換気口まわりの黒ずみの正体は?換気口の掃除方法をプロに教わりました。

換気口のまわりの黒い汚れが気になります。

Image without a name

出典:写真AC

換気口まわりの黒い汚れが気になるけど掃除の仕方がわからない。水拭きしたけど落ちない。

今回はそんな換気口と換気口まわりのお手入れ方法を、お掃除のプロ 杉千郷(すぎ ちさと)先生に教わります。

 

換気口の掃除ってされていますか?

掃除が不十分な換気口では、まず室内の換気効率が悪くなります。

外からの排気ガスの粉じんやホコリを吸い込んで健康を害する恐れがありますし、まわりの壁に汚れがつきます。

壁紙は素材が繊細なため、汚れを放置したり落としきれなかったりすると沈着してしまう可能性も。

そうなる前に、今できるお手入れをしていきましょう。

換気口まわりの汚れはどこから?

杉先生の経験によると、換気口の中でも汚れが目立つのは気密性の高いアパートやマンションの物。

窓以外の空気の通り道がほぼ換気口に限られていて、24時間換気を行っているため、汚れが換気口周辺に集中するからです。

 

通気性が良い戸建て住宅ではマンションの物ほど汚れは強くないようです。

汚れの正体は、家の外から入ってきた空気に含まれる砂、ホコリ、排気ガス等と、家の中から出ていく空気に含まれるホコリ、調理中に発生する油汚れ等が一緒になった複合的な物です。


特に交通量の多い地域では、排気ガスの汚れやガソリンからくる油系の強い汚れが多く含まれていて、水拭きだけでは落とせないことがあります。

Image without a name

出典:写真AC

換気口の掃除方法。

換気口の掃除場所は次の3か所です。

 

  • カバーやフィルター(無い物もあります)
  • 換気口本体
  • まわりの壁

 

※ご紹介するのは一般的な掃除方法です。

お手入れの際は、事前に換気口や壁紙の取扱説明書を確認して行ってください。


用意するもの

・掃除用ブラシ(歯ブラシ、Jブラシなど)

・キッチンペーパーを巻きつけた長めの棒

・規定の2倍ほどに薄めた中性洗剤

・捨ててもよいタオルや雑巾

・ゴム手袋

・マスク


※洗剤は、最初は薄めた物を使い、汚れが落ちなければ少しずつ濃くして使いましょう。

カバーやフィルターのお手入れ

換気口カバーやフィルターなど、外せるパーツを外します。

ホコリがたまっていることが多いので、マスクとゴム手袋をして作業をしましょう。

 

取り外しができない場合は無理に外さず、できる場所のみ掃除をします。

掃除用のブラシ(ここではJブラシ)に洗剤をつけ、換気口カバーを洗います。

フィルターは薄いので破らないように手洗いをします。

水洗いで汚れが落ちなければ、洗剤をなじませ、優しく押し洗いをします。


洗剤を洗い流し、しっかり乾燥させます。

 

フィルターは消耗品です。汚れが落ちなくなったら、メーカーに問い合わせるなどして交換しましょう。

換気口本体のお手入れ

捨ててもいいタオルを使いやすい大きさに切り分け、換気口の中の砂ボコリやチリ等の乾いた汚れを拭きます。

 

白いタオルがすすで真っ黒になっています。

ブラシに洗剤をつけ、細かい場所の汚れを落とします。

ブラシが届かない奥の掃除は、捨ててもいい菜箸のような長い棒にキッチンペーパーを巻きつけた物を使います。

キッチンペーパーが外れて換気口の中に置き去りにならないようご注意ください。

 

丈夫なブラシの柄にタオルを巻き付け、差し込んで掃除をする方法もあります。

別のタオルで水拭きをして洗剤を拭き取り、乾拭きをします。

換気口まわりの壁のお手入れ

最後はまわりの壁の掃除です。


この換気口の場合は、換気口の下の黒ずみ、水が垂れたような汚れ、壁の角にできた黒ずみが換気口由来の汚れです。


換気口まわりは壁紙であることがほとんどなので、傷めないように気をつけて作業しましょう。

まだ汚れていないタオルに洗剤をつけます。

洗剤を壁紙に直接吹き付けると液ダレしたり素材に染み込んで変色したりする恐れがあるので、掃除道具に洗剤をつけてから掃除をします。

壁紙はこすらずに、指3本を合わせたくらいの幅で、上からポンポンと軽い力で叩くようにしながら、少しずつ場所をずらして汚れを落とします。

排気ガスの汚れは粘り気があり、一気に拭くと汚れが広がってしまうので、小刻みに掃除をします。


拭き取った汚れで壁紙を汚さないために、タオルの使う場所をこまめに変え、常に新しい面で掃除をしましょう。

水拭きで洗剤を拭き取り、乾拭きをします。

最後に、外したパーツを元に戻して完了です。


黒かったフィルターも、汚れが落ちてだいぶ白くなりました。

なお、まわりの壁紙が水や洗剤を使用できない場合は、ハケやブラシで汚れをはらう程度にとどめましょう。

幹線道路に近い家や揚げ物が多い家は特に汚れやすいので、3ヵ月に1回、季節の変わり目を中心にお手入れをしてみてください。

それほど汚れがひどくなければ、壁紙を傷めないために年に1回程度のお手入れで大丈夫とのことです。


汚れが酷い場合は無理に落とそうとせず、できる範囲でのお手入れにしてくださいね、と杉先生。


落とし方がわからない汚れの対処方法

「掃除方法がわからない“謎の汚れ”に出会った時は、汚れのルーツを考えると対処方法がわかりますよ」と杉先生はアドバイス。


例えば、水栓のまわりについた白い汚れは、水道水の成分のカルキが固まったもの。

照明のスイッチパネルについた黒ずんだ汚れは、そこを触った人たちの手のアブラ。

トイレの換気扇についているモコモコは、トイレットペーパーから出る繊維クズとホコリ。

どんな物質由来の汚れなのかが分かれば、掃除の仕方や洗剤が選べるようになります。

 

今回のように、何の汚れかわからず掃除の仕方がわからないという時は、そこに立ち返って考えてみるといいですね。

Image without a name

出典:写真AC