗剤、時間とたくさんの資源をかける必要があります。
最近の食洗機は基本の「洗う」がしっかりできるのはもちろん、ランニングコストも低く抑えられるのでコスパがいいのです。
機械ができることは機械に任せて、家族の時間を大切にしませんか、というのが大津先生の考え方。
食洗機を始め、使い勝手の良い家電を賢く選んで、正しくお手入れをしながら、日々の暮らしや団らんが楽しめるといいですね。
■リンナイの公式Web限定食器洗い乾燥機のフロントオープンタイプが新しくなりました。より使いやすくなった食洗機について、詳しくは下記をご参照ください。
▼ILO(イーロ)ビルトイン食器洗い乾燥機:扉の色がキッチンに合わせて6色から選べます。
▼フロントオープンタイプ食器洗い乾燥機 ステンレスドア:ステンレス素材の扉で様々なキッチンに馴染みます。