梅雨前に見直したい、ホコリの掃除と対策方法。
どんなに掃除をしても気付くとたまっているホコリ。
ホコリは積もるだけでなく、湿気や細菌などと一緒になるとカビに成長する厄介なもの。
アレルゲンでもあるので、できる限り対策をして除去したいですね。
今回は、「ホコリを制するものは汚れを制す!」と言うお掃除のプロ清水雅美先生に、日頃のホコリ掃除と、特に気をつけたい梅雨前のホコリ対策について教わります。
ホコリの正体とは?
ホコリの正体は、服や寝具など布製品から出た繊維クズに、紙類から落ちたクズ、人間から出た皮脂や皮膚の欠片(フケなど)や花粉、砂ほこり、虫の死骸など細かなゴミが混ざった物。人の生活とは切り離せないものです。
掃除のプロが使うホコリ掃除の道具たち。
ホコリはすぐに舞い上がるので、浮遊させないようにそっと取り除くのがポイント。
ホコリは静電気で吸着できるので、清水先生は市販の静電気モップやハンディモップ、はたきを用意して使い分けています。
ホコリ用のハケ「ラスター刷毛(ハケ)」もしくは「ダスター刷毛」は細かい場所のホコリも取りやすく掃除のプロが手放せないアイテム。ホームセンターなどで購入できます。
掃除のプロのホコリ掃除
ホコリは物の上や壁、部屋の隅が大好き。掃除をし忘れがちな、目につきにくい場所にある物の上や壁、物陰によく集まってくるのでそこを重点的に掃除します。
①上から下に向かってホコリをそっと払って落とします。パタパタとはたいてしまうと舞い上がるだけなので、下に落とすように払うのがポイントです。
壁や天井、家具など面が広い場所や高い場所の掃除には、大振りの静電気モップや柄が伸びるモップを使います。
細かい物の上や隙間のホコリはハンディモップ、欄間など立体的で細かい空間は「のびる!天使の毛はたき」で払います。
②掃除機をかけ、落としたホコリを吸い取ります。
フローリングモップや掃除ロボットでも良いのですが、ホコリの量が多い時は掃除機で吸うのが一番。
その後に水拭きをすると、空気が変わってすっきりと爽快感を味わえるので、特におすすめだそうです。
③最後に窓を2カ所開けて風の通り道を作り、残ったホコリを飛ばします。
最初に換気をしても良いのですが、ホコリが多い場合は風が入るとホコリが舞い上がってしまい掃除の効果がなくなってしまうので、換気は最後に行うほうがおすすめです。
とはいえ、毎日この手順で家中のホコリ掃除をするのは大変。
清水先生はホコリ対策として家のいろんな場所にハンディモップを置いておき、気になった時にサッと取ってそこだけを掃除しています。
全体的にホコリが気になってきたら、①~③の順に掃除をしているそうです。
梅雨前に特に気にしたいホコリ対策
ホコリは湿気がある梅雨時にはあっという間にカビに成長してしまいます。
カビになる前、ホコリのうちに次の2か所の対策をしておきましょう。
換気扇や換気口まわり
トイレ、脱衣所、洗面所や浴室などの湿気がたまりやすい場所にある換気扇や、集合住宅の換気口にホコリがあると、換気が不十分になって室内に湿気とホコリがたまり、カビやすくなります。
取扱説明書などを読んで、ホコリを取り除きましょう。
基本的な掃除方法としては、換気扇の電源を切ってからフィルターを外し、掃除機でホコリを吸い取り、フィルターを水洗いします。
フィルターの汚れがひどいときは中性洗剤や弱アルカリ性の洗剤で洗いましょう。
換気扇本体や周り、中のホコリは掃除機とハケで取り除きます。
トイレの換気扇の掃除方法についてはこちらのコラムも参照してください。
集合住宅などの換気口は、表面のホコリを掃除機などで吸い取り、水拭きをします。
簡単に取り外せない場合もありますので、取扱説明書を見たり管理会社などに問い合わせたりしてみてください。
カーテンまわり
布のアイテムはホコリが付着しやすいですが、面積の広いカーテンには特にたくさんのホコリがついています。
しかも、カーテンはエアコンの送風口近くにあることが多いので、カーテンのホコリやカビの予備軍がエアコンの風に乗って部屋中に舞うことになります。
エアコンのフィルター掃除だけでは安心できないのです。
カーテンまわりのホコリは、カーテンを閉め、レールの上とヒダ部分を静電気モップやハンディモップでなでるようにしてホコリを落とし、掃除機で吸い取ります。
日頃閉め切っているカーテンにはホコリが多くついているので、ブラシを付けた掃除機で直接吸引しましょう。
お掃除のプロが知っている、ホコリがたまりやすい場所。
最後に、家庭内でホコリがたまりがちな場所を伺いました。
そこは日頃の掃除が行き届きにくく、ホコリにとっては楽園のような場所。日々のお掃除に取り入れてみませんか?
①巾木(はばき)
壁と床の境目にある細い板状の「巾木」は上にホコリがたまりがちです。
また、巾木についた黒い汚れはホコリと水が一緒になったもの。
薄めた中性洗剤で落としましょう。
②壁
壁は特に部屋の角、縦のラインに沿ってホコリがたまりがちです。
③掃除ロボットがたどり着けない部屋のスミ
④引き戸のレール
脱衣所、クローゼット、トイレや和室などにある引き戸のレールはホコリがたまると開閉がしづらくなります。
掃除ロボットが使えない場所なので、ハケと掃除機で取り除きます。
⑤トイレ
タンクの後ろや壁に付着したホコリが忘れられがちです。
トイレはホコリが多く、水気が多く、空気もこもりがちとカビが発生しやすい条件がたくさんあるので、こまめにハンディモップで取り除きましょう。
自分のペースで、無理なくホコリ対策をしましょう。
ホコリを減らすためにできる究極の対策は、ホコリがつきそうな面を増やさないこと。外に出ている物を減らすことです。
わかってはいても限度がありますし、そもそもホコリは無くなることがありません。
自分と家族、家にあったちょうどよい掃除方法を捜して、風がよく通る、空気が気持ちよい家にしてくださいね。