掃除のプロは急な来客にも困らない?
「今からおじゃましてもいい?」という突然の訪問に冷や汗をかいた経験、ありませんか?
今回はそんな急な来客にも慌てない、お掃除と片付けのコツをご紹介します。
教えてくれるのは仕事柄来客が多いという掃除と片付けのプロ、水上弘子(みずかみ ひろこ)先生。
元来、掃除も片付けも苦手という水上先生が知識とアイデアで編み出した、慌てずにお客様を迎えるための
- お客様がいらっしゃるまでの短時間ですること。
- 急な来客にも慌てない日々の暮らしのコツ。
をご紹介します。
チャイムが鳴るまでにする3つのこと。
お客様がチャイムを鳴らすまでの時間でするべきこととして、水上先生は次の3つを上げます。
① ニオイ対策
② 散らかった物の片付け
③ ホコリ掃除
自分が友人や知人の家を訪ねた時に気になることを思い出しながら、お客様になったつもりで、玄関→リビング→水まわり(トイレや洗面所、場合によってはキッチン)と移動して準備をします。
なにはなくとも「換気」!
来客前に最低限するべきことは「換気」と言う水上先生。
友人や知人の家を訪ねた時に一番気になるのはその家独特のニオイではありませんか?
自分の家のニオイは気付きにくいので、まずはドアと窓を開け、扇風機やサーキュレータを使って淀んだ空気を入れ替えましょう。
ニオイは布アイテムにつきやすいです。
換気と同時に消臭用スプレーを使いましょう。
水上先生は自分が好きな香りのお手製アロマスプレーを用意。消毒用エタノール10~20mlと精製水40~80mlを混ぜ、お気に入りのアロマオイル(精油)を10~20滴程度入れています。
玄関や廊下、トイレ等にも消臭アイテムを置きます。
この時大事なのは香りを統一させること。
例えば玄関がミント系、リビングがフローラル系、トイレがシトラス系だと、家の中で香りがケンカをして落ち着きませんよね。
片付けと掃除を同時進行で!
換気後に時間があれば、お客様視点で家の中をチェックして片付け、できれば掃除までしてしまいましょう。
光の当たる場所のホコリは目立つので、目に入る場所だけでも掃除できるといいですね。
掃除道具を厳選して手に持ち、移動しながら掃除をします。
水上先生はマイクロファイバークロス(もしくはドライシート)、フローリングモップ、はたき等を使用。
場合によってはお手製の掃除用のアロマスプレー(消毒用エタノール50~100mlに精油5~10適を溶かしたもの)も使います。
では、実際に水上先生の片付けと掃除の様子をご紹介します。
①玄関
まずは玄関の片付け。
たたきに置く靴の数を決めたら残りは下駄箱へ。
棚の上のトレイに鍵等の小物をざっくりと入れます。
水上家の玄関には収納がたっぷりあるので、大きな物はその中へ。入らない物はボックス等に収納して片隅もしくは別の場所へ移動させます。
次は掃除です。
お客様になったつもりで、玄関の外、ポーチから始めます。
インターフォン、ドア、ポスト、たたきの汚れをドライシートで払います。
鏡が曇っているのはマイナス印象なので、マイクロファイバークロスで乾拭きします。
下駄箱の上などは、物は動かさずにはたきでホコリを払って完了です。
②リビング
お客様の視点を持ったまま家に上がり、リビングへ。途中で汚れを見つけたら取り除きます。
まずはお客様の席に座って、どこが気になるかチェックしましょう。
リビングには家族の物や脱いだ服、ちょい置きの物が散乱しがちです。
それらを収納用のカゴやボックス、バッグに、家族別や用途別にざっくりと分けて入れていきます。
テーブルの上の書類やリモコンは片隅に揃えるだけでも片付いて見えますよ。
カゴやボックスはテーブルの下に入れたり、バッグを廊下のフックにかけたりとお客様からは見えない場所に移動させます。
続いて掃除です。
フローリングモップで、玄関からリビング、ダイニング、洗面所まで一気にお掃除。
目につきやすい床の隅のホコリは念入りにします。
家具や家電はマイクロファイバークロスとはたきでホコリを取ります。
最後にもう一度お客様の席に座って、整って見えるかチェックして完了です。
③トイレや洗面所
余裕があればトイレや洗面所まできれいにしましょう。
清潔さが求められる場所なので、タオルを交換し、トイレットペーパーや石けんの残量をチェックして補充。
余計な物があれば、他の場所に移しましょう。
床が汚れていたらフローリングモップできれいにします。
トイレマットが汚れている場合はいっそのこと外してしまいましょう。
トイレは特にニオイが気になる場所なので、消臭剤でしっかり対策をします。
重点的に掃除すべきなのは金属などの光る場所。
マイクロファイバークロスと掃除用のアロマスプレーで蛇口、鏡などを拭き、仕上げにマイクロファイバークロスで乾拭きをすれば、ピカピカになり清潔感が出ます。
最後に、扉を開けた時に気持ちよく感じるか、お客様視点でチェックして終了です。
以上が来客時の水上先生のルーティンです。
ちなみに「そこまで来たからついでに寄ったの」という本当に急な来客の場合は、お客様を案内しながら「ちょっと空気がこもっていますね」と換気をしたり、「こんなところにゴミが…」と掃除をすることもあるそう。
来客があっても慌てないための暮らし方。
さっとお客様の準備ができてしまう水上先生ですが、日頃から清潔で片付いた家に見えるように、「見せ方」にこだわった暮らし方をされています。
ポイントは3つ。
ひとつめは、家具や小物類は素材感や色味を揃えて選ぶこと。家の中の雰囲気が統一され、すっきりおしゃれに見せられます。
確かに、水上先生のお宅のリビングは多少物がある時でも全体的に整って見えます。
ふたつめは、家のあちこちに空きスペースや空きボックス、布の袋等の収納アイテムを用意しておくこと。
いざという時に放り込んだり、布で隠したりして「ざっくり収納」ができるようにしてあります。
③汚れに気づいたときにすぐに掃除ができるよう、手が届きやすい場所に掃除道具を置いておく。
玄関のたたき横(写真左)には、ほうき(大・小)、デッキブラシ、ミニブラシ、ちりとり。
廊下(写真右)には、アルコールスプレー、フローリングモップ、マイクロファイバークロス、はたき(天使の毛はたき)等があります。
リビングには、掃除機、フローリングモップ、マイクロファイバークロス、はたき、アルコールスプレー等を常備。
出してあってもおしゃれに見えるデザインの物を選んであるので、生活感があまり出ません。
急なお客様でも慌てずにサッと掃除ができます。
まずは玄関をいつもきれいにすることから
最後に、急に来客があっても「片付いている家」と思われるコツとして「日頃から玄関まわりを整えておくといいですよ」と水上先生。
理由は、来客で一番多いのは宅配便やご近所の方などの玄関先までの用事だから、とのこと。
確かにそうですよね。
掃除道具の脇にゴミ箱を置き、下駄箱上のトレイに文房具等必要な物を入れておけば、その場ですぐに対応ができるとのこと。
玄関をきれいにしようと心がけていると他の場所も自然と片付けるようになり、いつでもお客様を迎えられる家になるようです、と水上先生。
掃除と片付けのプロの来客を迎えるコツ、できるところから取り入れてみてくださいね。