ミニマリストの整った暮らしにあこがれます。
物が多くて家が片付かない。
もっと物を少なくしてすっきりと暮らしたい。
そんな時気になるのは、厳選したお気に入りの物と暮らすミニマリストのみなさん。
ミニマリストのように不要な物を手放して、物を増やさない方法を知りたいと思う方も多いのでは。
そこで、ミニマリストで片づけ収納マイスターの資格を持つ牛尾 梓(うしお あずさ)先生と、お掃除と片付けのプロ大津たまみ先生にお話を伺いました。
まずはすっきり暮らすための「物を手放すコツ」を教わります。
ミニマリストってどんな人?
一口にミニマリストといってもいろいろなタイプの方がいます。
牛尾先生と大津先生が考えるミニマリストはただ少ない物で暮らす人ではなく、今の自分に必要な物と量を知っていて、必要以上は持たない人。
そして、物を大切にして、自分が本当に好きな物を厳選して使っている人。
自分と向き合って、一日一日を大切に楽しく生きている人がミニマリストなのだそうです。
ミニマリスト的、服を手放すコツ
多くの人が特に手放せずに困っているのは服、衣類ではないでしょうか。
牛尾先生も以前はたくさん服を持っていましたが、自分と向き合って手放していった結果、現在はこのようなラインナップになりました。
こちらは2021年2月時点の牛尾先生の普段着一式です。
普段や外出用の衣類は、トップス9点(長袖・半袖・カーディガン)、ボトムス6点(スカート・パンツ)。
これ以外に、仕事用のスーツや礼服等もありますが、どれも厳選されたお気に入りのアイテムです。
牛尾先生が服の整理をする時に使ったのが「魔法の4分割シート」の考え方です。
「魔法の4分割シート」は日本清掃収納協会の大津たまみ先生が名づけた片付け方法で、物を「いる」「いらない」「迷い」「移動」の4つに分けて整理する方法です。
「いる」か「いらない」かの即決ができない物は「迷い」とし、期限を決めて保管、期限後に見直して迷いが晴れたら手放します。
牛尾先生はこの「迷い」が大切で、迷って良いと思えたことでじっくり心と物の整理ができ、リバウンドがしにくくなったと言います。
服を手放す基準を作る
この4分割の考え方を続けていくと、自分の中で服を手放す基準ができてきます。
牛尾先生の基準は大きく2つ。
今の自分に似合わなくなった、雰囲気に合わなくなった
色、形、サイズ、質感など自分に似合わなくなったなと思ったら手放すタイミングと考え、リサイクルに出すなどして手放します。
自分に似合う心地よい服を着て、自分を好きでいられるのが大切、と考えるからです。
手間がかかるお手入れが必要になった。
お気に入りの服はお金をかけてでもお手入れをして長く愛用します。
でも、十分に着た服のお手入れに手間をかけすぎるのは時間がもったいないと考えるようになりました。
お手入れ自体が苦手だということにも気づいたため、苦手なことを無理に行う必要はないと判断し、感謝して手放すことにしています。
服以外の物の手放し方
服以外の物も同じように見直した結果、牛尾先生は今の暮らしには必要ないと思った物を手放し、より暮らしやすいスタイルに変えてきました。
こちらは牛尾先生のご自宅のリビング。
今は引っ越しが多い暮らしなのと地震等の災害も想定して、腰より高い家具や大きな家具は手放しています。
将来腰を落ち着ける時はお気に入りの家具で揃えようと、今からベストな家具を探している最中です。
掃除の妨げになる物も置かないようにしています。
おかげですぐに掃除ができてストレスが軽くなりました。
牛尾先生の主な持ち物はこちら。
バッグは2つ。
メイク道具、文具等は必要な数の物だけを種類や目的ごとにメッシュポーチに分けて入れています。
仕事道具等は2つのコンテナに入れ、納戸へ。
すぐに使わなくても取っておきたい物や思い出の物は、なんとなく全部を残すのではなく、自分が好きな、心地よくなれる物だけを残しています。
家族の物の手放し方
家族の物が多いという方もいらっしゃると思います。
牛尾先生は3人のお子さんがいらっしゃる5人家族ですが、たとえ家族であっても他の人の物には触りません。
物の管理はそれぞれに任せています。
これは片付けの基本でもあります。
その代わり、お子さんたちには片付けができる子になるように、物の管理方法を教えています。
こちらは牛尾先生の2人の娘さんの部屋です。(吊るされている服には息子さんの物も含まれています)
2人はリビング学習をしているため学習机はありません。
こちらが押入れ。この中に2人の娘さんのほとんどの持ち物が入っています。
お子さんたちは毎週「魔法の4分割シート」に基づいて持ち物の一部を選別し、月に1度「迷い」の物を整理する習慣だそう。牛尾先生は子どもたちを信頼して見守るだけです。
性格によって手放す決断が早い子、ゆっくりな子と違いはありますが、継続することで、自分で必要な物を考えて残したり手放したりして、自分で自分の物を管理できるようになっているそうです。
お子さんに片付け方法を教える時のアドバイスとして、小さいお子さんには「いる/いらない」を「使う/使わない」に言い換えると分類がしやすくなります。
また、残しておきたい物が多い子には「ひと箱まで」など、容量を決めてあげるとよいそうです。
まずは自分の持ち物の整理から
自分の持ち物の片付けを始めて8年ほどになる牛尾先生ですが、今でも手放しは試行錯誤の連続だそうです。
例えば、以前ダイニングテーブルが不要に思えて子供用の勉強机にしたところ、やはり不便になって元に戻したこともあったとか。
一度手放すことで、本当はどんな物が必要かも見えてくるようになります。
その試行錯誤の過程も発見があって楽しいのだそう。
ぜひ一度、自分の物と向き合って、自分だけのお気に入りを残す基準を作ってみてくださいね。