毎日の掃除をラクにするための「ひと手間」が自分を助けてくれる。
毎日忙しくて丁寧に掃除をする時間がない。でも積もっていく汚れが気になる。
家の中でも、1日に何度も使うキッチンは、油や調味料などの目立つ汚れがつきやすい場所です。
それなのに「まずはご飯を作らなくては…」と掃除が後回しになりがちな場所でもあると、掃除と片付けのプロ杉 千郷(すぎ ちさと)先生は言います。
そこで杉先生が提案するのが掃除の前に「ひと手間」をかけておく方法。
「予防清掃」と呼ばれる、掃除をしながら汚れにくくなるように工夫をしていつもの掃除をラクにする考え方です。
ご自身もフルタイムで働きながら家事をこなす杉先生が、ご自宅やハウスクリーニングの現場で効果的だったキッチンの「ひと手間」を5つ紹介します。
ひと手間① トースターのパンくずトレイにアルミホイル
トースターを使う度にパンくずトレイの汚れが気になる。
杉先生はハウスクリーニングの現場でもトースターの中にパンくずやチーズ、調味料がこぼれ、そこに熱が加わって強く焼きついた汚れになってしまっているのを何度も見てきました。
金属に焼きついた汚れは固まると落とすのが難しいです。
そこで、汚れがつく前に「ひと手間」をかけて、掃除をラクにします。
方法は、パンくずトレイを洗って乾かした後にアルミホイルで覆うだけ。
元通りにセットすれば完了です。
汚れがひどくなったら、トレイを出してアルミホイルを交換するだけ。
焼きついたパンくずがこびりついたトレイを洗う必要がなくなり、トースターを開ける度に感じるストレスも減ります。
トレイ以外の網や窓部分の汚れは、トースターを使い終わった後、まだ少し温かいかなと感じるうちに水拭きをすることで、比較的簡単に落とせます。
※使用後すぐのトースターは高温のため、ヤケドの危険があります。
必ず、触っても熱くない程度に冷めたことを確かめてから掃除をしてください。
ひと手間② 引き出しに牛乳パックで仕切り
キッチンの引き出しは意外に汚れやすく、掃除をするのが面倒な場所です。
ここには、牛乳パックで仕切りを作り、カトラリーや調理器具を分別、収納します。
作り方は簡単です。
牛乳パックの縦の1辺を下まで切り、底を対角線に切って開きます。
同じものを2つ作ります。
口の部分で重ね、長さが調整できるようにします。
長さを調節して引き出しに入れ、道具やカトラリーを収納します。
汚れたら新しいものに交換するだけ。衛生面での不安も、掃除の手間も減ります。
見せる収納?手間をかけない収納?
引き出しはそもそも汚れる場所。収納用のトレイを買ったところで掃除をする手間は変わりません。
それなら、トレイは買わずにリサイクルに出す牛乳パックを使えば、掃除の手間は減り、常に清潔に使えます。
汚れやすい場所や目につかない場所は美しく見せる収納よりも、手間がかからない収納を選択するのが杉先生のポイントです。
ひと手間③ ツールスタンドの底にキッチンペーパー
調理器具をツールスタンドに立てて収納している方も多いと思います。
でもその中はホコリや油で汚れ、意外に不衛生です。底に穴があいているタイプは調理台が汚れる可能性も。
そこで、ツールスタンドの底にキッチンペーパーを敷きます。
ペーパーが水や油を吸ってくれるので、汚れたら交換するだけ。
中が見えるのが気になる場合は、アルミホイルを敷くのも良いです。
ひと手間④ 冷蔵庫のドアポケットの底にキッチンペーパー
冷蔵庫、特にドアポケットは立ててある調味料が垂れて汚れやすい場所です。
ここには、ツールスタンドと同じようにキッチンペーパーを敷きます。
見た目が気になる場合は、ラップフィルムでも良いでしょう。
野菜室やチルド室も汚れやすいので、同じようにペーパー等を敷くと掃除がラクになります。
ひと手間⑤ ゴミ箱は袋を二重に
キッチンのゴミ箱は生ゴミを捨てることが多いため、気を付けていても底が汚れやすく、ニオイも気になります。
でも大きなゴミ箱を洗うのは大変。
解決方法として、中のゴミ袋を二重にしておきます。
ゴミを出す時は上の袋だけを外します。
新しいゴミ袋は袋の上からかけます。
下にかけているゴミ袋が汚れてきたら一度外し、新しいごみ袋をかけて、その上に最初に下にかけてあった汚れたゴミ袋をかけます。
そのまま使ってゴミに出せば、ゴミ箱の中はきれいなままで、ゴミ箱を洗う手間もなくなります。
ゴミ箱は外側やフタの内側なども汚れやすいので、近くにアルコールスプレー等を置き、汚れたらすぐに掃除ができるようにしておくのもおすすめです。
そのひと手間が、私を救う!
お掃除は大変ですが、汚れがたまっていくのを見ているのもまたストレスです。
そう考えれば、この「ひと手間」をかける掃除方法は、最初は手間でも後からの掃除がラクになるので、結果的に掃除をしなくてもすむ、とても助かる方法なのです。
杉先生が「そのひと手間が私を救う!」と断言するだけのことはあります。
忙しい毎日の中で家事をどう効率よく行うかは家族全員の課題です。
お掃除のプロならではのコツを参考に、ご家庭に合わせた家事の方法を探してみてくださいね。