お気に入りの服のために、クローゼットは清潔に使いたい。

出典:写真AC
クローゼットの中にしまってある、長く大切に使いたい服やアクセサリー。
久しぶりに出したらホコリが積もっていたり、クローゼットの床にホコリの塊を見つけたり、壁にカビを発見してしまったり、そんなことありませんか。
お掃除のプロ大津たまみ先生も、お掃除の現場で白いカビが生えたクローゼットをよく見かけたそうです。
清潔で整頓された状態で使いたいクローゼットですが、服の繊維が落ちてホコリがたまりやすい場所であることも事実です。
また、カビが発生する条件が揃いやすい場所でもあります。
大津先生は「クローゼットは衣替えのタイミングで一度中の物を出して整理し、掃除をすることで、清潔で使いやすさを保てますよ」とのこと。
クローゼットを清潔に使うための掃除と予防方法を教わります。
クローゼットの中にカビが生える原因は?
カビの発生には一定の温度と湿度と養分が必要です。
クローゼットのカビの原因のひとつは、一度着た服を「汚れていないから」とそのままクローゼットに戻してしまったこと、と大津先生は指摘します。
一日着た服は、汚れていないように見えてもカビの養分となる汗や皮脂が付着しています。
特にクローゼットが服でぎゅうぎゅうな場合、服同士が密着し、清潔な服にも汚れが移ってしまいます。
また、そういうクローゼットは通気性も悪く熱も逃げにくいため、カビが発生する条件の湿度と温度、養分(人の皮脂等の有機物)を満たし、カビが発生しやすくなるのです。
一度カビが発生してしまうと、クローゼットから服にカビが付いたり、服についたカビがまたクローゼットに付いたりと悪循環。
詰め込まれたクローゼットでは服がシワになるだけでなく、酸化した汚れから嫌なニオイも付いてしまいます。
これらを防ぐためにも、半年に一度のクローゼット掃除を習慣にしていきましょう。

カビが発生しにくい、理想的なクローゼット
クローゼットの掃除方法
①クローゼットを空にする。

まずはクローゼットの中にある物を全部出し、空にします。
中にあった物を整理し、もう着なかったり使わないと判断した物はリサイクルに出したり、再利用したりしましょう。
着られなくなった服は掃除にも使えます。
服の整理に迷ったら。
服の整理が苦手、という方は多いと思います。
「着なかった服の処分期限は2年です。残念ながら、2年着なかった服は3年目も着ません」と大津先生。
クローゼットに眠る「着ているつもりで着ていない服」「高かったから捨てられない服」を大量に見た経験からのアドバイスです。
2年間着なかった服は2年間クローゼットの中でホコリを被り続けていた物。
洗濯したり風を通さないとすぐには着られません。
その間に布は劣化し、どことなく薄汚れて見え、デザインも流行遅れになり、買った時ほど楽しく着られないことが多いです。
それでも思い入れがあったり、高かったからと踏ん切りがつかずにまたクローゼットの中へ戻してしまえば、これこそタンスの肥やしです。
客観的に見て、手放すことを考えてみましょう。

②クローゼットの中を掃除する。

クローゼットが空になったら、内側の壁、棚、フック等にたまったホコリを取り除きます。
柄が伸びるハンディワイパーや掃除機を使い、天井付近のホコリから始めて、下に向かってホコリを落としていきます。

クローゼットの中に付着しているのは、ホコリ等の乾いている汚れがほとんどなので、ホコリ用のモップやドライシートを使って拭き取ります。
水拭きをするとクローゼットの中に湿気が残りカビの原因になるので、避けましょう。

小さな段差や隙間、扉のレール等にたまったホコリや繊維クズはブラシでかき出し、掃除機で吸い取ります。

最後に、床に残ったホコリを掃除機で吸い取って終了です。
カビを見つけてしまったら。

クローゼットの中にカビを発見した場合は、消毒用エタノールを吹き付け、捨ててもいい布で拭きとりましょう。
③クローゼットの表側の掃除。

次にクローゼットの表側の汚れを落とします。
扉の取っ手や引き出しの表面、そのほか目立つ汚れに中性洗剤をスプレーし、水で塗らしたやわらかい布で拭きます。
洗剤が残らないように水拭きをし、乾拭きをします。
手アカ等、汚れがひどい場所には薄めたアルカリ性洗剤を使ってみてもよいでしょう。
(念のため、目立たない場所で試してから掃除をしてください。)
④乾燥させる。

掃除が終わった後はクローゼットの扉を開け、しっかり乾燥させます。
カビの発生を防ぐために、完全に乾ききるまで服は入れないようにしましょう。
大切な服をカビから守る4つのポイント。
最後に、クローゼット内にカビを発生させないためのポイントを4つご紹介します。

①除湿剤を置く。
カビの原因の湿気を抑えるため、クローゼット内に除湿剤を置きましょう。
吊るすタイプがおすすめです。
②通気性をよくする。
服をかける時は、密着させずにハンガー同士の間を空けて吊るします。
また、湿気の多い季節はこまめに換気もしましょう。
③防カビ剤を置く。
クローゼット内に防カビ剤を置きましょう。
市販の物で良いですが、大津先生は重曹に殺菌作用があるとされるティートリーのアロマオイルを垂らした物が、消臭効果もあってお気に入りだそうです。

④着た服をすぐにしまわない。
一度着た服はすぐにクローゼットに戻さないようにしましょう。
ハンガーにかけて湿気を飛ばし、ブラッシングをして服の表面についた汚れを落とします。
このひと手間で服の傷みもクローゼットのカビも防ぐことができます。
また、長く着ない服の保管として大津先生がおすすめなのが、圧縮式の収納袋です。
スリムに収納ができ、防虫、防カビにもなります。
大切な服やアイテムを長持ちさせるためにも、定期的なクローゼットの掃除と清潔な空間づくりを心掛けてみましょう。