今年こそレンジフードと換気扇の掃除をラクに。
今年も大掃除が気になり始める頃。
キッチンの大掃除の中でも負担が大きいのがレンジフード、換気扇です。
毎年洗剤でゴシゴシするのですっかり疲れてしまう方のために、今年はお掃除のプロが教える、掃除がラクになる5つのアイディアをご紹介します。
教えていただくのはおなじみ、お掃除のプロ大津たまみ先生。
大津先生のプロの力を借りて、今年こそラクな大掃除にしましょう。
※レンジフードや換気扇、それぞれの部品に塗料が使われている場合は、事前に目立たない箇所で試してから行ってください。
①時間と温度を味方につける。
どんな汚れもそうですが、強力な洗剤を使って力を入れてこすれば、汚れは落ちますが疲れが残ります。
でも、つけおきしてから洗えば強くこすらなくても汚れが落ちたり、いつもの洗剤でもお湯を使えば早くきれいに汚れが落ちたりします。そんな経験は誰もがありますよね。
お掃除のプロも実はこれを応用して汚れを落としています。
お掃除のプロの基本「四要素」
お掃除のプロが掃除をする時に使うのが「四要素」という考え方です。
汚れを落とす時は4つの要素「洗剤の濃度」「時間」「物理力」「温度」が作用しています。
この組み合わせを活用して適切に汚れを落とすのがお掃除のプロの基本。
4つの要素の内、洗浄力の強い洗剤(「洗剤濃度」)で強い力(「物理力」)でも掃除はできますが、掃除場所を傷めたり手が荒れたり疲れてしまいます。
一方、「時間」を長くし「温度」を高くすることで、洗剤が強くなくても力を入れなくても汚れは落ちやすくなります。
この考えをもとに、レンジフードや換気扇の掃除では「時間」と「温度」を使って、掃除をラクにしましょう。
油汚れがこびりついているシロッコファンやフィルターは先に油を溶かすと汚れが落ちやすくなります。
段ボールに丈夫で耐熱性のあるビニール袋をかけます。
50℃くらいの湯を入れ、中性洗剤や重曹などあまり強くない洗剤を溶かし、シロッコファンなど掃除をしたい物を入れ、汚れがゆるむまでつけおきします。
細かい部品がある場合は、耐熱性があって密閉できる袋に湯と洗剤と一緒に入れます。
溝などに入って固まった油を湯の温度で溶かして、掃除をしやすくします。
袋ごとシロッコファンなどと一緒につけおきします。
段ボールは保温効果があるので、ビニール袋の口を縛ってフタを閉じておくと、温度が保たれてより汚れがゆるみやすくなります。
時々袋の上から油の溶け具合を確かめ、落とせそうな硬さになっていたら食器用洗剤などで洗って、掃除は完了です。
②専用洗剤を使う
お掃除のプロは自分と相性の良い、汚れをよく落とせる道具や洗剤を知っています。時には自分で開発することもあります。
汚れを知り尽くしたプロが開発した洗剤や道具を選ぶと、早くラクに掃除ができます。
換気扇掃除でおすすめしたいのが、レンジフードメーカーがレンジフードの汚れのために開発した洗剤「サットレールスプレー」。
スプレーを強く握りこむことで泡状の洗剤が噴射されます。
20~30分ほど泡を乗せた状態にしておくと、フィルターやシロッコファンについた油汚れを包み込んで、スルッと落としてくれます。
泡状の洗剤は汚れの上にとどまりやすいので、より汚れが落ちやすくなります。
「サットレールスプレー」を使った掃除の仕方はこちらも参照してください。
ここで注意したいのは洗剤の選び方。大津先生は特に、酸素系漂白剤について注意してほしいと言います。
つけおきで様々な汚れが落とせることで人気の酸素系漂白剤ですが、換気扇掃除には使えません。金属のフィルターやファンを傷めてしまうからです。
掃除の前には必ず洗剤の説明書きやレンジフードの取扱説明書を読んでから行ってください。
③こまめに掃除をする
「掃除はこまめにする方がラクですよ」と大津先生はにっこりアドバイス。(ちょっと耳が痛いですね)
汚れはできてすぐの方が落ちやすいです。特に油汚れは固まってしまうと掃除が大変なので、固まる前が勝負。早ければ早いほどいいのだそうです。
レンジフードや換気扇の周りでは、手軽に使える使い捨ての掃除用シートを常備しておくと片付けの延長で掃除に取り掛かりやすくなります。
汚れもたまらないので大掃除が中掃除か普通の掃除で済みます。
例えば、②で使った「サットレールスプレー」と同じ洗剤が染みこんだウェットシート版の「サットレールシート」があります。使いやすいので掃除もしやすく、汚れもよく落ち、細かなところまできれいな状態を保てます。
水拭きだけで油汚れを拭き取れる「洗剤がいらない!油汚れ専用ふきん」のようなアイテムもあるので、うまく組み合わせてみましょう。
ちなみに、掃除に欠かせないゴム手袋は手袋の裾部分を大きめに折り返しておくと、手袋の内側まで洗剤が入ってこないそう。これも掃除の手間を減らすお掃除のプロの知恵です。
④掃除の計画を立てる
少し耳が痛いアドバイスが続きますが、掃除は計画的に行うのが良いそうです。
汚れが酷くなる前に掃除ができ、結果として掃除がラクになるからです。
とは言え「みなさん、前回お掃除をしたのがいつなのか、あまり覚えていらっしゃらないようなんです」とのことで、大津先生はまず掃除をした日を記録することから提案しています。
同時に次に掃除をする日を決めれば、目標ができ、定期的な掃除の習慣ができるようになります。
掃除の頻度の目安は、家族が多く、揚げ物などの油料理をよくする家庭では3か月に1回、調理頻度が毎日朝と夜くらいの家庭では半年に1回、ひとり暮らしや調理の回数が少ない家庭は年に1回くらいだそう。
油汚れは気温が高い時期の方が落としやすいので、その時期を中心に計画を立てる方法もあります。
まずは掃除をした日をメモする習慣を作ってみましょう。
⑤汚れが落ちにくくなったら部品交換
大津先生がハウスクリーニングの現場でよく見かけたのが、がんばり過ぎた大掃除の跡。
特にフィルターは、長期間付着した油汚れが酸化して表面の塗装と癒着、それを落とそうと力一杯こすることで、汚れごと塗装がはがれてボロボロになっている物が多いそう。
そのまま使い続けると傷んだ場所からサビが発生し、さらに落としづらい汚れになってしまいます。
「どんなにこまめに掃除をしてもフィルターは消耗品です。汚れが落ちにくくなったと感じたら新品に取り換えることをおすすめします」と大津先生。
最近は掃除がしやすいタイプのフィルターもあるので、まずはご家庭のレンジフードに合う物を探してみましょう。
また、レンジフードのシロッコファンも同じで、汚れが落ちにくくお手上げ状態になったら買い替えが可能な場合があります。
リンナイスタイルでも、リンナイや富士工業製のレンジフードの部品を扱っています。
レンジフード本体型番から検索ができます。
こちらからお探しください→ https://www.rinnai-style.jp/product/
大掃除をツラくないものにしましょう。
大掃除のボス、レンジフードの掃除がラクになるアイディアが見つかったでしょうか?
お掃除のプロは腕力や洗剤の力だけで汚れを落としているのではありません。
汚れの性質に合った掃除方法を活かしています。
毎日の掃除にプロの知恵を借りることで、私たちの掃除もラクになって、家も家で過ごす時間も心地よくなっていきます。
今年の冬はぜひお掃除のプロの知恵を頼ってみてくださいね。