本当は怖い、ホコリ?
お掃除のプロ大津たまみ先生は掃除代行の現場で「ホコリを全部なくしてほしい」というオーダーを受けることがあるそうです。
大津先生はその度に「残念ながら、ムリです」と答えます。
ホコリの正体は布製品(服、布団、カーテン、ラグ等)から出た繊維クズ、紙類(本・雑誌・新聞等)から落ちた小さなクズ、人間の皮脂や髪、花粉、砂ぼこり等です。
つまり、人間の生活空間からホコリをなくすことは不可能なのです。
さらに、大津先生は、本当はホコリは怖いんです、と言います。
「ホコリは人によってはハウスダストアレルギーの原因になります。それに『トラッキング現象』を起こして火事になる危険性があります。侮ってはいけません」と警鐘を鳴らします。
「トラッキング現象」とは電化製品の電源プラグとコンセントの間にホコリが溜まり、空気中の湿気を吸って、漏電、発火に繋がる現象です。
コンセントの周りが焦げたり、ひどい場合は出火して延焼、大規模な火災になるケースもあります。
小さいけれど放置すると恐ろしいのがホコリ。
大津先生にホコリのラクな掃除方法と増やさない対策を教わります。
ホコリのラクな掃除方法
ホコリは室内の空気が流れていない所にたまりやすいです。
部屋のスミ、家具や電化製品の上や裏、ケーブル類、布製品、窓のサッシ部分などです。このあたりは重点的に掃除をするようにしましょう。
掃除は上から下に向かって行います。
最初に天井の照明やスタンドライトのカサの部分からホコリを取っていきます。
下に払い落とすよりも、ハンディモップやフローリング掃除用のドライシートを活用してからめ取るようにしましょう。
水拭きをするとホコリが取りきれず、乾いた後にこびりついてしまうので、濡らさずに掃除をしましょう。
コンセントや電源プラグについたホコリは作業用手袋をした状態で指先を使って取ると便利です。
指先で細かい場所のホコリでもしっかり取ることができます。
家具や電化製品の裏のホコリはフローリング掃除用のドライシートを使うと取りやすいです。
より複雑な場所には、作業用手袋をして指先で掃除をしましょう。
棚の上や中もホコリが溜まりやすいです。
ハンディモップを使うと掃除がラクです。
水拭きをするとホコリが残ってしまうので、濡らさずに乾いた状態で掃除をしましょう。
最後にフロアーモップで床に落ちたホコリを取り、仕上げに掃除機をかけます。
先に掃除機を使ってしまうと排気口からの風でホコリが舞ってしまいます。
フロアーモップでホコリを取ってから掃除機を使うのが正解です。
週末は仕上げに水拭きをすると床がよりサッパリして、気持ちよく過ごせますよ。
詳しくはこちらのコラムをご参照ください。
大津先生からはこんなアドバイスも。
「最近は床用のお掃除ロボットがあるご家庭が増えてきましたね。お持ちの方は積極的に活用しましょう。使うタイミングは朝1番か、帰宅する直前に掃除が終わるように予約するのがいいですよ」
ホコリ掃除のタイミングは?
ホコリを掃除するイミングは起きてすぐか帰宅してすぐがベストです。
人が活動して時間帯はホコリが空気中に舞ってしまうので、空気が動かない就寝中や外出中にホコリを床に落とし、なるべく風を起こさないようにして掃除をしましょう。
ホコリをためない毎日の工夫
ホコリ掃除をもう少しラクにするために、ホコリを室内にためない工夫をしましょう。
そのためには、換気が一番です。
定期的に室内に風を通して、ホコリを外に出しましょう。
棚で見せる収納をしている方も多いと思いますが、ご存知のように想像以上にホコリがたまります。
こまめに掃除をするか、飾る物を最小限にしましょう。
「どうしても飾りたいものがある、でも掃除は面倒という方は、扉のついた収納に変えましょう(笑)」と大津先生。
布製のクッションやソファ等、布製品にもホコリがたまりやすいです。
繊維の間に挟まったり、繊維に絡みついたりしてそこにとどまるためです。
布製品の数を減らしたり、布製以外のソファにしたりして、ホコリがつかないようにしましょう。
日頃の掃除にうまく組み合わせて、ホコリのたまりにくい家にしませんか。