大掃除をラクにするコツ。洗剤選びを掃除のプロに学ぶ。

大掃除の度に洗剤を買わなくてもよくなる、洗剤の選び方。

大掃除の度に洗剤を買わなくてもよくなる、洗剤の選び方。

出典:写真AC

大掃除シーズンの始まりに、キッチン、お風呂、床、窓、と掃除場所に合わせた洗剤を買いに行かれる方。

ちょっと待ってください。

お掃除と片づけのプロ大津たまみ先生からこんな質問が届きました。

 

「毎年洗剤を買って、使いきれずに残ってもったいない思いをしていませんか?

来年も使うかもしれないと取っておいて、”洗剤の塩漬け”が発生していませんか?」

 

大津先生の経験では、結局毎年新しい洗剤を買ってしまい、使いかけの洗剤が年々増えていくというご家庭が少なくなかったそうです。

そもそも一度使って時間が経った洗剤は、変質したり容器が変形したりして危険なことがあります。

今回は大津先生に、大掃除で洗剤を買い込まなくてもすむ洗剤の選び方と、その洗剤を使ったラクな大掃除の方法を教わります。

洗剤は3種類で大丈夫。

 

大津先生は「掃除のプロは、洗剤は場所別ではなく液性(えきせい)別で持つ」と言います。

液性とは「酸性」「中性」「アルカリ性」という、水溶液の性質を表す単位のひとつ。昔、理科の時間に習いましたね。


汚れには無限の種類があるように感じますが、実際は大きく分けて「酸性」「中性」「アルカリ性」の3種類です。

従って、使う洗剤も対応する「アルカリ性洗剤」「中性洗剤」「酸性洗剤」の3種類、3本があれば、たいていの汚れは落とせると大津先生は言います。

家にある洗剤のラベルを見てみましょう。

液性の欄が「弱アルカリ性」や「アルカリ性」の物が多いことに気付かれると思います。

 

これは家の中の汚れには油汚れが多いから。

キッチンの食用油の汚れ、手アカなどの皮脂汚れ、これらに他の物が混じった汚れもあります。

油汚れは酸性。酸性の汚れはアルカリ性の洗剤で落ちるので、家で使う洗剤には「弱アルカリ性」や「アルカリ性」の物が多くなるのです。

以上の理由から、大津先生は家の中の酸性汚れには、弱アルカリ性で、汚れに応じて希釈して使える洗剤を1本常備しています。

普段の掃除も大掃除も、ほぼこれ1本でこなします。

その洗剤が「天使の松」です。

「天使の松」は米ぬか、ヤシ、松の木の油分を利用して作られたエコ洗剤。

水で希釈して使うので、軽い汚れには20倍、頑固な汚れには3倍から5倍と使いわけています。

 

頑固な汚れ用の洗浄力が強い特別な洗剤を選ぶのではなく、濃度を変えることで頑固な汚れも落とせる洗剤を選ぶ。

さらに、環境に配慮し、掃除場所の素材を傷めにくく、安心して使える物であれば、なおよし。


これがお掃除のプロの洗剤の選び方です。

しかも希釈するのでお財布にも優しくなります。

同じように、水アカや石けんカスなどアルカリ性の汚れには酸性(弱酸性)の洗剤を使っているそうです。

洗剤選びで悩んだ際は、このお掃除のプロの選び方を参考にしてみてください。

「天使の松」で大掃除。

 

ここからは大津先生が「天使の松」を使った、大掃除におすすめの頑固な汚れの落とし方をご紹介します。

 

※掃除の際は事前に取扱説明書を読み、使ってよい洗剤を確認し、目立たない場所で試してから行ってください。


コンロまわりの壁の油ハネ。

キッチンのコンロのまわりや壁に残る、手つかずのまま落ちにくくなった油ハネ。

そんな汚れは洗剤を湿布すると落としやすくなります。

キッチンペーパーに「天使の松」を3倍に希釈して泡状になったものを塗り広げます。

泡状の洗剤は汚れへの密着度が増し、落としやすくなります。

汚れが気になる部分に湿布し、15分程置きます

時間が経ったら、キッチンペーパーを外しながら拭き掃除をします。

少し頑固な汚れならこの時に落とせるそうです。

その後水拭きをし、乾拭きをして終了です。

 

これでも落ちない汚れは、プラスチックのカードなどで汚れを削ってから湿布法をしてみてください。

コンロの排気口カバーの油汚れ。

頑固な油汚れはコンロの部品にも。

ゴトクは定期的に洗っていても排気口カバーまでは手が回らない、という方も多いのではないでしょうか。

時間が経ってしまった油汚れには「天使の松」のつけおきで対応します。

バケツを用意し、50℃くらいのお湯で「天使の松」が20倍になるよう希釈します。

そこに排気口カバーを入れ、15分ほどつけおきをします。

汚れがゆるんだらスポンジで洗います。

 

汚れが落ちにくい場合はつけおきの時間を長くしたり、希釈濃度を少し上げてみてください。

 

この時にゴトクのつけおき洗いを一緒にしてもいいそうです。

キッチンやリビングの床の汚れ。


キッチンのフローリングの床には食べこぼしや、調理中に落ちた調味料が残りがちです。

これらも薄めた「天使の松」で落としましょう。

ただし、アルカリ性の洗剤はフローリングの床に施されたワックスをはがしてしまうので、洗剤を長時間床に付着させないのがポイントです。

 

※「天使の松」は本革や無垢の木材などの天然素材に使うと傷めたり変色の恐れがあります。事前に目立たない所で試してからお使いください。

事前に、掃除機でキッチンの床の細かいゴミやホコリなど、乾いた汚れを取り除いておきます。

 

やわらかいスポンジを用意し、20倍に薄めた「天使の松」をスプレーします。

汚れが気になる場所を軽くこすり、汚れを落とします。

ワックスをはがさないよう、軽く、素早く、行います。

水拭きでしっかり洗剤を取り除き、乾拭きをして水拭きの筋跡を拭き取ります。


同じようにして、リビングの床や窓ガラスについた手アカ汚れも落とせます。

 

「天使の松」には天然の松のオイルが含まれているため、掃除の後にはツヤが出ます。

爽快感や達成感が増すので、大掃除のやる気を出す洗剤としてもおすすめとのことです。

トイレの床、スリッパの裏の皮脂汚れ。


トイレには尿汚れや水アカなどアルカリ性の汚れが多いですが、実はドアやレバーについた手アカを始め、酸性の汚れもあります。

 

大掃除のタイミングできれいにしたいのは床です。

トイレスリッパを使用しない家族がいる場合は、足の裏から分泌された皮脂が床に付着して黒ずみになっていることもあります。

日頃の掃除では見逃しがちなので、すっきり落としてきれいにしましょう。

トイレの床の素材は塩化ビニールが多いです。

「天使の松」を5倍くらいに希釈して使うのがおすすめです。

 

キッチンペーパーに吹きつけ、汚れが気になる場所を拭きます。

床全体が気になる時は、フロアーワイパーなどで全体的に拭き掃除をしましょう。

トイレスリッパの裏も見逃しがちなので、このタイミングで拭きます。

 

床もスリッパも、「天使の松」の使用後は、仕上げに水拭きで洗剤を拭き取り、乾拭きをします。

大掃除もいつもの洗剤でラクに安心してお掃除を。

汚れと洗剤の性質を正しく知れば、大掃除で洗剤に悩んだり、途中で買い足しに走ったりしなくてもよくなります。

 

洗剤を使いこなすコツは、最初は薄めの希釈から始めて、汚れの落ち具合を見ながら濃くしていくこと。

また、汚れの上に長時間とどまってくれる泡状の洗剤もうまく使えば、より汚れが落としやすくなります。

 

自分に合う洗剤を選んで、大掃除をラクにしてくださいね。

大掃除もいつもの洗剤でラクに安心してお掃除を。

出典:写真AC