トイレの黒ずみ汚れ。「さぼったリング」の掃除方法をプロに聞く。

いつの間にかできているイヤな黒ずみ。

いつの間にかできているイヤな黒ずみ。

出典:Unsplash

ちょっとトイレ掃除をさぼるとすぐにできる、黒ずんだ汚れ。

見つけるとがっかりしてしまいますよね。


でも、放っておくと汚れはどんどん落ちにくくなります。

お掃除のプロ大津たまみ先生に、ちょっと落としにくくなってしまったトイレの汚れの掃除方法を教わります。

黒ずみ汚れの原因は?

便器の水たまり部分のフチにできる黒い輪っか。

お掃除のプロの間では「さぼったリング」と呼ばれていて、その名の通りちょっとお掃除をさぼると現れる、落ちにくい汚れです。


目の届かない便器のフチにできるこのような汚れも「さぼったリング」の仲間です。


この黒ずみは水アカ、尿石、カビ、ホコリ等の混合物。

時間をかけてできた汚れなので一筋縄では落ちません。

大津先生はこのような汚れは2日に分けて落とすことを勧めています。


まずはいつも通りの掃除をしてホコリ汚れを落とし、次に酸性の洗剤を使って尿石を落とします。

時間を空けて翌日に、塩素系漂白剤で黒カビを落とします。


使う洗剤が酸性洗剤と塩素系漂白剤のため、同じ日に行うと混ざって有毒ガスが発生する恐れがあり、危険です。

必ず順番と時間を空けて掃除をしてください。

1日目:尿石を落とす。


初日は尿石を柔らかくして落とします。

1.便器の水を抜く。


最初に便器の水たまり部分の水をできるだけ抜き取ります。


大きめのメラミンスポンジを水たまりに入れて、スポイトを使う要領で水を吸い取り、2重にしたビニール袋に移していきます。

今回は12回ほどで水を吸い取ることができました。


吸い取った水を入れた袋はそのままバケツの中に立て掛け、トイレ掃除が終わってからトイレに流しましょう。

2.汚れをふやかす


トイレットペーパーを汚れが気になる場所を中心にぐるりと貼り付けていきます。

貼り付け終わったら、その上からクエン酸スプレーを吹きつけます。

市販の酸性のトイレ用洗剤でもOKです。

ゴム手袋をした手でトイレットペーパーを便器にしっかり密着させ、15分ほど汚れとなじませます。

これで汚れをふやかしてやわらかくし、落としやすくします。

3.水を流してブラシでこする


15分ほどたったら水を流します。

トイレットペーパーも一緒に流してしまいます。


トイレブラシで汚れた部分をこすり落とします。

汚れはやわらかくなって落ちやすくなっているはずです。

フチの汚れは細かいところまで掃除ができるブラシで落とします。

落ちにくい場合はここにもトイレットペーパーを貼って洗剤をつけて放置し、流した後にブラシで奥の汚れまでしっかり落とします。

右が、お掃除のプロが尿石汚れに使う「セラスティック」です

右が、お掃除のプロが尿石汚れに使う「セラスティック」です

4.頑固な汚れは専用アイテムを使う


長期間掃除をしないと尿石もたまって便器にこびりつき、これだけでは落ちにくくなります。

そんな時はプラスチックのカードで削るか、プロが使う尿石専用アイテム「セラスティック」を使いましょう。

「セラスティック」の先端にはセラミックの薄い板がついていて、頑固な尿石を削り落とせます。

便器を傷つける恐れがあるので力を入れすぎないようにしましょう。

2日目 黒カビ汚れを落とす。


1日目の掃除で汚れが落ちない時は、カビによる汚れが残っていることが多いです。

翌日に塩素系漂白剤を使って落とします。

1.前日同様、水たまりの部分の水をメラミンスポンジで吸い取ります。


2.汚れをふやかす

汚れの気になる部分を中心にトイレットペーパーを貼ります。

ゴム手袋をし、塩素系漂白剤をかけます。


塩素系漂白剤を使う時は必ず換気扇を回しましょう。

特に、トイレのような空気がこもりやすい空間では安全のためにしっかり換気を行ってください。窓があれば窓も開けましょう。

上からしっかりと押さえて洗剤となじませ、15分ほど放置します。

これで黒カビを漂白し、落とします。

3.水を流してブラシでこする


時間が経ったら水を流し、トイレットペーパーも流し、トイレブラシやJブラシで残った汚れを落として完了です。

トイレタンクの中もキレイに


「さぼったリング」を作らないようにするために大切なのが、トイレタンクの掃除です。


「さぼったリング」の原因のひとつに、トイレタンクの中の汚れがあります。

タンクの中の水に汚れが混ざっていると水たまり部分にその汚れた水がたまります。

トイレブラシを新調するタイミングなどで、一度洗うようにするといいでしょう。

タンクのフタをずらし、きれいなトイレブラシを使って中の汚れを落としましょう。

フタをずらすと水が漏れることがあるので、少しずつ動かすようにしてくださいね。


「さぼったリング」はこまめに掃除をすることで防げます。

一番いいのは、なるべく掃除を欠かさないこと。

掃除をする時間がない場合は、手間をかけずにきれいになる洗剤などをうまく活用するのもひとつの方法です。


また、使用後にトイレのふたを閉めるだけでもホコリや細かいごみが落ちるのを防げるので、そこから意識してみるのもいいですね。