ふと目にした壁が想像以上に汚れていてびっくりしたことはありませんか。
でも、いざ掃除をしようと思っても、掃除方法がよくわからない。
お掃除のプロ、大津たまみ先生に相談したところ、壁や壁紙の掃除は掃除のプロにとっても他の場所よりも気を配る場所なんです、と教えてくれました。
理由は、壁や壁紙の種類によっては掃除後にシミが残ってしまう可能性があるから。
今回はそんなちょっと気を付けたい壁の掃除について、壁の汚れの原因、掃除で気を付けること、掃除方法をお掃除のプロに正しく教わります。
きれいな壁に囲まれて、心地よく過ごせるおうちにしませんか。
壁の汚れの原因は?
掃除をする前に、まずはその汚れが何に由来しているか考えてみましょう。
壁に付着している汚れの中で一番多いのはホコリ。
特に空気が動きにくい天井近くや隅にたまりやすいです。
ホコリがたまりやすい場所には、実はクモの巣もあります。
戸建て住宅や低層階の集合住宅でよく目にするんですよ、と大津先生は言います。
天井や天井付近の壁に加えて、家具の裏等、人の目や手が届かない場所はクモにとっては巣が張り放題。
ホコリ掃除のタイミングでチェックし、掃除をしましょう。
壁に付着した黒ずみは、人が壁に触れた時の指紋や手アカが原因。特にお子さんがいるご家庭ではよく見られるとのこと。
このほかに、場所特有の汚れもあります。
キッチンの壁に黄ばみがある時は、調理中の油や食べ物のハネが原因。
浴室や洗面所の壁には水滴や水アカが付着します。
湿度が高く換気がしにくい住宅で多く見られ、放置するとカビ、特に黒カビになるので注意です。
家族に喫煙者がいる場合は、タバコのヤニが黄ばみになります。ヤニは落ちにくいのでメラミンスポンジと洗剤で慎重に落とすのが良いそうです。
壁に適した掃除方法を知りましょう。
汚れの原因がわかったら、その汚れの落とし方、掃除方法を考えましょう。
壁や壁紙は素材に合った掃除方法を選ばないと、傷めたり、洗剤によるシミや黄ばみが発生したりします。
「壁掃除の基本は乾拭きです。」と大津先生は言います。
素材によっては水拭きや洗剤の使用が可能なので、掃除の前に壁紙の説明書を読み、目立たない場所で試し作業をして、問題がないことを確認してから行ってください。
ビニール壁紙は水拭きが可能ですが、紙や繊維素材の壁紙は水に弱いため、水拭きができません。
すぐに水拭きをせず、気になる汚れは消しゴムでこすって落とすのが、プロの掃除方法です。
ビニールの壁紙に手アカの黒ずみがある場合は、弱アルカリ性の洗剤で拭き、水拭きをして乾拭きで落とせます。
その他、木材やコンクリート、石材など、様々な材質の壁がありますが、事前に掃除方法を確認してから掃除をするようにしましょう。
壁の掃除方法
ここからは、お掃除のプロの一般的な壁の掃除方法を教わります。
用意する道具
1.柄が伸びるタイプのハンディモップや静電気用モップ
2.中性洗剤
3.捨ててもよいやわらかい布
4.マイクロファイバークロス
掃除手順
1)表面のゴミを取り除く
最初に、壁に付着したホコリやクモの巣等の乾いた汚れを取り除きます。
ここで活躍するのが、柄が伸縮するタイプのハンディモップ。
静電気用モップでも大丈夫です。
柄をしっかり伸ばし、壁や天井付近のホコリを全面的に払います。
壁の隅や扉のレールの上にはホコリがたまりやすいので、重点的に掃除をしましょう。
モップでからめ取りきれずに床に落としたホコリは、まとめて掃除機で吸い取ります
2)大きな汚れを落とす。
次に、手アカの黒ずみ、キッチンのコンロまわりの油ハネやゴミ箱まわりの汚れ等、目につく大きな汚れを取ります。
水に中性洗剤を数滴溶かし、捨ててもよいやわらかい布を浸して絞ります。
拭く時は壁紙を破いたり剥がしたりしないよう、こすらずに、力を入れずに優しく拭きます。
中性洗剤は壁紙や表面を傷めにくく、汚れを効果的に落とせます。
汚れが頑固な場合は、水の代わりに40度くらいのぬるま湯に中性洗剤を数滴入れて拭きます。
一度で落ちない時は何度か繰り返して拭きましょう。
それでも落とせない汚れは、壁紙の素材を確認して使用可能となっていれば、アルカリ性の洗剤を薄めて拭きます。
その際、必ず目立たない場所で試してから行ってください。
3)水拭きをする。
洗剤で汚れを落としたら、マイクロファイバークロスを水で濡らし、軽く水拭きします。
壁に残った洗剤や汚れを取り除き、きれいに仕上げるためです。
洗剤をしっかり落とさないと壁紙が黄ばんだりシミが生じたりするので、確実に拭き取りましょう。
4)乾燥させる。
水拭きの後は自然乾燥させ、掃除場所をしっかり乾かします。
面積が大きい場合は扇風機を使うと速く乾きます。
ゴミ箱まわりのお手入れも。
見て見ぬふりをすることが多いのが、ゴミ箱まわりの壁の汚れ。
汚れがひどくならないうちに、ゴミ箱と合わせてきれいにしましょう。
掃除方法は一般的な壁の汚れと同様です。
中性洗剤を水で薄め、捨ててもよいやわらかい布を浸して絞り、汚れを拭き取ります。
拭いた後は、マイクロファイバークロスで水拭きをして洗剤を拭き取り、自然乾燥か乾拭きをします。
壁の汚れを取り除いたら、ゴミ箱もきれいにします。
ゴミ箱はフタの裏や底が特に汚れやすいです。
中性洗剤を汚れに直接スプレーし、スポンジで汚れをこすり落とします。
捨ててもよい布で水拭きをし、乾拭きをします。
しっかり乾燥させてから新しいゴミ袋をセットし、ゴミ箱まわりのお掃除は完了です。
気候のいい時期に壁を掃除しておきましょう。
壁の汚れはあちょっと面倒で後回しにしてしまいがちですが、気候の良いうちにやっておきましょうと大津先生のアドバイス。
体を動かしやすく空気が乾燥している秋は、水拭きの後も乾きやすいのでおすすめのシーズン。
大掃除前にやきもきするよりも、余裕があるうちに済ませて、心地よい空間で過ごしませんか?