思い出の写真、見返していますか?

出典:写真AC
自分や家族の思い出の写真、どう管理していますか?
アルバムに貼ったら見返さずに何十年も本棚の肥やしになっていませんか?
多くの家庭の片付けや終活、生前整理の手伝いをしてきた片付けのプロ、中川智子先生によると、どのご家庭でも整理ができずに困るのが写真やアルバムなのだそうです。
「アルバムは分厚くて重いので見返す機会が少なくなっていきます。増えたアルバムは本棚から段ボール、押入れや戸袋と、家の奥へ奥へとしまいこまれていきます。
年齢を重ねると一旦奥に入った物を取り出すのはひと苦労。
気づいたときにはお蔵入りというご家庭が本当に多いです」
思い出の写真はしまいこむのではなく、身近に置いて家族や友人、自分で見返したりするのがいいそう。
収納の一角を占領しているアルバムたちの整理方法を中川先生と、リンナイスタイルでもおなじみの大津たまみ先生に教わります。
アルバムに貼った写真でも整理が必要な深刻な理由

モデルはお掃除と片づけのプロ、大津たまみ先生
写真は意外にデリケート。
何十年も見返されないと、乾燥、湿気、高温、ホコリ、紫外線等によって傷みが生じている可能性があります。
特に台紙とフィルムの間に密着させるタイプのアルバムでは使われている糊が変質し、写真を劣化させている危険が高いそう。
いったんすべてを取り出し、状態を確認しましょう。
「写真は思い出であり人生の大切な1ページ。失くしたら二度と見られなくなってしまいます。そうなる前に整理をして丁寧に保管しましょう」と中川先生。
アルバムに貼った写真を整理する方法

用意するもの
- アルバム
- B7のクリアポケット
- ドライヤー
- ふせん
- ペン

整理の方法
自分の写真をすべて集め、アルバムから取り出します。
アルバムからはがせないもの、はがすと写真が傷つく恐れがあるものはムリにはがさないでください。

特に気をつけたいのは、台紙とフィルムを密着させるタイプのアルバムです。
台紙の周りが茶色く変質しているものは中の糊が劣化して写真を傷めている可能性があります。
台紙に張りついてはがしにくくなっている場合も多いので、その際はドライヤーの温風で糊をゆるめ、ゆっくりはがしましょう。

ふせんに「いつ、どこで誰と撮影したか」等のエピソードを書いて写真の裏に貼ります。
一度にすべての写真をはがしてしまうと時系列がわからなくなるので、1枚ずつ行いましょう。

はがした写真は B7(L版の写真がちょうど入る大きさ)のクリアポケットに入れます。
写真の裏に糊がついていると他の写真と重なった時に写真を傷める恐れがあるので必ず1枚ずつ入れます。

残す写真は一旦ケースに入れて時系列に整理した後、空き箱等に入れ、光が当たらず高温にならない場所で保管します。
写真をはずした後のアルバムは処分できるのなら処分しましょう。
これだけでもアルバムが入っていたスペースが減ってスッキリします。
写真を整理すると残したい写真だけが集まるフシギ
やや面倒に思われますが、この作業が終わる頃には自然と残す写真と手放す写真が分けられているはずです。
効率よく作業をしようとすると同じような写真の中から思い入れのある写真を1枚だけ残そうという気持ちになり、厳選されるようです。
更に、ご自身やご家族の写真を整理した経験がある大津たまみ先生はこう言います。
「写真には様々な思い出が写っています。深い思い出もあればそれほどでもない思い出もあります。
時間が経ってあらためて写真と向きあうと、残しておきたい大切な思い出が明確になり、残したい写真が自然に絞られていくんですよ」
「マイベストショットアルバム」を作ろう
中川先生は残す写真を更に厳選した「マイベストショットアルバム」を作ることも提案。
「『マイベストショットアルバム』は自分の人生のベストな瞬間の写真だけを集めた、人生のダイジェスト版のアルバムです。見るたびに元気になれる宝物です」と中川先生。

用意するもの
- 市販のフォトアルバム(20~30枚ほど入るもの)
- デコレーション用アイテム(マスキングテープ、シール、レースペーパー等)
- 色紙やカラフルなメモ
- カラーペン
- はさみ

アルバムの作り方
残す写真の中から、自分が笑顔になれる「輝いている私」の写真を30枚ほど選び、アルバムに収めます。
当時の気持ちをメモにしたり思い出の品を貼ったりして、人生を彩るように飾りましょう。

最後のページには「今一番輝いている自分の写真」を貼りましょう。
楽しい思い出の時間が今の自分につながっていると再確認でき、自信につながります。
中にはもしもの時に備えて、この写真を遺影にする心積もりをしている人もいるそうです。
写真は幸せの瞬間を見返して元気になるためのもの
写真やアルバムを整理する時間は自分の人生と向き合い、見直す時間になります。
整理した写真は、落ち込んだ時は過去の楽しかった時間を思い出させてくれたり、がんばっていた自分を振り返って自信を持ち直させてくれたりと、ただ見ているだけで元気になれます。
家族や友人たちとの会話も生まれます。
押入れの中で大切な写真が朽ちていくのは寂しいですよね。
処分しにくい写真を早めに整理することは家族の負担減にもなります。
時間を見つけて思い切って挑戦してみませんか?

出典:Unsplash