面倒な衣替えをもっとカンタンに。片付けのプロの衣替えと服の整理方法を拝見。

面倒な衣替えを変えた、片付けのプロの方法をご紹介。

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出典:写真AC

季節ごとの衣替えを面倒、苦手だと感じる人は多いですよね。

片付けのプロ、山口かな先生も衣替えが苦手でした。

「衣替えをする理由を探しても、本当に必要?なぜ?不便だし、面倒だし、利点が見つからない。利点がない家事に時間を割くのは苦痛…」と思っていたそうです。



なぜ衣替えをこんなに面倒に思うのでしょう。

理由のひとつに近年の気候の変化があるのでは、と山口先生は考えます。

年々寒暖の差が激しく、何を着ていいのかわからない日が増えていますよね。

いつどんな服が必要になるかわからず、出したり戻したりを繰り返すから、クローゼットや引き出しの中がぐちゃぐちゃ。

夏服と冬服を入れ替えるタイミングも見極めにくいです。

一方で屋内は冷暖房で年間を通して適温に保たれているため、同じような長袖の服を着ている期間が長いのが実情。

 

現代は春夏物と秋冬物の区切りがつけにくく、衣替えの必要性を感じないので、衣替えが余計に苦痛に感じます。


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そこで、山口先生はどうしたら衣替えがラクに、簡単にできるか、自分のための衣替えと服の整理方法を考えました。


山口先生流の方法を、分析収納方法の実践服の整理方法と3つのポイントでご紹介します。

まずは自分と衣替えの関係を分析。

掃除や片付けのプロは、面倒だと思う家事は自分が無理をせずにラクに続けられる方法を考え、実行しています。

山口先生も苦手な衣替えをラクにするために、自分が衣替えでやりたくないことと、ご自身の服の収納環境の現状を書き出して、分析しました。


 

衣替えで“やりたくないこと”は?

山口先生がやりたくなかったのは


・服をたたむ等、面倒なこと。


・何度も出したりしまったりするような、二度手間になること。


・高い場所や奥にしまうこと。(背が高くないので取り出すのに苦労するそう)


・奥行きのある、長い押し入れ用の収納を使うこと。(取り出す時に押し入れの前に広いスペースが必要なため)


一方で「必要な時にすぐ取り出したい」という自分の願望にも気づいたそうです。


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出典:写真AC


服の収納の現状は?

 

次に、自分がどのように服を収納しているのか、収納環境を分析。

・自室は和室であり、クローゼットではなく押し入れを使っている。


・押し入れは上下2段に分かれている為、ワンピースやコートのように丈の長い服を掛けるには高さが足りない。


 

そして、出しっぱなしにしてある服ほどよく着ているということにも気付きました。

出しっぱなしの、シーズン問わずに着る服用の引き出しを作れば、取り出しやすく、衣替えのわずらわしさも減るのでは、と考えました。


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少し手間ですが、衣替えの前にやりたくないこと、収納の状況、今困っていること等を書き出してみると、自分が使いやすい収納方法を考えるヒントが見つかります。家事をラクにする近道ですので、一度取り組んでみてくださいね。

使いやすく衣替えもしやすい、自分のための服の収納方法。

 以上のような分析を踏まえ、山口先生は自分が使いやすい、衣替えもしやすい服の収納方法を考えました。


 

押し入れを上下に分けて使用。

押し入れをクローゼット化しました。

上段にハンガーラックを、下段にコロ付きの引き出しタイプの収納ケースを入れています。


上段のハンガーラックには、ブラウス等、丈が長くなくシワを作りたくない服を掛けます。

服をたたむ家事は面倒でやりたくないことだとわかっているので、ブラウス類は洗濯後に干したハンガーごと押入れの中に戻しています。

季節ごとにざっくりとエリアを分け、大きく入れ替えなくても良いようにしてあります。

下段の収納ケースには、たたんで入れる衣類を収納しています。

3段のコロ付きの引き出し式収納ケース(横54×奥行41.5×高さ70(cm))を2個用意し、前後に配置。

手前のケースに今着ている物、奥にオフシーズンの物を収納しています。

分析中に気付いた“いつも着ている服”は手前のケースに入れています。


季節が移って奥のケースから服を取り出す頻度が増してきたら、いつも着ている服を奥のケースに入れ替え、衣装ケースの前後を替えて衣替えは完了です。


双子のお子さんを育てた山口先生は、お子さんたちの毎日の着替えをなんとかラクにしたくて、服をコロ付きの収納ケースに入れておき、お子さんたちがいるところに収納ケースを移動させて、そこで着替えさせるという方法を考え、乗り切りました。

その経験から、ご自分の服も移動が簡単なコロ付きの衣装ケースに入れた方がラクだと考え、この方法にしたそうです。

 

 

クリーニングサービスを積極的に利用。

 

悩みのひとつだった丈の長い衣類の管理にはクリーニング店の預かりサービスを利用しています。

シーズンが終わった物は早めにクリーニングに出して汚れを取り、管理も委ねます。その方が服が傷みにくく、長く楽しめるからです。

衣替えのタイミングで服の整理も。

「面倒なことをしたくない方は衣替えのタイミングで服の状態を確認、お手入れまでしてしまいましょう」と山口先生はアドバイス。

山口先生もこのタイミングで服を整理していますが、そもそも衣替えは苦手で楽しくないため、服の整理中に楽しんで行うためのご褒美を用意して乗り越えています。



「4分類シート」で服整理。


服の整理で活躍するのが、日本清掃収納協会ではおなじみの「4分類シート」です。

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日本清掃収納協会 大津たまみ先生考案の「4分割シート」

大きめのビニールシートを用意し、「いる」「いらない」「迷い」「移動」の4つに区切り、持っている服を該当する場所に置いていきます。

いるかいらないか、8秒迷ったら「迷い」のエリアへ。

自分が持っている服を把握し、手放す物を見極めるチャンスにしましょう。

この服の整理の後が、山口先生のご褒美。

整理をしながら、自分の暮らし方を見つめ直すきっかけの時間にしています。

また、服を手放した後は、新しい物を買い足せるチャンスなので、それも楽しみ。

これらのご褒美のおかげで整理が続けられるそうです。


「迷い」にできた服の山の解消方法。

 

この方法で整理していくと「迷い」のエリアに服の山ができることがよくあります。

その解消方法を、山口先生は次のようにアドバイスします。

 


【アドバイス①】服を着て、鏡を持って外に出ましょう。

家の中と外では光の当たり方が異なり、服を着た時の印象も変わります。

服を着ている自分が気になるのは外出中のことが多いはず。

迷った服は一度その服を着て外に出て、日光に当たってみましょう。大きめの鏡で自分を見て、自分に合っているかチェックすると判断がつきやすいです。


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【アドバイス②】「いつか着る服」は目に入るところに置きましょう。

 

「やせたら着よう」「次の流行が回ってくるまで取っておこう」と、今は着ないけどいつか着ると思って手放せない服がある方。

それらはクローゼットにはしまわず、姿見の横等、普段目に入る場所に出しておきましょう。

「やせたら着る服」は見る度にやせるモチベーションになりますし、コーディネートを考えるきっかけにもなります。


一方「次の流行まで取っておく」服は少し注意が必要。

確かに流行は巡りますが、次に巡ってきた時は少しテイストが変わっていることが多いのです。

また、たとえ体重が変わっていなかったとしても、体形は変化していてうまく着こなせないことも。

いつも視界に入っていれば気になった時にすぐに着られますし、コーディネートによっては想定より早く着られる日が来るかもしれません。

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クローゼットを掃除して、服を守りましょう。

クローゼットの掃除は服を守るために欠かせません。

クローゼットはホコリが多い場所。

ホコリは服を傷める原因になるので、衣替えのタイミングで掃除をしておくと、お気に入りの服も長く気持ちよく着られます。


山口先生も、この収納ケースを入れ替えるスタイルにしてからは掃除も簡単でラクになり一石二鳥だったそうです。


おしゃれも衣替えも、自分らしく、楽しく。


服の整理や管理に関してはスマホのアプリを活用するのもおすすめです。

例えば、洗濯表示は洗剤メーカーのアプリやサイトでわかりやすく検索できるようになっていますし、写真を撮って服の管理ができるアプリもあります。

楽しくて使いやすいアプリを探してみてくださいね。

面倒な衣替えですが、気候に合った服を着ることは心地よく、体調管理の一環でもあります。

暮らしの中に四季を感じる日本人らしい感性の在り方であり、物を長く大切に使おうとする風習とも言えますね、と山口先生。

そんな風に視点を変えると、衣替えの楽しいところも見つかるかもしれません。

自分の得手不得手を考えながら、ラクに、快適にできる衣替えを探してみてくださいね。


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